2023年の締めラーメン / 浪岡「つねた食堂」のチャーシューメン
月に一度、食べたくなるラーメンがある。
たかはし中華そば店の「中華そば」、まる鐡二代目の「なみおか細麺ネギ増し」、あぶさんの「煮干そば」。
勤めていた頃は、週に2回ほどラーメンを食べていた。退職後は時間が自由になるのでラーメン屋に行く回数が増える…と思いきや、半分程度になってしまった。
自宅で料理するようになったからだろう。それに以前ほど、新しいラーメン屋を開拓しようという野心もなくなった。故に、ブログでのラーメン記事もご無沙汰気味。
しかし、月に一度、食べたくなるラーメンに新しいラーメンが加わった。
それが、浪岡の老舗「つねた食堂」のチャーシュー麺。
いまさら紹介するでもなく、「つねた」はラーメン好きの間では超有名なラーメン屋である。
ただ、浪岡の中心地から少し離れたところにあるので、ここを訪れる通りすがり客は少ない。ほとんどがリピーターであり、ここのファンである。
私も以前からここの店は知っていたし、ラーメンを食べたことも何度かあった。
しかし、これまでは弘前や青森のインパクトあるラーメンに惹かれることが多かったせいか、わざわざ浪岡まで食べに行くことはなかったし、青森へ行くときも浪岡に寄り道はせずに、青森で新しい味を求めることが多かった。
一年ほど前だろうか。久しぶりに「つねた」に寄って、ラーメンを食べた。少し贅沢にチャーシュー麺を食べた。
ネットなどでの紹介記事を読むと、「昔ながらのあっさり中華が美味い」という評が多いし、自分もずっとそういうイメージを持っていた。
しかし、あらためてじっくり食べてみると、なんとも独特な味がした。
まず普通盛りでもそれなりに麺の量がある。
細麺と中太の間くらいの太さの縮れ麺は、食感が良い。
トッピングの追加がなくても、ネギの盛りがたっぷりで良い。
津軽ならではの麩(ふ)が二枚のってるのも良い。
チャーシュー麺のチャーシューは八枚ほどで、もっちりと食べ応えあり。
見た目も量も問題なし。だがやはり、スープの味が独特なのである。
煮干しベースのあっさり醤油味ではあるが、ほんのりと生姜の香りがする。
そして、味の奥々深〜いところにある津軽独特の懐かしい味。なんと表現してよいのか難しいが、あえて言えば「すっけぇ味」…
「すっけ」というのは標準語で言えば「酸っぱい」になる。が、津軽人ならわかると思うが、「すっけ」は「酸っぱい」とは微妙に違う。
津軽人にとっては、レモン汁の酸っぱさは「すっぺ」で、「すっけ」は酢の酸っぱさ…いや、もう少し発酵した饐(す)えた味といえばいいだろうか。
津軽でも好まれる、ガッツリと発酵した「白菜の漬物」の「すっけぇ味」…あの感じ。
「つねた」のラーメンの奥々には、その「すっけぇ味」を感じるのだ。
その味は何の調味料や食材に由来するのはわからない。もしかしたら、店で独自に作っているメンマかな?と思っている。
まあ、特別レシピに興味があるわけではなく、月に一度、この独特のスープを味わえればそれで良いのだ。
それにしても、いつきても混んでる店だ。駐車場は常に満車で、目の前の道路にも数台の車が列をなしている。
腰の曲がったおじいちゃんが一生懸命作っている姿もカッコいい。
地元の人と楽しそうに話す女将さんの雰囲気もまた良い。
2023年の12月28日。ここのチャーシュー麺で今年のラーメンを締めることができた。
が、書いてるうちに食いたくなってきた。
この際、レシピを研究してみようかな。
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