『現代音楽』と『ペペロンチーノ』
ここ最近、パスタの気分になっている。
市販のソースにも美味しいものがたくさんあるが、それだけだと少々物足りない。
そんなときは好みの具材を買って、具沢山のパスタにしてしまうのだ。
「パスタにするけど何がいい?」
「ペペロンチーノ!」
8割くらいの確率でこの答えが返ってくる。
「キノコ入れたいけど何がいい? パパは舞茸が食べたいんだけど」
「マッシュルーム! あとベーコン入れる!」
というわけで、「2種のキノコのペペロンチーノ」を作ることとなった。
休みの日に料理をするときは、軽くワインを飲みながら。
不思議なことに料理が面倒だという気持ちにならず、むしろ楽しい気分になる。
キッチンドランカーの入り口に違いない。
そしてお気に入りの音楽を流す。
前回は『SERGIO MENDES & BRASIL ’66』のノリの良いラテンジャズに酔ったけれど、今日はクラシック。
クラシックだけど現代音楽。
『フランシス・プーランク』は、1899年生まれのフランスの作曲家。
大学の時に定期演奏会で歌ったのが、プーランクとの出会い。プーランクの音楽は不思議な響きをしている。
このプーランクの「ピアノ作品集」を演奏されている『渡辺秋香』さんの言葉を引用したい。
プーランクの音楽を初めて聴いた時、それまで耳にしたことのない響きに驚いた。何度聴いてもプーランクの音楽は新鮮だ。7度や9度の和音がもたらす、まったりとした響き、突然の転調、やさしさとアイロニー、盛り上がりの先に突然終りを告げるそっけなさ…など。普通ならば存在し得ないそれらの要素が、ひとつの曲の中でまとまっているのはなぜだろう。それはプーランクのピアノ曲が音楽の原点である「うた」という大きな支配のもとに書かれてあるからだ。歌詞のない歌ーその旋律は純粋で簡素で、まるで常に呼吸をしている生き物のようである。
さすがプロの言葉。
プーランクの音楽を全く言語化できない自分だが、「うんうん、そうそう」と頷いてしまう。
『渡辺秋香』さんは、海外の国際ピアノコンクールにおいて数々の受賞を誇るピアニストで、ヨーロッパから帰国されてからは日本での演奏活動を中心に現在も活躍中。( ⇨ 渡辺秋香のホームページ )
ちなみに、五所川原高校音楽部の後輩でもあります。応援してます (^^
というわけで、プーランクを聴いているうちに「2種のキノコのペペロンチーノ」作りも佳境に入る。
オリーブオイルで炒めたブツ切りベーコンに、マッシュルームと舞茸をドバッ。
一気に炒めたその上に茹で上がったパスタをドバッ。
ガーッと炒めて、その上から「ペペロンチーノの素」をドバッ。
手作りパスタのコツは、ドバッ!です。
多くの人は知っていると思うが、「ペペロンチーノ」は、本来は「アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」で、イタリア語で、アーリオはニンニク、オリオは油(オリーブオイル)を、そしてペペロンチーノは唐辛子を意味する。
日本では、これをベースにして「〇〇のペペロンチーノ」というメニューが多いが、イタリアに行くと「ペペロンチーノ」と書かれてあるメニューはほとんど見かけない。
あまりに普通すぎて、レストランのメニューにはないのだ。でも注文すれば作ってくれる。(昔、ミラノに出張してた頃は、毎晩そればかり食べていた)
オシャレな響きのフランス現代音楽とパスタ。
本来であればフレンチワインといきたいところだが、ドバッ!ドバッ!ドバッと作った豪快パスタには、ビールの方が合うのだった。プシュ
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