青森のラーメン / 『 麺屋 きんせい 』
個性的なラーメン屋が多い弘前の街だが、ここ数年で青森市にもかなりのラーメン屋ができたようだ。
青森といえば、こってり煮干の弘前に比べると、煮干というよりも比較的あっさりめの「醤油」の味を打ち出したラーメン屋さんが伝統的に人気だ。代表的なのは老舗の「まるかい」や「鳴海」あたり。うどんのような麺の太さも特徴的。また激辛の「あさ利」や味噌カレー牛乳の「味の札幌 大西」など他にはない味の店も健在である。
しかしここ数年で、こってり煮干の人気は青森にも波及したようで、「長尾中華そば」「ひらこ屋」「きた倉」「つじ製麺所」など、個性的な煮干味を打ち出すラーメン屋が次々とオープンし、「麺やゼットン」に至っては弘前以上にドロドロしたインパクトある煮干を打ち出している。
7〜8年あたり前、異常とも言えるラーメンフリークだった自分は、仕事や遊びで青森に行くたびに、気になるラーメン屋の暖簾をくぐった。どうしてあんなにまでラーメンアディクトになったのか、自分でもよくわからない。しかしここ2〜3年は、美味しいラーメン屋が弘前にも青森にもたくさんできたせいか、新規開拓することは随分と減ってしまったように思う。お気に入りの店を週一くらいでローテーションするくらいで十分なのだ。こてこてを少し敬遠するような年齢になったせいかもしれない。
そんな自分ではあるが、ブログにラーメン屋のことをたまに書くようになり、最近また新しいラーメン屋のことが気になりだしている。弘前のラーメンをメインに、大館や東京のラーメンのことも書いたりしていたが、青森市のラーメン屋のことはまだ書いていなかった。
というわけで、「青森のラーメン」。青森のラーメンといえば上記のラーメン屋以外にも、ラーメン通に支持される「康屋」や老舗の「くどうラーメン」を書くべきところかもしれないが…最初に選んだラーメン屋は「麺屋 きんせい」。
まだ耳に馴染みのない名前かもしれない。それもそのはず、先月にオープンしたばかりの店。場所はラーメン激戦区でもある市役所近辺の国道裏手あたり。すぐ目の前には「西中華そば店」や「しらはる」などの人気店が並ぶ。そんなライバルがひしめき合うエリアに出店した「麺屋 きんせい」の一押しのラーメンはなんと「謹製とんこつ」。
煮干ラーメンが多い津軽にあって、今あえて「とんこつ」なのだ。十数年ほど前に「醤油とんこつ」の和歌山ラーメンがブームになったことがあるけれど、ここ最近「とんこつ」を打ち出しているのは、チェーン店くらいかもしれない。それだけにリスクはあるけれども、インパクトはある。味次第ではリピーターを掴むかもしれない。
![](http://ferokie.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/08/DSCF0920-630x435.jpg)
「はい〜!お待ち〜!」
いなせな雰囲気の店主が、活きのいい声を出している。「謹製とんこつ」は、九州系の豚骨ラーメンだが、豚骨独特のくさみのない白湯スープで黒いマー油が効いている。喉ごしの良いストレート麺。柔らかいチャーシュー、色の濃いメンマなど、トッピングも美味。あっという間に完食。身体に染み入るスープも美味しく、すべて飲み干してしまった。
久しぶりに美味しい「とんこつラーメン」を食べた。「煮干は中毒性があるけれど、とんこつは一度食べるとしばらくはいいかも」…なんて思っていたが、またすぐ食べたくなるラーメンのような気がする。「謹製とんこつ」がメインだけど「謹製しなそば」もあるようだから、次はそれも食べてみよう。
「ありがとうございました〜!」いなせな店主の声が響いた。
………………………………………..
亡くなった私の母は木造の菰槌(コモツチ)の出だった。小さい頃、毎年夏休みになると「菰槌のあば」のウチに泊まりにいった。
母方の親戚には女の子が多かったけど、「ターボ」という年下の従兄弟がいた。「ターボ」と野球をやったり、スイカ畑にカブト虫を捕りにいったことをよく覚えている。
………………………………………..
「ヒロちゃん!ラーメン屋オープンしたから食べに来てよ」
と、久しぶりに従兄弟からの連絡があった。ラーメン街道や弘前のラーメン屋で働いた後、激戦区 神奈川とトンコツの本場 九州で修業を積んできた従兄弟は、青森市の激戦エリアに店を出したのだ。
![](http://ferokie.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/08/DSCF0919-630x425.jpg)
何年かぶりに会った「ターボ」は昔と全く変わっていなかったけれど、とてもイキイキとしてラーメンを作っていた。遠い昔、木造から五所川原まで婆様をオンブして歩いたという逸話を持つ、スピード狂のターボの父さんを思い出した。
美味しいラーメンをありがとう!必ずまた食べにいきます!
麺屋 きんせい
青森市中央1-26-11
電話:017-735-2626
営業時間:[月~金] 11:00~15:30 17:00~20:30 [日・祝] 11:00~18:00
定休日:土曜日
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
麺屋 きんせい (ラーメン / 青森駅)
昼総合点★★★★☆ 4.5
コメントを残す