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2024-12-03

ツール・ド・ツガル / 大鰐虹貝〜早瀬野〜島田


 

2024年も12月。「一年経つの早いね〜」という会話に意味があるようには思えないが、12月の会話としては定番である。

しかし気がつけば、大したツーリングもできずに身体は立派に成長している。数十年前に成長期は終わっているというのに。

そして雪がちらつくと、少しばかり焦って締めのツーリングなどを画策するのは、これまた12月の定番であった。

 

月曜の朝、外に出ると雪化粧をした岩木山がきれいに映えていた。

もしかしたら、今日が今年最後のチャンスかな?と思い、少しだけ走ることにした。天気が良い分、気温は低い。走った後に温泉に浸かろうかな。

昼過ぎに、ロードを車に積み込んで出発。コンビニで買ったコーヒーを飲みながらどこを走ろうか思案する。

路面に雪はないが、山の方は積もってるかもしれない。そういえばSNSには、岩木山総合公園に雪が積もってる写真が投稿されていた。

国道7号を走ると、向こうに見える大鰐スキー場は白くなっている。

(大鰐辺りの温泉もいいな…) 

 

大鰐駅前に車を置く。大鰐の街中にはいくつかの川が流れている。旧大鰐高校のそばを流れる虹貝川沿いの道を走り、山の奥へ向かって走る。

虹貝川は、大鰐の街中で平川に合流する小さな川だ。ときおり急流になったり、ときおり淀んだりと表情があり、流れる姿が美しい。

この道は小さな峠を越えて、やがて碇ヶ関に出る。景色も長閑で、チャリダーには人気のルートだ。

 

スキー場は白くなっていたが、路面に雪はなし。もしかしたら峠を越えて碇ヶ関まで走れるかもしれない。ひんやりとした空気の中を気持ち良く走る。

久しぶりとあってすぐに太腿が張り始めるが、そんなに気合いを入れるライドでもないので、景色を楽しみながらゆっくり走る。

虹貝集落を走ると、お婆さんが飼い犬と一緒に道端で寛いでいる。割烹着姿のおかちゃが白菜の漬物を仕込んでいる。津軽の風景だ。

 

しばらく田畑の中を走ると、これまでとは雰囲気の異なる風景が現れた。

早瀬野集落には、木材工芸で知られる「わにもっこ」の工房があり、北欧を思わせるようなお洒落な建物が並んでいる。建物から立ち上る煙も雰囲気が良い。

 

奥に見えるのが「わにもっこ」の工房

 

また、近くには「おおわに自然村生ハム工房」もあり、大鰐の山奥にありながらどこか不思議な雰囲気を醸し出している。

 

早瀬野を過ぎ3kmほど走ると、その先には大鰐町最後の集落がある。しかし、その集落の手前で風景が変わり始めた。

右側(西側)の山が道の近くまで迫り、道のほとんどは日陰になっている。日陰になっている道が延々と続くその先は、白くなっていた。

 

 

 

大鰐最後の集落、島田の景色は冬の景色になっていた。

おそらく、陽を浴びる時間は午前のわずかな間だけなのだろう。路面の溶けた雪もすでに凍り始めている。この先の峠は雪道に違いない。

私は素直に諦めて、というか少しほっとした気持ちになり、この集落で引き返すことに決めた。

 

峠の手前にあるバス乗り場

 

私は最後の集落で少しだけ休憩をとった。終わりかけの紅葉と、積もったばかりの雪のコントラストを見ながら、少しだけ休んだ。

ツーリングとしてはかなり情けない距離ではあるが、とくに目標を立てて走っているわけでもない。

心と体のリフレッシュができれば、それで十分なのである。いや、身体はもっとリフレッシュしないとちとヤバいかな。

 

わずかにかいた汗が、復路のゆるい下り道で冷えるだろう。大鰐の街に戻れば温泉が待っている。

凍った路面でコケないよう、ゆっくりとペダルを回した。

 

 


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