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2025-03-21

2025 東北旅紀行 「比内地鶏親子丼」~角館武家屋敷~


 

昨年末に開催された「声楽アンサンブルコンテスト青森県大会」にて、『合唱団Apio』は金賞1位に選出され、前回に続き、3月の全国大会への推薦をいただいた。

前回と同様に、軽自動車に荷物をドカッと積み込んで、他のメンバーよりも一日早く福島へ向けて出発した。

1年前は、盛岡、仙台と国道4号を南下し福島へ向かった。復路は、酒田から日本海沿いに北上し弘前へ帰った。

美術館、温泉、ラーメン屋などを巡り、福島で音楽堂のステージに立ち、帰りも美術館、温泉、ラーメン屋を巡り、それを全てブログに書き終えたのは、すでに弘前の桜も散った頃であった。

自身の記録とはいえ、あまりのタイムラグは良くない。書いている本人の記憶も曖昧である。

故に内容は簡潔でもいいので、早め早めに記していこうと思い、今山形市内のホテルで書いている。

 

朝8時に自宅を経った。最初の目的地である角館まではノンストップで走る。

北秋田市にある「北欧の森公園」には、娘を連れて2度ほど行ったことがあるが、角館の記憶はない。中学生の頃、地理は得意だったが、あの頃に習った大曲市や角館町は、大仙市や仙北市という微妙にわかりにくい市名になっていた。

大曲の花火や角館武家屋敷というブランドがあるのだから、それを前面に出した方が観光面で良いと思うのだが、きっと大人の事情があったのだろう。

今年の弘前の豪雪に麻痺していたので、北秋田の雪はそんなにたいしたことのないように思えたが、それでもやはり阿仁の町あたりにくると一気に雪の厚みが増す。道中の路面はほとんど乾いていたが、わずかに雪が残る路面もあった。

 

すぐ東に位置する田沢湖をも訪れたかったが、時間に限りがあるので今回は断念。長かった峠道を越えると、角館の街が見えてきた。

広々とした盆地に位置するのかと思っていたが、意外にも険しい山々が街を囲んでいる。

ナビに従い、武家屋敷通りに入る。「みちのくの小京都」と呼ばれるだけあって、趣のある武家屋敷が整然と並んでいる。

ただ、弘前もたまに「小京都」と呼ばれるので、こうした武家屋敷を目にするのは恐ろしく新鮮というわけでもない。桜の時期であれば、それは美しいのだろうが、それもまた弘前で目が慣れている。

そして、観光に特化した街並みに、自分自身があまり興味を抱かなくなっていることにも気付く。これは、写真を撮るようになったせいだろうか。

 

 

そんなことを言っても美味いものは食いたい。

観光地ど真ん中の店で食べるというのは、なんとなく策略に嵌まっているような気がして少し悔しいのだが、知らぬ地の美味しいものはグーグルさんに尋ねるしかない。ネットにある情報は真に受けない方が良いとは言われるけれど、他に調べようがないのだ。

というわけで、しっかりランキング上位にあるお店へ。秋田の内陸と言えば、やはり「比内地鶏」である。「比内地鶏の親子丼」と言えば、ここ「桜の里」である(とグーグルさんが言ってた)。

 

右が「桜の里」 左の店も雰囲気良し

 

親子丼だけでなく、稲庭うどんも人気

 

歴史を感じさせる建物に入ると、中は意外にも広くはない。芸能人が書いたと思われる沢山の色紙が店内を飾っている。

外の看板にメニューがあったので、注文はすでに決めていた。水を持ってきてくれたバイトと思しきお姉さんにそれを伝えると、「注文はこのタッチパネルでお願いします」と返される。

歴史ある建物で、地元の美味いグルメをいただくというのに、タッチパネルとは少々興醒めである。これもインバウンド仕様なのか。こういう注文の取り方ひとつにも、あえて昔くささを残した方がブランド力が認知されると思うのだが、それはもはや年寄りの思い違いなのだろう。

 

たくさんの色紙とともに壁を覆うのは、大きな液晶テレビジョン。

春の選抜高校野球が流れていたので、なんとなくボーっとみていたが、これもやや興醒めであった。

でも、そんなことを気にしているのは自分だけかもしれない…など考えていたら、目の前に「比内地鶏親子丼」が運ばれてきた。小鉢とお吸い物、いぶりがっこもお盆にのっている。

丼のフタを持ち上げると、濃いオレンジ色が丼全体を覆っていた。そのオレンジ色の中に、僅かに炙り焦げのある地鶏がごっくん、じゅるる。

私は、もはやタッチパネルやテレビのことなど忘れ、間を置かずに手と口を動かしていた。

 

「比内地鶏親子丼」 1750円也

 

東北一周旅の一発目。まずは美味しい親子丼をいただくことができた。

まあ、美味しければ良し!ってことだ。でも、どこか釈然としない自分がいる。

こうして旅をすると、観光地のブランディングとかデザインとか、ついつい考えてしまう自分がいるが、最終的には自分自身が何に納得するのかなのだろう。

この東北一周の旅で、それを見つけることはできるのだろうか。

 

3月20日(木) 東北旅紀行一日目 その1

 

なるべく早く、続きます。

 

 

 


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