ツール・ド・ツガル / 弥生〜高照神社
カツカレーを食うことができなかった前回のツーリングから2ヶ月も経っていた。
ロードバイクを乗り始めて、夏場にこれほど走らなかったのは初めてだ。理由は明らかで、この夏は暑すぎたからだ。
以前はあえて暑い日に走り、思いっきり汗をかいて体重を減らしたものだが、今は体重を減らす前にぶっ倒れる自信がある。それほど暑い夏だった。
もうひとつ理由がある。それは熊の存在だ。夏場のロングライドといえば、岩木山一周や八甲田山一周、十和田湖一周などにチャレンジしていたが、いずれのルートも熊が出没している。
つい最近では普段利用しているスーパーマーケットの近くでも目撃されている。正直怖い。
まあ、暑すぎるとか、熊が出没している、というのはだらしない自分の言い訳に過ぎないのはわかっている。走ろうと思えば涼しい朝方に、安全なルートを走ることはいくらでもできるのだ。
10年前に買った服を着るのは断念するにしても、今現在着ている服が着られなくなるのはマズい。
思ったより外は暑かったが、走るにはちょうど良さそうだ。和徳から青山方面を経由し岩木川沿いを走る。特にルートは決めずに走りやすい路を走る。
岩木川を渡り、岩木山の方向に向かって走る。船沢中学校の前を通り、折笠地区へと入る。このまま真っ直ぐ坂を登っていけば、たしか弥生に着くはずだ。GoogleMapを見ればすぐわかるが、それもシラけるのでスマホは見ない。

弥生へ上る坂。雲をかぶった岩木山。
緩い坂ではあるが、これだけ走っていないとやはりキツい。お腹の肉でパツパツになったサイクルジャージもキツい。
しかし思いっきり負荷をかける練習ではない。周りのリンゴ畑を眺めながらゆっくりと脚を廻す。やがて標識が見えてきた。

弥生いこいの広場入口。
岩木山環状線沿いにある「弥生いこいの広場」の入口。娘が小さかった頃、MTBの後ろに乗せてこの坂を広場まで上ったことがあった。
看板にロードを立てかけて、しばし休憩。
ピクニックできる広場があり、小さな動物園もある「弥生いこいの広場」は、子どもたちに人気の施設だ。が、現在は閉鎖されている。熊が出没しているからだ。ロードバイクの後輪のところに熊が描かれているのが、妙にリアルだ。
登山道閉鎖や捕獲罠の資金援助など、いろいろな対策をしているが、どれも根本的な解決策にはなっていない。
人間の行動が一因になったのは明らかなのだから、賛否はあれど頭数制限や山林の開発など、数年、いや数十年かけて対策を講じなければならない。
弥生を後にし、百沢方面へ向かう。
ここからは楽なルートかと思いきや、思いのほか上り坂が続く。そういえばそうだったと思い出した。
そして、もう少し走れば「ゆとりの駐車場」があることも思い出した。
「ゆとりの駐車場」に入ると、一台の軽トラが停まっていた。見たことのある顔があった。

田中さん
写真仲間の田中さんだった。田中さんも私だと気づいたらしい。
農作業の途中だった田中さんと久しぶりに談笑する。田中さんは長年美味しいリンゴを作り続けているリンゴ農家さんであり、津軽の霊峰「岩木山」を撮り続けている写真家でもある。
私が写真を再開するきっかけになったのは、10年ほど前の岩木山フォトコンテストでの入賞だった。田中さんはそのコンテストでの上位入賞の常連だった。それ以来のお付き合い。
ほぼ同い年でありながら、身体を駆使して農作業を続ける田中さん。頭が下がります。

ゆとりの駐車場から望むリンゴ園と弘前の街。
田中さんに別れを告げて、再びロードを走らせた。
緩やかな下りの路を走ると交差点が現れ、右手に大きな鳥居が見えてくる。車が走ってこないのを確認しながら、私はゆっくりと鳥居をくぐり抜けた。
「高照神社」は、岩木山の麓に建つ神社である。すぐ近くの「岩木山神社」がよく知られるが、「高照神社」もまた歴史ある神社であり、重要文化財に指定される歴史的建築でもある。
(詳しくはコチラ → 高照神社 )

随神門より拝殿を望む。
拝殿に進み、お賽銭を入れて手を併せた。
この拝殿の奥に本殿があり、中を見学できるらしいのだが、汗だくのジャージ姿ではさすがに気が引ける。次回は車で来よう。
神社向かいの店でスポーツドリンクを買い、喉を潤す。
ツーリングの目的地が神社仏閣というのは妙に気持ちが良いものだ。歳をとったせいかもしれない。
これからは涼しくなる。ロードバイクで津軽の神社やお寺を巡ってみようか。












