ツール・ド・ツガル / 嶽温泉『嶽ホテル』
距離にして21km。標高差にして420m。を黙々と漕ぎ続け、辿り着いたのが「嶽温泉」
嶽温泉郷には、数件の温泉宿やお土産店が軒を並べている。「山のホテル」のように立派な建物もあれば、「田澤旅館」のように古くからの趣を漂わせている旅館もある。
弘前方面から坂を登っていくと、最初に見えてくるのが『嶽ホテル』
ホテルというだけあって、外観は少しばかり洋風であるが、中は温泉旅館よろしく、和風な佇まい。
玄関脇にロードバイクを立てかけて、玄関に入る。ガチャガチャ音を鳴らすビンディングシューズを脱ぐ。さすがに、こんなシューズは自分だけである。
フロントにご主人らしき方が出てきた。上下サイクルウェアの私を見ても、特別驚いた様子も見せずに、「500円になりま〜す」と笑顔を見せた。嶽温泉界隈は、ヒルクライムなどいろんなイベントも多いので、こんなイデタチの客をちょくちょく目にするのだろう。
「温泉は突き当たりの奥にありますので〜」と教えてくれた。ところどころに下り階段のある廊下が、温泉の雰囲気を感じさせてくれる。
「こんにちは〜」と廊下ですれ違ったおじさんが挨拶をしてくれる。こちらもジャージ姿のまま「こんにちは〜」と返す。すでに、入浴客がいるようだ。
さらに階段を降りると「男湯」の暖簾があった。中に入ると脱衣所には誰もいない。(おお!もしや)と思い、浴室を覗くと、ドバドバと源泉が流れ出る音だけが響く。
(やった!独り占めやー!)と思わず心の中で叫ぶ。
はやる気持ちを抑えて、ジャージを脱ごうとするが、身体にピッタリとくっついていてなかなか脱げないのだこれが。
リュックからバスタオルとフェイスタオルを取り出す。念のため小さなシャンプーも持参したが、備え付けのシャンプー類が揃っているようだ。
ここの温泉は数年前に一度、娘と訪れていた。趣のある露天風呂があるのは憶えている。メインの湯船に手を入れると、少しだけ熱さを感じたので、露天の方に行ってみた。
ちょうど良い熱さだった。
白濁したお湯が、ガチガチの固まった身体を、じんわりとほぐしてくれる。外に見える景色は、特別絶景というほどではないが、岩木山麓の涼しい空気をたっぷりと吸い込みながら、しばし露天に浸かった。
温泉は、露天のある無しには拘らないけれども、露天があるとやはり嬉しくなる。
とくに秋の紅葉時期。少し冷たくなりつつある山の空気を吸い込み、紅や黄の色彩を愛でながら露天に身をまかせる。ああ至福。
シャワーで頭からお湯を流す。ほんのり、塩っぱい。ここのシャワーは温泉を浸かっているのかな?と一瞬思ったが、そうではない。
嶽温泉まで走ってきた自分の身体の表面が塩っぱくなっていただけだ。しばらく走ってなかったので、この感覚も忘れていた。
全身を思い切り洗い流して、メインの湯船に入る。露天に比べると少し熱めだが、心地よし。
タイルはほとんどなく、見た目にも心地よい木々で囲まれ、落ち着く温泉である。
もっともっとゆっくりしていたかったが、昼から仕事があることを思い出した。
「嶽温泉郷」には、まだ入ったことのない温泉が数件ある。今度は、休みの日にのんびりと来ようか。
リュックを背負いながら。
温泉情報 ⇩⇩⇩
嶽温泉 『嶽ホテル』
青森県弘前市大字常盤野字湯の沢28-1 (地図)
0172-83-2045
外来入浴時間:AM10:00~PM3:00
駐車場あり
チャレンジヒルクライム岩木山で割引券を頂きますが
好きな泉質です