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2024-02-14

癒しの歌声


 

「子どもたちの声って、癒されるよね」

昨年の11月、「HIROSAKI MELA VOCE(弘前メラヴォーチェ)」は弘前市合唱祭に初参加した。

演奏後、知り合いの多くからこのような感想をいただいた。とても嬉しいし、子どもたちにとっても励みになる。

大人の中に混じって演奏すると、子どもたちの真っ直ぐな声は無垢な印象を受けるだろう。特に年配の方々にとっては、子どもたちが歌っているという、その姿だけでも涙モノかもしれない。

 

しかし、このような感想をいただいて喜べるのは、最初の一年だけだと思っている。

「癒される」というのは、子どもたちのパフォーマンスに対してはちょうど良い褒め言葉だ。この先もきっとこの言葉で評価をいただくとが多いだろう。

練習のときに、子どもたちに伝えた。

「癒されると言われているうちは、あまり成長していないと考えよう。いつか、素敵な演奏だね!素晴らしい演奏だね!と言ってもらえるよう頑張ろう」と。

半分冗談まじりに、そしてちょっと厳しいかな…と思いつつ伝えたが、思いのほか彼らも同じようなことを感じていたらしい。「子どもらしくて良い」というのは、彼らなりに悔しい評価のようだ。

 

12月に開催された「声楽アンサンブルコンテスト」では、一般の部に参加した。

やはりここでも大人の声の中にあって、彼らの声、演奏は幼かった。指導者の力量不足も実感せざるを得なかった。

かつて「安積女子高校」を幾度も全国大会金賞に導いた菅野先生の審査講評には「チャーミングな演奏」とあった。大人に混じっての演奏は、確かにチャーミングだったかもしれない。一年目の挑戦だから、お褒めの言葉として考えることにした。

 

 

どのような演奏だったとしても、子どもたちの演奏は記録に残すことにしている。

学校の部活に比べれば多少は長く在籍できるが、いつか社会人になれば退団してしまう子がほとんどだろう。

それでも、彼らが大人になった後、どこかで歌い続けてくれたら嬉しいし、また自分の10代の頃の演奏を聴くことができたら、彼らも嬉しいだろうと思うのだ。

 

アンサンブルコンテストの音源を聴くと、弘前市民会館での演奏に比べるとナマ声に聴こえる。響きに乏しいハスキーな声がやや目立つ。

しかしながら、ビブラートのない真っ直ぐな声は、合唱を聴いているというよりは、懐かしいジャパニーズポップスを聴いているように感じた。

そういえば、1970年代に「竹田の子守唄」を歌った山本潤子(「赤い鳥」のオリジナルメンバーで、後の「ハイファイセット」のボーカル)の声も真っ直ぐで、聴く人の心に染み入るような歌声だった。

昨今の若い日本人女性のポップスを聴くと、ややハスキーな声質のアーティストが多く人気があるようだ。世の中にはいろんな声がある。

声楽的な声を目指すのも良いが、今一緒に練習している子どもたちの声=個性を大切にしたいと思う。

 

この度、友人のイラストレーター(熊本阿蘇在住)のおおたにまさえさんに素敵なイラストを描いていただいた。

おおたにまさえさんは、亡くなった妻の先輩で、私自身は直接の面識はないのだけれど、毎年素敵な年賀状をいただくうちに親しくなった。

ポップだけど哀愁のある彼女の画は、今回の子どもたちの歌声にとても合っていると思う。

 

*画像をクリックするとお聴きになれます

 

毎晩、彼らの声を聴いて癒されている。

「竹田の子守唄」の最後のハーモニーに癒される。

 

「子どもたちの声って、癒されるよね」

これは、褒め言葉だと思った。

 


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