toggle
2017-09-07

街づくりのブーム / 渋谷の変遷 と 地方都市


 

《 渋谷がいつの間にか「池袋化」している理由 》

今日、たまたま目についた「Yahoo!ニュース」に掲載されていた記事。お読みになった方も多いかもしれない。

出張では必ずと言っていいほど、渋谷駅は利用する。この仕事を30年以上続けていて、平均すると月に1回は東京出張に出る。ということは、弘前に暮らしていながら、こんな田舎者の自分でも、渋谷の変遷を見てきたことになる。

30年数前の東京といえば、やはり渋谷、原宿、そして代官山だった。青山にもおしゃれな店はあったのかもしれないが、あまり足を伸ばした記憶はない。

当時の東京のショップといえば、やはり「ビームス」と「ミウラ&サンズ」「レッドウッド」あたりだろうか。いわゆる「セレクトショップ」の走り的存在のショップたち。まだ、「ユナイテッドアローズ」や「ジャーナルスタンダード」「トゥモローランド」は無い時代だ。

代官山に行くと、「ハリウッドランチマーケット」や「フレンチアーミーネイビーサープラス」「シティライト」「ヌヌシュ」なんかがあって、カジュアルだけどもエッジの効いた品揃えをする店が随所にあった。

その頃のファッションといえば、ヨーロッパのカジュアル(シェビニオンやシピー)、デザイナーズブランド(現在のポールスミスなど)や国内DCブランド、渋谷の老舗「バックドロップ」に並ぶようなハードなアメリカンブランド、などなどジャンルもクロスオーバー、着こなしもクロスオーバーななんともワクワクな時代だった。

情報といえば、ほぼ雑誌。「ポパイ」や「ホットドッグプレス」「チェックメイト」など。そしてメーカーさんから仕入れる生きたクチコミ情報。

ネットのない時代の情報というのは、自分だけが仕入れたような感覚があって、スリリングなものだった。だから、いつ行っても原宿は刺激的だったし、代官山はドキドキしたし、渋谷は多くの人で賑わっていた。

 

ここで、東京での思い出を書きたいわけではないので、渋谷の変遷については、上の記事を読んでいただければと思う。ちょっと専門的なビジネス記事ですが。

記事と少し重複するけれど、渋谷に魅力がなくなってきたと感じるのは、やはり自分だけではないようだ。特に、渋谷から原宿へとつながる明治通りとその裏通りには、かつてはセレクトショップだけではなく、マニアックな品揃えの古着屋もあったし、フィフティーズの店もあったりした。

今現在はどうかというと、セレクトショップもあるけれど、目立つのはいわゆるファストファッションのでかいビル。世界的に有名なアウトドアブランドやカジュアルブランドの旗艦店。ほとんどがそんな店で覆われて、個人的には全く面白くない通りになってしまった。

 

表参道から青山方面に行くと、ファストファッションの対極にある「世界の一流高級メゾン」の旗艦店が、これまた並ぶ。これまた、面白くない…というか買い物できないお店ばかりが、並ぶ街になってしまった。

でも不思議なことに、この対極のお店を同じ人間が右往左往している。ファストファッションでジーンズを買って、一流メゾンでバッグを買う。ファッションにおける消費行動は、ワンパターンになってしまった感がある。

インターネットが発達して、情報が多ければ多いほど、複雑であれば複雑なほど、人はわかりやすいほうに流れるようだ。だから昔に比べると、ファッションやライフスタイルに関しては、かなりレベルが底上げされた気がする。

でも、トンガった人はほぼ皆無になった。人と違う格好をしようとする人や、自分はバンドやってるんだ!っていう格好の人、オレはバイカーなんだゼ!ってな人もほとんどいなくなってしまった。

たまに見かけるとすれば、それはかつてそうだったオジさんが今でも頑張っている!ってところだろう。

代官山もだいぶ様相が変わってしまったが、それでもかつての雰囲気をまだ残している街かもしれない。

「ハリウッドランチマーケット」のまわりには、今でも高層のビルはないし、目黒川のほとりには今でもシャレたカフェや小さなショップが気持ちよく並んでいる。

ただ、正直「同潤会アパート」が取り壊され、あの味気ない「代官山アドレス」ができたときには、がっくりときた。あの少し入り組んだ代官山駅界隈を散策するのも楽しかったのに。

