東北一周旅紀行 その14 〜由利本荘のラーメン「麺饗 松韻」〜
東北一周旅紀行もいよいよ最終日。
朝は酒田の「山居倉庫」で家族へのお土産を購入する。「山居倉庫」は、100年以上も前に造られた米穀倉庫で、2021年には国の史跡に指定され、その一部は「酒田市観光物産館」として観光客に人気となっている。
人気の酒田ラーメンを食する機会がなかったので、美味そうな「酒田ラーメン」をここで購入。後日レポートします。
この日のうちに弘前に帰らなければならぬので、お土産を買ってすぐに酒田を出発。日本海沿いを走り秋田県へと向かう。
山形から秋田へ向かう日本海沿いは初めて走る道なのだが、「国道7号」というのが馴染みあるせいか、デジャビュを感じる。
車から見える日本海の風景が、鰺ケ沢や深浦の風景と似ているからかもしれない。
昼飯は秋田県内で食う予定にしていた。
秋田のラーメンといえば、秋田の「末廣ラーメン本舗」(昨年食べ損ねている)、能代の「十八番」(制覇済)、大館の「桜木屋」(制覇済)などあるが、これらの地域は再訪のチャンスがある。
しかし、秋田市よりも南側というのはなかなか訪れる機会がない。そうしたら、とあるランキングで「秋田で一番人気のラーメンは由利本荘にあった」というのを見つけた。
(なんと、由利本荘にあるとは!これは行かねばならぬ…)というわけで、ひたすら日本海沿いの道をひたすら北上する。
西には、何も遮るものがない真っ直ぐな水平線。
東には、標高2236mを誇る雄大な鳥海山。何と美しく対照的な風景だろうか。
県境を越え、にかほ市を過ぎると、由利本荘まではあと30km。
国道7号と並行して走るJR羽越本線も、どことなく奥羽本線に似ている。
延々と続く長閑な風景の中を走ると、やがて由利本荘市に入る。
大きな川を渡ると、その店はあった。
開店時間前に着いたせいか、まだ暖簾が出ていない。店の周りを少し散歩する。11時になると暖簾が出た。
店内に入ると券売機がある。中華そばには「あっさり」と「こってり」がある。私は「こってり」の中と煮玉子のボタンを押した。
どこかのサイトで読んだが、ここの店主は青森出身と書いてあった。となれば、津軽で食べ馴染んだ極煮干に近いものがあるのだろうか。
店内はL字のカウンターのみで決して広くはないが、キレイで雰囲気が良い。厨房もとても清潔にされているのがよくわかる。
「中華そばこってりの中です」
おお、見た目はかなりこってりに見える。
瑞々しい水菜と煮玉子の黄身のコントラストが良し。チャーシューも美味そうだ。
まずはスープをひと口。お、見た目に反してドロっとした感じはなく飲みやすい。豚骨に煮干しを合わせたスープのようだが、豚骨独特の臭みや煮干のエグ味もなく、むしろキリッとパンチのある洗練された味。
秋田は豚骨や味噌などのスタミナ系が多いイメージだったが、ここは確かに青森にある美味い極煮干のラーメンに近い。
ただ麺は青森のそれとはちょっと違って、ちょいとヤンチャ。博多ラーメンを中太にしたような麺で、やや暴れ気味。でも、それがまたパンチのあるスープによく合う。
チャーシューはよく味付けされていて美味し。たっぷりの水菜もこのスープによく合い、これまた美味し。煮玉子も丁寧に作られているのがよくわかる。
トータルで完成度の高い一杯であった。
「麺饗 松韻」
秋田県由利本荘市石脇田頭100-5
さ〜て、弘前まではあと190km。長い旅もあと少し。
書き始めてから2ヶ月が経ちました。
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