ツール・ド・ツガル / 酸ヶ湯へ向かう最後の集落にある『大川原温泉』
温泉グルメフォトツーリング。今回は、酸ヶ湯へ向かう最後の集落「大川原地区」にある『大川原温泉』
紅葉で有名な中野もみじ山を過ぎ、しばらく走ると「大川原地区」がある。酸ヶ湯へツーリングに行く時は、必ず通り過ぎる集落だが、立ち寄ることはまずない。
最近クセにしている温泉ツーリングは、できればまだ立ち寄ったことのない温泉にしてみようと思い、いろいろと探しているのだが、なるべくなら温泉街よりも秘境の方が良い。
というわけで、まだ経験のない『大川原温泉』に車を停め、ツーリング後に温泉を楽しむことにした。
車で大川原の集落に入っていく。川が流れていて、川沿いに家々が並んでいる。細い道をゆっくりと走っていくと、やがて温泉の案内板があった。
左に折れると、すぐに温泉があった。温泉は、大川原地区の公民館と一緒になっているようだった。すぐ目の前にある駐車場に車を停めた。
それにしても、温泉を感じさせるリゾート感はゼロである。公民館と一緒になっているせいか、地元の公衆浴場の趣。経営を考えれば、もう少し観光的な要素もあったほうがいいのでは…と、心配などしてみるが、この場末的な雰囲気が逆に良いのかもしれない。
まずは、車の中からロードバイクを取り出し、ホイールをはめ込む。そして酸ヶ湯へ出発。酸ヶ湯へロードで行くのは久しぶりだ。
チャリの先輩からしたら、大川原から酸ヶ湯へロードで行くのは邪道だと言うだろう。確かに酸ヶ湯への道程としては、距離が短い。それでもこの長い坂の一番下から走ると考えれば、距離の割には獲得標高が結構あるのだ。
ルートラボで計測してみたら、約900mの獲得標高。「岩木山ヒルクライム」とそんなに変わらない。でも決して坂好きというわけでもない。
酸ヶ湯までの道のりは、ほとんど上り一辺倒。前半は、ほとんどを草木が覆い茂る山々に囲まれ、決して楽しいライドではない。
新緑の季節もそろそろ過ぎ、あちこちから草木が手を伸ばし、道幅も狭くなっている。それにしても、山々に響き渡る音が凄まじい。
蝉の声だろうか。こんなに早く蝉って泣き出すっけ?それとも何かほかの虫だろうか。いや、よく聴くといろんな鳥の声も混じっているようだ。虫やら鳥やら、いろんな音が不協和音を奏でている。
トンネルを越えると、やがて空が開け、遠くの山々が綺麗に映し出された。しかし、ここからまた激坂が続く。スノーシェルターを越え、八甲田のわき水を越え、ようやく城ヶ倉大橋に着いた。
しかし、車も人もいない。人っ子一人いない城ヶ倉は初めてかもしれない。この日は天気もいまいちだったので、遠くに岩木山を望むことはできなかった。
ここまで来ると、酸ヶ湯もあと少し…なのであるが、残りのあと3.5kmがなにげにキツい。それでも、走っているうちに硫黄の匂いがしてくる。あと少しだ。
酸ヶ湯に着くと、建物が随分と綺麗になっていた。外壁を改修したのだろうか。
後ほど「大川原温泉」に浸かったあとに、「学校そば」を食べる予定にしていたので、ここでは「ごへい餅」だけを食べることにした。
餅を食べながら、酸ヶ湯の写真を撮ろうとしていたら、外で作業をしていたおじさんが「撮るよ〜」と声をかけてきた。記念写真を撮っている観光客に、まめに声をかけているようだ。
それにしても、自分の写真を見るたびに、腹を凹ませなければならぬ…と思うのだが、これがなかなか難しいのだ。
酸ヶ湯をあとにし、一気に復路を下る。「大川原温泉」まではあっという間だった。
車にロードを積み直し、風呂道具を持って、いざ温泉へ!
受付で料金を支払い。料金は良心的な大人200円。受付の部屋の中では、おばちゃんが二人で談笑していた。
館内は意外にも(といえば失礼だが)きれいな雰囲気。左側が温泉で、右側が公民館の施設のようだ。
中に入ると、先客が二人いた。決して広くはないが、窓が大きく開放的。
小さめの浴槽が二つある。違いがあるのだろうか?と足を入れてみても、熱さは同じくらいだった。浴槽をオーバーフローしている段階で、同じ温泉なのは明らかだったが。
少し熱めのお湯だった。無色透明の新鮮なお湯が、贅沢にかけ流されている。汗をかききった皮膚にビリビリと染みる。しばらく浸かっていると、肌がツルツルとしてきた。
大きな窓から、大川原の景色を眺め、しばしボォ〜。なんとも贅沢な時間であった。今シーズンはこれでいこう。
以下、黒石観光協会のページより
大川原温泉会館 ふくじゅ草
黒石市大字大川原字萢森下8 (駐車場あり)
TEL 0172-54-2249
営業時間 8:00〜20:00
料金 大人200円 子ども100円
泉質 アルカリ性単純温泉(源泉掛け流し)
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