盛岡旅紀行 〜盛岡のラーメン「中華そば 弥太郎」〜
先月に書いていた「思い出の後生掛温泉」の続き。
18年前のあの日に思いを馳せ、後生掛を後にし、八幡平アスピーテラインを盛岡に向け走る。この道を走るのは初めてだったが、あまりの風景の美しさに感動を覚えた。
八幡平は高原とはいえ、その標高はほぼ岩木山と同じ。そして、わずか10数km先にある2000mを超える雄大な岩手山。1600mの高さから2000mの山を望むこの視界は、青森県では味わうことができない。
素晴らしすぎる風景に目を奪われ、一枚も写真を撮っていなかった。残念。
美しい風景に心は満たされていたが、風邪気味の体調はやはり変わらず。アスピーテラインを少しずつ下りながら、ポンコツ軽は盛岡の街に近づきつつあった。
3月のアンサンブルコンテスト全国大会は、常に福島で開催されるため、車で東北六県を一周しながら、いろいろな街の美術館や、温泉、そしてラーメン屋をツアーする。この歳になると、こういうことが楽しみの割合を占めてくる。
ただ、東北一周を岩手側から入るとすると、盛岡は2時間ほどで着いてしまうので、昼飯はもう少し先の地になる。秋田側から行くと、盛岡は最終日の夜に近づいていて、そのまま素通りして弘前へ…となってしまうのだった。
故に、あまりゆっくりとしたことがなかった。でも今回は目的地が盛岡ということで、ラーメン屋とカレー屋はしっかりと調べておいた。
盛岡で有名なグルメといえば、なんと言っても「わんこそば」だろう。しかし、蕎麦は好きだが、次々に椀に入った蕎麦を食い続けるというのは、たぶん苦手。「盛岡冷麺」も人気のグルメだけど、あのニュルニュルと噛み切れにくい麺も、あまり得意ではない。だから普通のラーメンが一番。
でも盛岡のラーメンって、なんか特色があるのだろうか。青森といえば煮干し、札幌といえば味噌、とかあるけど、盛岡はピンとこない。
こんなときはググってみるのが良い。地元民からすると、ネットの情報って「ホントはちょっと違うんだよね」てことはよくある話だが、知らぬ人間にとっては仕方のないことだ。
何軒かピックアップしていたが、一番行きたいと思っていた店は、盛岡北側の「みたけ地区」にあった。八幡平から盛岡へ向かっている自分にとってはナイスロケーション。
キレイな住宅地を走ると、その店の存在を表す大きな看板が見えてきた。少しドキドキしながら車を駐車場に入れる。お昼時は過ぎていたが、駐車場は車でいっぱいだった。
店の入口に向かうと、外に客が10人ほど並んでいる。やはり人気の店なのだ。数年前に移転したという店舗は、新しくとても綺麗だった。

中華そば 弥太郎
行列はできているが、そこそこ回転が良いのだろう。15分ほどで入店。当然、店内は満員。
「定番の醤油ラーメンも美味いが、塩が美味い」というレビューが多かったこの店。初訪の店では、まずは「醤油」というのが基本だが、滅多に来れない店であれば人気の一品を食してみるのが良い。
というわけで「塩ラーメン」を注文。もちろんチャーシュー麺バージョンで。
ふだん住んでいない街の、美味しいと噂の店のラーメンは、何故こんなにもドキドキするのだろうか。
10分も待たぬうちに、そのラーメンがやって来た。

塩チャーシュー麺
(ああ…これ、私の好きなラーメンです。見てわかるんです…)
目の前におかれた美しいソレを見て、私は心の中で叫んでいた。そしてスープを一口啜ったとき、それは確信に変わった。
やや脂が浮かんだスープは、塩味はやや濃いめでスッキリとしながらもコクがある。適度に縮れた麺の食感も好み。食べ応えのあるチャーシュー。大ぶりのメンマと多めのネギ。凝った一品でないが、シンプルなラーメンとしては個人的には完璧に近い。
そうだ、かつて弘前の富士見橋近くにあった伝説の店「屋台屋」を彷彿とさせる味であった。
この日は9月末だというのに30度近くまで気温が上がっていた。
満足の一杯を味わい、身体中に汗をかきながら外へ出た。ちょうど店も終わる時間なのだろうか、行列はなくなっていた。
ポンコツ軽を盛岡の街中に向け走らせた。
ちょうどApioのメンバーによる練習が始まっている頃だった。メンバーには申し訳ないという思いがありながらも、どこか心が充ち足りている気がした。
いや、ホントに体調が良くないんです。ゴホゴホ。本番頑張ります。
「中華そば 弥太郎」 盛岡市みたけ4丁目28












