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2019-11-15

つがる市のラーメン / 木造駅前『神武食堂』の担々麺


 

「稲垣温泉」にて、ひとり独占浴を満喫。露天で打たせ湯を楽しもうと思い、あわや火傷しそうになるが(そこまで熱くはない)、とてもいいお湯であった。(前回のブログ参照 → 「ツール・ド・ツガル / 『稲垣温泉 ホテル花月亭』」)

前回の「湯段温泉」では、下着のパンツを忘れるという失態を犯していたが、今回はしっかりと学習済。着替えを入れたエコバッグの中には、ちゃんとネイビーのトランクスが入っている。

脱衣所にも誰ひとりいない。私はトランクスを履いて、しばらく寛いだ。

温泉の成分表などを見るが、あまりにも専門的すぎてよくわからない。まあ、でも身体のどこかには何かしらの効き目はあるだろう。そう思えるのが温泉の良いところだ。

なかなか汗が引かなかったが、このツーリング旅には、温泉の他に美味しいものもいただくという目的もある。15時まであと30分ほどだ。少し急ごう。

Tシャツの上にグレイのパーカを羽織り、ナイロンのパンツを履こうとしたら…ん?無い!?

な、なんと。きちんと下着を持ったはいいが、肝心のナイロンパンツを忘れていた。なんということだ。そういえば、エコバッグに入れようと思い、洗面所のとこに置いたのだ。そのまま忘れてきたのだった。

なんと、2週連続の失態。完全に痴呆に入ったか。悲しくなった。

いや、悲しんでいる場合では無い。どうしようか。サイクリングジャージを再び履くというのが正しい解答である。が、風呂上がりに汗だくのジャージを身につけるのが何かイヤだった。

履いているネイビーのトランクスを見ると、わりと大きめだし、なんとなくショートパンツに見えなくも無い。そう思いたい。

少しだけトランクスを腰履きしてみる。うん、ショーツに見える。そう思うことにする。

私は堂々と脱衣所を出る。休憩所には誰もいない。誰もいないのに、平然を装って玄関に行く。受付にも誰もいない。平然を装って、スニーカーを履き駐車場に向かう。

駐車場に行くと誰もいない。最後の平然を装い、車の中に入る。(やった)

とても洋服屋のすることではない。どっぷりと汗をかいていたのは、温泉から上がったばかりでないのは、よくわかっていた。

 

汗はかいているが、妙に涼しい下半身のまま、木造駅に向かって車を走らせる。

木造ならば、駅前の「神武食堂」と決めていた。数年前に家族と来たことはあるが、ここ最近はチャリ仲間のラーメン投稿を見るだけだった。数年前に何を食べたかは、よく覚えていないが、チャリ仲間の投稿を拝見すると、どうやら「担々麺」が一番人気のようだ。

20分ほどで着いた。以前来た時は、駅前に車を停めた記憶があったが、現在はすぐ向かいの空き地に停められるらしい。

さて、降りようと思ったが、さすがにこの寒空の中でトランクスのまま食堂に入るわけにはいかない。私は、乾き始めていたサイクルジャージパンツに足を通すことにした。

 

神武食堂と歴史的建築

店の中に入ると、客は一人しかいなかった。もう15時近いもんな。昼時はいつも満員らしい。

店内の壁には、ラーメンからカツ丼、定食までずらりとメニューが並んでいたが、私はメニューをじっくりと見ることなく「担々麺」を注文した。

「担々麺」が出来上がるまで、私は外に出て写真を撮った。でかいシャコちゃんで有名な木造駅は、どうやら改装中らしく、建物全体がシートで覆われていた。

「神武食堂」の隣が、これまた歴史を感じさせる建物である。どうやら歯医者だったようだ。

  

「担々麺、お待ちどうさま〜」

と目の前に置かれた「担々麺」は、こんな小さな街で食べるラーメンのビジュアルではなかった。

 

担々麺

クリーミーなスープに美味そうな肉味噌が真ん中にたっぷりと。色鮮やかなチンゲン菜が彩りを添える。一見まろやかそうに見えるそのスープをひと口すする。

「おわっ!」 確かにクリーミーではあるのだが、すぐに辣油の辛さと花椒の刺激に襲われる。よくある辛いけど甘みのある「担々麺」ではない。

麺は中細縮れ麺で、口当たりもよし。しかしスープがあまりにもインパクトがありすぎて、ラーメンというよりは、ひき肉たっぷりの辛くて美味しいスープをいただいているようだ。麺も具のひとつという感じ。

神武食堂の現在のご主人(四代目)は若い頃に東京で本格的な中華修行をしており、「担々麺」には並々ならぬ拘りを持っているとのこと。なるほど!の味。

温泉に入り、辛くて美味しい「担々麺」をいただき、これでもかというほど汗をかいた。結局サイクルジャージは再び汗だくになった。

 

帰り際、小上がりに座っていた店のおばあさんに声をかけた。

「『神武(じんたけ)』って、創業者の方が『神武(じんたけし)さん』だったんですか?」

おばあさんの返事は、ジャイゴ出身の自分でさえ、うまく聞き取ることのできない津軽弁であったが、話の内容を要約すると、「武(たけ)」がついた名前は2代目だそうで、初代の方は「竹(たけ)」という字だったそうだ。

それにしても、創業が大正13年ということだから、まさに津軽百年食堂である。

この「担々麺」がある限り、二百年食堂を目指して頑張ってほしい。

 

店舗情報

 

『 神武食堂 』

住所:青森県つがる市木造宮崎1-10 (地図)

電話:0173-42-3421

営業時間:11:00~19:00

定休日:火曜日


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