ツール・ド・ツガル / 岩木山麓 湯段温泉『ゆだんの宿』
黒石の中野もみじ山へ向かう車の渋滞が、Facebookの投稿に溢れていた。あわよくば、酸ヶ湯まで今年最後のヒルクライムと企んでいたが、素直に諦めることにした。
リュックにタオルや着替えを入れて、ロードを車に積み込み、岩木山神社へ向かった。つい先日、百沢温泉の熱いお湯を味わったばかりだが、岩木山麓にはまだまだ多くの温泉が点在する。
百沢に車を置いて、リュックを背負い、嶽方面に向かって走り出した。しかし今日の目的は嶽温泉ではない。湯段温泉だ。
紅葉の進んだネックレスロードを淡々と走る。嶽温泉付近では、かなり紅葉が進んでいたが、今年はどうやら紅になりきらず、茶系へと変化している気がする。

岩木山スカイラインのあたりまでくると、紅葉どころか落葉している。お気に入りの「アスリートの路」もグレイッシュな色合いとなっていた。

この路を下っていった先に「湯段温泉」がある。岩木山の周りには、いろんな温泉地があるが、この「湯段温泉」だけは雰囲気が他と全く違う。
百沢や嶽の温泉は、温泉客や観光客を迎える雰囲気があり、食堂やお土産店も数軒並んでいる。
しかし、「湯段温泉」は店という店はほとんどなく、温泉宿もほんの数軒。かといって寂れているわけでもない。
数年前に娘と温泉ツーリングに来たときは、もう少し寂れた感じを受けたが、別荘と思しきキレイな建物が増えているようだ。故にリゾートっぽさはある…のだが、人はほとんど歩いていないので、妙にまったりとした空気が流れている。
「湯段温泉」といえば、やはりここ。

歴史を感じさせる佇まい。しかし手入れが行き届いていて綺麗。
中に入るとひっそりとしている。「ごめん下さい〜」と声をかけると、中からご主人らしきおじいさんが出てきた。料金350円を支払うと「ごゆっくりどうぞ〜」と笑顔で返してくれた。
玄関からまっすぐ進むと浴室がある。脱衣所に入ると誰もいない。貸切だった。
「やった!」 これだから温泉は午前中に限る。
決して広くはないが、たった一人でこの温泉を楽しむことができるのは、贅沢すぎるというものだ。

この大きな秋の絵画を、たった一人で眺めながら温泉に浸かる。しかも百沢温泉とは異なり、じんわりと温めの源泉が掛け流されている。これを贅沢と言わずしてなんと言えよう。
すぐ近くに嶽温泉があるが、泉質は全く異なり、うっすらと濁り、ほのかに金属臭がある。誰もいないのをいいことに、のんびりと紅葉を眺めながら、3度も浸かってしまった。
温泉から上がり、脱衣所でゆっくりと汗が引くのを待つ。いくら時間をかけてもいいのだから。背負ってきたリュックから着替えを出す。そして気づいた。
(あ、パンツ忘れた…)
少しだけひんやりとするナイロンパンツを履く。きっと復路の下りは、いいお湯で温まったキ◯タ◯も縮み上がること間違いなし。
温泉情報 ↓↓↓
湯段温泉 『ゆだんの宿』
泉質:マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉
効能:リウマチ性疾患、運動器障害、創傷、慢性湿疹など
料金:350円 リンスインシャンプー、ボディーソープあり
住所:弘前市常盤野字湯段8
電話:0172-83-2234
日帰り入浴時間:8:00~19:00
定休日:無休
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