#弘前エール飯 / ぴょん吉にく仙人の「焼肉弁当」
「いらっしゃいませ〜!」
店のほど近くにある遊歩道で、威勢のいい声が飛び交っている。弘前駅から上土手町に通じる遊歩道で【かみどてお持ち帰り夕市】が開かれていた。
新型コロナウィルスの影響で、夜の営業を自粛している市内の飲食店が集まり、テイクアウトの弁当を販売しているのだ。
夕方、店を抜け出して夕市の様子を見に行った。十軒ほどが出店している。土曜日ということもあり、多くの人がテイクアウトの弁当を求めに集まっていた。
「いらっしゃいませ〜!」
威勢のいい声の中に、馬場ちゃんの声があった。馬場ちゃんは「焼肉弁当」を売っていた。
馬場ちゃんは西弘前で焼肉屋を営んでいる。が、このご時世、お店は休業中。夜営業の市内の飲食店は、ほとんどがそんな状況だ。
そこで『#弘前エール飯』を掲げ、上土手の遊歩道で【かみどてお持ち帰り夕市】が開催されることになった。馬場ちゃんのお店も、土日に参加しているらしい。
数種類の焼肉弁当が売られていた。閉店間際にお邪魔したのもあって「牛バラ焼肉飯」は2個しか残っていなかった。私はその2個を買った。
馬場ちゃんは、いつもの満面の笑顔だった。
馬場ちゃん…という呼び方は少々失礼かもしれないが、私の世代にとって馬場ちゃんは焼肉店のオーナーというよりは「UBの馬場ちゃん」という方がしっくりくる。
1990年代、ストリートファッションの人気がで始めた頃、20代後半だった自分は毎晩のように鍛冶町に繰り出した。
仕事が終わるとアパートに帰って軽く飯を食べ、10時頃になると「VOICE CLUB」へ行く。VOICEでしこたまカラオケを歌い、12時を過ぎる頃になると「UB STYLE」に顔を出す。それがお決まりのコース。
「UB STYLE」は弘前の洋服屋や美容師が集まるクラブで、檻のようなブースでDJがレコードを回していた。弘前の中では、若い人たちに最も人気のあるクラブだった。
その「UB STYLE」をプロデュースしていたのが馬場ちゃんだった。
お弁当屋ではなく、焼肉屋のつくった「焼肉弁当」
めちゃ美味しかったス。やっぱりタレの味が全然違う。(弁当だから肉の量は少ないのかな…)と思いきや、ボリュームはタップリ。
娘も「ウメ〜!」と言いながらバクバク食っていた。
実のところ「#エール飯」とか、いろんな「バトンリレー」とか、ひとつのスローガンやテーマのもとに誰もが同じ方を向くのは、これまではあまり得意ではなかった。
しかし、自分たちの店も、これまで市内の多くの人のお世話になってきたし、これからもそうだ。
市内で同じように商売をしている自分にとっても、この苦難の中、なんとか少しでもチカラになれたら…と、思う。
少々コワモテに見える馬場ちゃんだけど、マスクの下はタップリの笑顔が隠れているのでした(^^)
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