鰺ヶ沢の温泉 / 『水軍の宿』
西海岸沿いの国道101号をのんびりと走る。颯爽と走りたかったが、千畳敷での豪快な「おかちゃ定食」で、腹はパンパンに膨らんでいた。
赤石からは海岸沿いではなく、山側のバイパスを走る。そのまま直進を続けると、やがて車を置いていた「水軍の宿」に辿り着くのだ。
「水軍の宿」に着くと、すぐにバイクを車にしまいこむ。そして風呂道具一式と着替えを持って、私は風呂に向かった。
「水軍の宿」に浸かるのは、かなり久しぶりだ。受付の前にある販売機で入浴券を買う。しかし受付に係の人はいないようで、透明のケースに入浴券を入れた。
脱衣所なかなり広く、きれいだ。時間が午後の3時頃とあって客は多くなく、のんびりできそうだ。
中に入ると、以前来たときに比べ、随分と雰囲気が変わっていた。前までは浴槽が普通の銭湯のようだったと記憶していたが、高級な温泉旅館のような趣きになっている。
内湯は二つあり、少し熱めの「熱湯」とほどよい湯加減の「瞑想足つぼの湯」がある。「瞑想足つぼの湯」には、丸い石がゴロゴロと敷きつめられていて、まさに足裏を刺激してくれる。そして丸太を枕にして瞑想ができるのだ。
私は三度ばかり瞑想に耽った。
大きな窓から外を覗くと見慣れぬ形の浴槽がある。大きな舟型の浴槽だ。なんとも鰺ヶ沢らしい。
私は外に出て、しばしの間、この舟型の露天に身体をうずめた。
小さい頃に通った「山海荘」とは少しだけ場所が違うけれど、天を仰ぐと、かつて見た鰺ヶ沢の空があった。
少しだけお湯を舐めてみた。
小さい頃に顔をしかめた、あのしょっぱいお湯は、何も変わっていなかった。私は、なぜか嬉しい気持ちになった。
「水軍の宿」は、そのまま私の幼い頃の記憶にある「山海荘」に繋がる。私の子供時代は「山海荘」とともにあった。
次回は、「山海荘」の思い出を綴ってみたい。
温泉情報 ⇩⇩
鰺ヶ沢温泉 「水軍の宿」
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉(高張性中性高温泉)
【「化石海水」と呼ばれる古代の海水が、天然温泉となった貴重な温泉です。はるか昔、地中に閉じ込められた海水が三十万年の時を経て、熟成した恵みの湯です。 化石海水を含んだ温泉は塩分濃度が高く、保温と保湿に優れ、湯冷めしにくい特徴があり、天然のタラソテラピー(海洋療法)ともいえます。】(公式HPより)
効能:リウマチ、神経痛、皮膚病など
住所:鯵ヶ沢町舞戸字下富田26-1
電話:0173-72-6511
営業時間:7:00~21:00
定休日:無休
おかちゃ、懐かしいいですね、私の父が先代と同級生だったらしく若いころお世話になりました。弘樹の家が隣とは、知らなかったです。