toggle
2022-05-01

ツール・ド・ツガル / 大鰐温泉チャリグルメ紀行 〜『日景食堂』で「大鰐もやしラーメン」を食ス〜


 

ロイヤル激坂の頂上で、岩木山にカメラを向けていると、

「ハ〜ハ〜ア”〜」と唸り声をあげて、一人のサイクリストが激坂を駆け上がってきた。若者のようだ。

彼は私のいるところを通り過ぎたが、少しすると私のそばに来た。

「こんにちは!」と声をかけると、「こんにちは!」と爽やかな笑顔で応える。

「岩木山のヒルクライムに出るんですか?」と訊くと「ハイ!出ます!」と、また爽やかな笑顔。

「ヒルクライムに出るんですか?」と訊かれたので「いやいや、もう今年還暦のジイさんなので無理です」と爽やかじゃない笑顔で応える。

「ええっ!全然そんな歳に見えないです」と爽やか君は驚いて言った。

 

確かに、自分の歳を言えば驚かれることが多い。

ただ、それは今に始まったことではなくて、中学生の頃は小学生に見られたし、高校生の頃は中学生に見られたし、予備校生の頃は高校生に見られた。

社会人になり、同年代の人が偉くなった頃には、そんな人たちからはタメ口を叩かれた。確かに見た目もそうなのだが、仕事柄も手伝って10歳は若く見られてしまう。

もう慣れっこだった。今になってみれば、ジイさんに見られるよりは良かったと思っている…が、それは見た目の話であって、身体はそれなりに老体化している。

でもヒルクライムのレースには、自分よりも10歳以上も年上の大先輩も参戦していて、そして皆、とんでもなく速い。だから、見た目だけでなく、中身ももう少し若々しくしたいと思っている。

 

話を聞くと、爽やか君は高校を卒業したばかりだそうだ。そりゃ若い。

身体の厚みも、私の半分くらいしかない。そのくらいじゃないと、あの「69のカーブ」はスイスイと上れないのだ。

「じゃあ、ヒルクライム、頑張ってね!」と声をかけると「ハイ!ありがとうございます!」と爽やか君は、爽やかすぎる笑顔で応えた。

 

爽やか君に別れを告げて、私は激坂を下り降りた。

下りだけは、他のヒルクライマーたちと同じくらいの速度で下ることができる。

ただ、ここの激坂の下りは細心の注意が必要だ。ヘタすると谷底へ真っ逆さま。

ブレーキを握りっぱなしの左手に痛みが走る。1年半前にボルトを打ち込んでいたキズは、下の組織と癒着したままでズキズキと疼く。

 

リフト乗り場を過ぎると、ご褒美のカツカレーを食べる予定の「さかえ食堂」が見えた。

しかし、遠くからでも店の幟旗が無いのがわかった。時間的に予想はしていた。

街中には何軒かの食堂があったはずだ。私は、そのまま坂を下りきり、大鰐の街中にロードを走らせた。

 

大鰐の街は少しわかりにくい。

似たような雰囲気の通りが幾本かあり、街を流れる平川と並行して走っている。

しかし、その川自体が蛇行していて、川に架かる橋が不意に現れると方向がわからなくなるのだ。

食堂を求めて走っていると、いつの間にか同じ通りを走っていることに気づく。

 

通りだけでなく、大鰐にある幾つかの食堂のイメージも似ている印象がある。

それは、見た目や雰囲気というよりも、名前のイメージが似ているのだ。

「山崎食堂」「日景食堂」「いこい食堂」「さかえ食堂」 

〇〇軒や〇〇飯店や〇〇ラーメンではなく、みな、〇〇食堂。間違えることは無いだろうが、少しややこしい。

 

ロードで散策しながら街中を走る。

 

 

数年前、ロードバイクと写真の両方を最初に意識させてくれたのが、このマルシチだった。

今見ても素敵な建物だ。

 

この通りから橋を渡ると「いこい食堂」がある。が、「いこい」も暖簾をおろしていた。

駅の方へ向かってみた。駅前には『大鰐もやしラーメン』で有名な「山崎食堂」がある。が、「山崎」も暖簾をおろしていた。

私はそのまま線路沿いに走り、大円寺の方に向かった。

大円寺の向かいにある「日景食堂」の前に幟旗が見えた。どうやら店は開いているようだ。

 

「まだいいですか〜?」

と、中にいる店主らしき人に声をかけると「いいですよ〜」と返ってきた。

 

 

 

正式?には「朝日屋  日景食堂」という名だ。

朝日なのに日景(日影)という名前に興味がそそられるが、その由来はわからない。知っている方がいれば、教えてくださいませ。

 

15時を過ぎていたが、一組だけ客がいた。

ここでも「大鰐もやしラーメン」を提供しているらしいが、「塩味」と書いてあった。

以前「山崎」で食べた時は、しょうゆ味だった記憶がある。であれば、食べてみよう。

 

注文をした後、外に出てみた。

食堂の真向かいには、大円寺という有名な大きな寺がある。

 

 

ご住職は昔から私の勤める店のお客様だった。

私が海外出張に行くときには、いつもこちらで安全を祈願してもらい、大円寺のお守りを持って出かけたものだった。

 

「はい、もやしラーメン、お待ちどうさま」

 

「大鰐もやしラーメン」

 

スープの色がいい感じに濁った塩ラーメン。こういう色をしているのは、大体美味い。

6kmの激坂を上り切った後の身体にスープが染み込む。こういう身体の時は、大体美味い。

あっという間に、たいらげる。

 

ラーメンをメインとしたブログタイトルだが、とにかく身体がカロリーと水分を欲していたので、レポート的なことを書けなくて、申し訳メンゴ。

というわけで、激坂上って、美味いラーメン食った後は、温泉に決まっていた。

次回へ続かせてください。

 

『朝日屋 日景食堂』  青森県南津軽郡大鰐町大鰐大鰐55-2

 

 

 


関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。