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2023-12-20

令和5年度『声楽アンサンブルコンテスト 青森県大会』にて疲労困憊ス


ここ1ヶ月、ブログを更新していなかった。書けないほど忙しかったわけではないが、気持ちの落ち着かない日々が続いていた。

今年も年末恒例の『声楽アンサンブルコンテスト』が開催された。落ち着かないのはいつものことなのだが、今年は少し事情が違った。

今年の夏に結成した少年少女合唱団「HIROSAKI MELA VOCE(弘前メラヴォーチェ)」も参加することにしたのだ。

 

「メラヴォーチェ」は、学校の部活ではないので発表の場が少ない。11月初めに『弘前市合唱祭』があったが、それ以外では何かしらのオファーがなければ、なかなかステージに立つ機会がない。

結成したばかりの小さなアンサンブルとはいえ、発表の場がないのは子どもたちがかわいそうだ。

そこで、私自身が毎年参加している『声楽アンサンブルコンテスト(アンコン)』にチャレンジしてみるのはどうだろう?と思案した。

子どもたちに尋ねてみた。意外なことに、全ての子たちから「出てみたい!」という答えが返ってきた。

 

 

『アンコン』では、小学校の部、中学校の部、高等学校の部、一般の部、と部門がある。

「メラヴォーチェ」は、小・中学生と高校生で構成されているため、出場する場合は一般の部に出場しなければならない。長年歌ってきている大人たちの中に混じって演奏するのだ。

歌が好きな子たちが集まったアンサンブルとはいえ、発声や歌唱はまだまだ幼い。どのような結果になるかはある程度の予想はついていた。

それでも、コンテストというステージに上がること、耳の肥えた聴衆に聴いてもらうこと、そして高名な先生方に審査していただくということ。このような経験できる機会は滅多にない。

 

週に一度の練習ではあったが、彼らが通う学校は全て違っていたため、それぞれの学校行事や部活があり、全員が揃うことは一度もなかった。

冬が近づくと、どの学校でもコロナやインフルエンザが次々と流行し長期間休む子もいた。

そんな環境下でも、なんとか彼らが自信を持ってステージに上がれるよう、私自身も毎晩いろいろな音源を聴き、下手な指揮が少しでも良くなるよう練習した。

さらには、歌うメンバーとして参加している「合唱団Apio」と「みちのく銀行男声合唱団」で演奏する曲も練習しなくてはならない。この1ヶ月、夜はほぼ歌漬けになった。

 

本番の2日前。主旋律を歌っていた高校生の子が参加できないという連絡があった。

インフルエンザによる学年閉鎖。本人が健康であっても大会などに参加してはいけない…というものだった。

メンバーの中でも一番の元気印の女の子で、これまでも練習を休むことなく全てのステージに立ってくれてたのに。残念…

  

本番当日の朝。練習会場を確保できなかったので、私の家に皆が集まった。狭くるしいリビングで1時間だけ練習をした。

練習後、車に相乗りして弘前を出発。雪の予報だったが幸い天気はそんなに悪くはなかった。

会場に着くとすぐに受付を済ませ、中学校の部を5団体ほど聴く。そしてリハーサルへ。

主力の子が参加できないためパートの入れ替えをする。大丈夫かな…と思っていたのは私くらいだった。彼らは少し緊張した表情ではあったが、いつも通り楽しそうな様子だ。

 

リハが終わり、ステージの袖で待機する。

考えてみれば自分自身、アンコンのステージでは幾度も歌ったが指揮をするのは初めてだった。

演奏するのは2曲。1曲目は木下牧子の『誰かが小さなベルをおす』という2部合唱。少しヨーロッパの雰囲気のする曲。2曲目は京都竹田地方の民謡『竹田の子守唄』。

どちらも合唱祭で歌った曲だ。

 

自分の名がプログラムに載る日が来ようとは

 

「メラヴォーチェ」のアナウンスがあり、私たちはステージの中央に立った。

7人ともいい顔をしていた。

 

彼らはとても素敵な演奏をした。

私の指揮は相変わらず下手くそだったが、彼らは堂々と歌ってくれた。

『竹田の子守唄』の最後の部分は、合唱祭のときと少しだけ変えて音がぶつかるように編曲した。

「ド ミ ソ」に「ラ」がぶつかったとき、ホールに美しい和音が響いた。

 

「メラヴォーチェ」の演奏が終わった後、間をおかずに「みち銀男声」で8声の難曲を歌い、そして間をおかずに「Apio」でポリフォニーを歌う。

私はすでにフラフラになっていたが、それがかえって良かったのかもしれない。「Apio」では良い具合にチカラの抜けた演奏ができたように思えた。

 

全ての演奏が終わると、子どもたちは保護者と一緒に一足先に弘前へ帰った。

私は会場のシートに深く座り込み、結果の発表を待った。眠りに落ちそうになっていた。

明け方までほとんど眠れていなかった。私が一番緊張していたのかもしれない。

 

時間の関係で表彰式はなく、結果の発表だけが行われた。

演奏順に発表されたので、「メラヴォーチェ」はすぐに発表となった。

結果は…予想通り銅賞だった。

全ての団体が金賞・銀賞・銅賞のいずれかに入賞となるので、銅賞は奨励賞みたいなものだ。あわよくば銀賞…と頭をよぎったが現実はそんな甘くない。

「みち銀」は銀賞だった。そして「Apio」は金賞に輝いた。しかも金賞の一位を獲得。昨年に続き、県代表として全国大会への切符を手にすることができた。

全国への切符を手にすることができたのは、もちろん嬉しかったが、ホッとしたいうのが正直な思いだった。

 

 

それとは全く別に、子どもたちがアンコンのステージで堂々と歌ってくれたこと…それがとても誇らしく思えた一日だった。

この日のステージが、彼らにとってどれだけの財産になるかはわからないけれど、来年もまた彼らと一緒にステージに立とう…そう思えた一日でもあった。

 

そして、子どもたちに感謝しながらプシュッと。

心地よい一日であった。

 

*アンサンブルコンテストの音源が入手できたらYouTubeにUPする予定です。

こちら ↓↓↓ は「弘前市合唱祭」での演奏です。お聴きになってみてください。

【 竹田の子守唄 】 弘前市合唱祭 HIROSAKI MELA VOCE

 

 


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