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2020-11-16

弘前のラーメン / 『煮干結社 弘前店』の「煮干番長」


 

「結社」という言葉を聞くと、「秘密結社」や「フリーメーソン」など、何やら怪しげな組織を想像してしまうが、弘前にある『煮干結社』はラーメン屋である。

ラーメン屋ではあるが、「結社」という言葉が妙に似合う建物の一階にある。

弘前市で、最も古い国登録有形文化財として知られる「三上ビル」は、土手町から弘前公園へ向かう坂の上の交差点に建っている。

 

三上ビル

 

このなんとも雰囲気のある建物の一階、外壁がレンガで覆われている店が『煮干結社 弘前店』だ。

「弘前店」ということは、他にもあるのか?となるが、青森市にある「麺やゼットン」や「情熱☆ビリー」の系列らしい。

 

『煮干結社 弘前店』を紹介するときには、この「古い建物」のことや「ゼットンの系列」のことは外せないようだ。

しかし私にとっては、それよりも「ラーメンを作っている店主」のことの方が、気になる存在なのだ。

何故ならその店主は、20数年前高校生だった頃、よく私の店に来ていた「カマ」君だったからだ。

 

「カマ」と言っても彼はオカマではない。「鎌田」君である。

彼は洋服が好きで、よくお店に遊びに来ていた。卒業後は青森市にある洋服屋に勤め、一時はライバルとなった時期もあった。

服屋を辞めた後はラーメン屋に転身。そして数年前に弘前の「三上ビル」に店を出したのだ。

私は店が出来た頃に何度かおジャマしたが、その時はまだ「彼がラーメンを作っている」ことを知らなかった。顔を見たときに「あれ?」とは思ったが、声をかけるだけの確信がなかった。

その後、彼が私の店に顔を出してくれたときに「やっぱり、そーか!カマだったか!」となったのである。

 

レトロかつロカビリーな雰囲気

 

 

『煮干結社 弘前店』は、つけ麺がメインだ。もちろん、普通のラーメンもある。いや厳密に言えば、普通のラーメンはない。

弘前界隈にあるラーメン屋であれば、煮干や醤油があって、店によってさらに味噌や塩があるというかんじだが、ここは違う。

つけ麺もラーメンもそれぞれ4種類くらいあるのだが、醤油とか塩じゃなくて、どれもが独特なメニューなのだ。

「チキンファンク」「紅の海老」「焙煎深煎りつけ麺」など…ひとつひとつのメニューが際立っている。券売機のメニューを見ても、正直わかりにくい。だからメニューも覚えられない。

 

迷ったが、とりあえずド定番?と思われる「煮干番長」を注文した。

「カレーとセットにもできますよ!」と、カマが言った。でも遠慮した。歳をとるにつれて、セットを完食するのは難しい。

しかし正直、カレーも捨て難い。というのも、最近になり提供を始めた彼の作るカレー、これが大評判なのだそうだ。このカレーを目的に来るお客さんもかなり多いらしい。

 

煮干番長 (サービスの煮卵写ってた。カマゴメン!)

 

挑発的な「煮干中毒」の文字入りドンブリで、「煮干番長」の登場。

トロッと粘度のあるスープ。オッさんにはヘビーかな?と思いきや、変なクセはなく、ゴクゴクいってしまいそうだ。

麺はストレート気味の中太麺で、少々固めではあるが、食べているうちにモチモチ感が増してくる。これはスープにとても合っている麺だ。

そして、しっかりモッチリの柔らかチャーシューは、スープや麺に負けぬ存在感あり。

ウーー!これは食いごたえのあるラーメンだ。

 

オッさんが、全メニューを制覇するのは至難の技だろう。それにきっと、メニューも少しずつ変わっていくに違いない。カレーが有名になってきたように、いろいろな新しいメニューが登場するに違いない。

定番でも十分食べ応えあるが、つけ麺、ラーメン、それぞれの種類に、さらにスペシャルがあるらしい。

きっと、オッさんは永遠にメニューを覚えることができないのだ。

 

しかし、どうしてこんなに覚えにくいメニューなのだろう。毎日通えばすぐ覚えるかもしれないが、そうもいかない。

私が勝手に思い描くイメージで申し訳ないが、ラーメン屋を経営する人には2種類あって、ひとつは職人的にひとつの味を作り続けるタイプ。もうひとつは、探究心が強く、新しい味を作り出していくタイプ。

カマはきっと後者だ。お洒落が好きな人は、いろんなスタイルやアイテムのオリジナル知識を持っていつつ、自分なりにアレンジすることができる。そして、常に新しいものを吸収することができる。

 

カマ君

 

 

「他人と同じラーメンは作りたくない」「他と同じようなメニューにはしたくない」

きっと無意識のうちに、『煮干結社』は「カマ」のカラーになっているのだろう。だから、少しくらいメニューがわかりにくくても、イイのだ!

洋服屋に行って、目的のものではなく、そこで出会ったものに惹かれて衝動買いしてしまうように、券売機を見ながら「う〜ん、今日はコレにしてしまえ!」とボタンを押してしまう。

そんな挑発的なラーメン屋があっても、それでイイのだ!

 

 

煮干結社 弘前店

青森県弘前市元寺町9 三上ビル1F

 

 


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