【 FLOW 第3回写真展 】〜弘前市立百石町展示館〜
5月17日〜18日、【 FLOW 第3回写真展 】が百石町展示館で開催された。
「FLOW」は写真愛好家7名からなるグループで、年に1回のペースで写真展を開催している。
花鳥風月的な写真展が多い中にあって、「FLOW」は結構クセの強い作品が多い。今回は私を含め、モノクロの出展者が3名もいたので、クセが強すぎたかもしれない。
写真であれ絵画であれ、出展された作品はやはりナマで観た方が良い。何でもネットで鑑賞できる世の中になったからこそ、そう思う。
ただ、年齢的に記憶力が衰えてきたが故、備忘録としてブログに記録しておこうと思う。
今回は、2025年の1月から2月にかけての「津軽の豪雪」を撮った組写真。
たまたま黒石の温湯温泉に行ったとき、路の両脇や屋根雪の多さに驚いた。弘前の雪の多さも毎日のように全国ニュースになっていたが、温湯の雪は弘前を遥かに凌ぐものだった。すぐ翌日にカメラを手に再び温湯へ向かった。
(もしや黒石市内の雪も大変な事になっているのでは)と思い、さらに翌々日、カメラを手にして黒石の「こみせ」を訪れた。
写真展に出展する作品は何も決まっていなかったが、この二日間を機に、大雪の光景を撮った写真を出展することに決めた。
その数日後には、アップルロードを走りながら、百沢や嶽温泉で写真を撮った。ファインダー越しに、ここ数年で最も雪の深い年であることを感じた。
しかし、豪雪による災害を写真に収めるというのは、自分のスタイルではない。
1メートル以上もの雪が屋根に積もり、潰れかけた古い民家はいくつもあった。それは確かにドキュメンタリーな画ではあるが、そういうのを被写体とするのはどうも苦手なのだ。故に廃墟を撮ることもない。
いくら寂れていても、朽ちかけていても、そこに人間の営みがある光景に惹かれる。だから、写真を撮るときは「日常に潜む小さなドキュメンタリー」が常に自身のテーマとなっている。
たとえ豪雪であったとしても、そこに人間の生活が垣間見れたり、ふとオモシロい光景を見つけたときに気持ちが動く。
というわけで、インパクトのある他のメンバーの写真に比べると、随分地味な作品になった。が、それはいつものことだ。
今回は全体としてのテーマはあるが、作品ひとつひとつにタイトルは付いていない。
タイトルは付けることもあれば付けないこともある。タイトルひとつで、作品がよりオモシロくなることもあるし、ちょっとしたディティールに気付かされることもある。ただ、タイトルが説明的になったり、観る側を誘導してしまうこともある。
今回は「ストレートな写真」と思い、タイトル無しとした。

温湯温泉の細い路地。向かい同士の民家の屋根雪がせめぎ合う。

軒下に燕は再び巣を作るのだろうか。

カーブミラー越しに、温泉宿に積もる雪の厚みがわかる。

雪を捨てるスペースはすでにない。それでも、少しでもおろさないと潰れてしまう。

止まれの標識がわずかに見える。黒石中町。

冬眠中。

通電中。

「日常に潜む小さなドキュメンタリー」がテーマではあるが、リアルな落雪事故に遭遇。古民家から大量の落雪が発生し、隣の「松の湯交流館」を直撃。ヘタをすると巻き込まれていた。

UFO不時着。アップルロードにて。

ごみ収集場所。人間の営み。

春には動くはず。
こうして見ると、やはり地味な写真ばかり。
他のメンバーの作品は素晴らしいモノばかりだが、ここに載せるのは控えます。ご覧になりたい方は、是非、次回の写真展に足をお運びください。
メンバーの皆さん、お疲れ様でした!
ご来館くださった皆様、ありがとうございました。