空虚な時間 ⑧ / 娘と一緒に激ウマの「特製カレー」を作ル
尾上駅前のレトロな温泉でボケまくった後、帰りの車の中で夕飯のメニューを考える。
そういえば頂き物の牛肉を解凍中だった。それを使って何か作ろう。
弘前に着くと、ちょうど娘の塾が終わる時間だった。
娘をピックアップして、そのまま生協へ向かう。
生協のスーパーは正確には「コープあおもり和徳店」で、生協という明記はないけれど、昔から生協と呼んでいる。
娘と相談して、カレーを作ることにした。
牛肉なので、そのままステーキも良かったのだが、あえてカレーにするのも贅沢だ。
それに、妻が以前買い置きしていた「S&B プレミアムカレー」が残っていた。賞味期限もそろそろだったので、それを使おうと思ったのだ。
具材は超シンプルにする。じゃがいも、人参、そしてデカくて美味そうな新玉ねぎを選ぶ。
軽く飲みながらカレーを作ろうかなと思い、瓶のバドワイザーも買う。バドを買うなんて何年ぶりだろう。
帰宅してすぐ調理に取りかかる。
まずは新玉ねぎ。まるまると大きいヤツを2個、全部使ってしまおう。
娘が泣きながら剥いた玉ねぎをドバッと鍋に入れる。
次に、じゃがいもと人参。これも娘に皮を剥いてもらう。
包丁で巧く剥けるかな?と思ったら、しっかりピーラーで剥いていた。
玉ねぎを炒めていた鍋に、じゃがいもと人参もブチ込む。
さて次は、牛肉。
ステーキ用の肉2枚を、適当な大きさにブツ切り。見た目は気にしない。
玉ねぎがしんなりとしてきたところに、牛肉をブチ込む。
塩コショウと野菜ブイヨンで少しずつ味を整えながら、グビグビ。
数分たったところで、水を投入。
たまにアクを取りながら、いい感じになったところでカレールーを投入。
少し弱火にして、じっくり煮込みながら、グビグビ。
お次は、特製ソース。
中濃ソース、トマトケチャップ、醤油を混ぜ合わせる。
それに、おろし生ニンニク、クミンを加え、最後に赤ワインを注いでかき混ぜる。
なんか、あるものを適当に混ぜ合わせただけだが、なかなか複雑な良いお味。
グツグツといい匂いのする鍋に、この特製ソースを投入。
さらに隠し味でビターチョコレートを一個だけ投入。
その後、さらに煮込みながら、グビグ…あらもうカラだ。
できあがり。
すげ〜いい匂い。
鍋いっぱいにあった新玉ねぎも、ほとんど形がなくなっていた。
皿に盛り付け、先ほどのソースとヨーグルトを少しだけかける。
さっそく、いただきます。
「ウ、ウメーーーーー!」 まじ、美味い。
「ウ、ウマーーーーー!」 と、娘も叫ぶ。
料理の写真は下手くそなので、美味しさが上手く伝わらないのが残念であるが、まじ美味かったのです。
大量に煮込んだ新玉ねぎの甘みも出ているし、何と言ってもブツ切りにした牛肉の旨味もバッチリ。
「ママの作ったカレーと同じくらい美味しい」
と娘が言った。
そうか、僕らのカレーは、まだまだ妻のカレーには追いつけないようだが、嬉しい言葉だった。
それにしても、カレーを食べながら
(あれ?そういえば昨日も金木でカレー食べたんだった…) と、思い出した。
尾上の温泉でボケたばかりだったが、そのまま夕食でもボケていた。
でも、美味しいカレーは何日続けて食べても美味しいのだ。
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