ファッションを通して自分の楽しかったころの東京を、ここで今私が語ったところで、何かが変わるというわけでもないのだが。

 

東京のような大都市に限らず、弘前や青森のような地方の都市も、最近街がおもしろくないなあと思うことが多くなった。

タイトルにもある「街づくり」

これが、日本全国ブームになっているようだ。世の中の人口も減り続けているだけに、街の商業、観光に人を呼び込もうと、どの街も必死だ。

ほぼ例外がなく、街の郊外に、ユ〇クロやシ〇ムラ、大型スーパーや大型電器店などの大手チェーン店舗ができあがっていく。これはしょうがないと思う。それが彼らのやり方だし、それで成功しているのだから。今後もそれが続いていくだろう。

残念なことに、そういった量販店が乱立することによって、街中にある個人商店は経営に行き詰まり、シャッターを下ろす。今では、「シャッター通り」という言葉さえ使われなくなってきた感がある。

「このままでは、街の中心部が廃れてしまう。なんとかしなければ!」という動きが、やはりどの街でも起こる。

その多くが「街づくり」だ。ただ、「街づくり」って、プラモデルのように、街のミニチュアを作るようなわけにはいかない。

だから「街づくり」に携わる方々は、いろんな情報を集める。そしていろんな街を視察する。多くの知識人とも会うだろう。

上にも書いたが、ネットが発達して情報量が多くなり、選択肢が増えれば増えるほど、人は同じもを選んでしまう…というのが、この「街づくり」にも言える気がする。

全国各地にも、おそらく「街づくり」を掲げて成功している都市もあるであろう。ただ、本当に長い目で見たときに成功しているのかどうかは、まだわからない…おそらく進行形の状態という都市は多いのかもしれない。

青森市がまさにそうだった。駅前のアウガを始め、日本で最も成功したコンパクトシティと謳われたのも、ほんの数年前のことだった。

そういう意味でいうと、「街づくり」というのは、街の景観や通り、建物だけでなく、時間もデザインできなければならない。いや、そちらの方こそが重要なのかもしれない。

 

 

「街づくり」に関しては、まるでど素人の自分ではあるが、30年以上ダウンタウンで商売をしてきた身としては、いつでも気になる事柄ではあるし、考えなければならない事柄だと思っている。

今日は、ただ「渋谷の変遷」の記事を読んで、まるで規模は違うのだけれど、「弘前」にも当てはまることがあるような気がして書いてみた。

もう少し、深く掘り下げて、続きを書いてみたいと思う。妙に、クソ真面目なブログになってしまった。

 

娘の合唱部東北大会へ向けての準備しなきゃ。

土曜日、名取に向けて出発です!

 

 


関連記事

コメント4件

  • Takashi Maeda より:

    街づくり 割と近い位置にいて多少は関わりながら仕事してる立場としては耳が痛い。しかし同感です。まずはいつもリアリティーの欠如を感じる。最近アジアを旅行する機会が多いのですが、あのパワー+リアリティーには脱帽・放尿・脱糞しちゃいます。ヨーロッパだってリアリティーを感じる。安全安心を旗に掲げて邁進する役人の立場ではそうなるのは判るけどそれに歯止めをかけれない庶民力の低さがそうさせてるのかな?庶民の一人として反省しきり!

    • ferokie より:

      私も庶民の一人として、街の同質化に歯止めをかけられないチカラの無さを感じています。でもこうやって喋るだけでも、なんかの発信になるんじゃないかな~と思っているところで。別に役所を敵に回したいわけではありません(笑)

  • モリ より:

    TVやネットの情報で考え方だが同質化しているため、街の匂いが同質化しているのかと思います。街づくりも、結局同じような事をしている感じが…

    逆にバリバリ自分をさらけ出す個性的な店を見つけると嬉しいですね。

    • ferokie より:

      モリさん、んですね。自分もネットは利用しますが、やはり実際のお店で素敵なものを見つけると嬉しいものです^^

  • ferokie へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。