空虚な時間 ⑥ / つがる市『柏温泉』の激アツ湯に悶絶ス
エビフライカレーを堪能し、撮り鉄も体験した北津軽の「空虚な時間旅」も復路。
となれば前日と同様に、温泉に浸かってから帰るべし。
しかし、つがる市から五所川原一帯は、いわゆる津軽平野のど真ん中。
温泉はそれなりにあるけれど、「あいのり温泉」のような秘湯は無さそうだ。
そういえば、柏のイオンのあたりに温泉があった気がする。
中里から南下してきて国道101号線を右に曲がり、イオンの方に走ると…あった!
『柏温泉』
鯵ヶ沢や五所川原に行く度に、幾度どなく目の前を通り過ぎていた。
しかし、ロードバイクにしろ車にしろ、この辺りが目的地になることはほとんどなく、故にこちらの温泉にも訪れたことはなかったのだ。
館内に入ると、小さな街の銭湯といった雰囲気。
脱衣所では、地元のおっちゃん達による強烈な津軽弁が炸裂している。ちょいと懐かしい響きだ。
浴場に入るなり、ブワッと油臭が漂う。つがる市一帯の温泉はけっこう油臭が強い温泉が多い。
だらしない身体をひと通り洗い流した後、いざ浴槽へ。
どんな湯なのだろうか。まったく下調べはしてこなかった。
足を湯に突っ込む。
(あ”、あ”、あ”、あ”ぢーーーーーーーーーー!)
(あ”、あ”、あ”、あ”ぢーーーーーーーーーー!)
二度も叫んでしまった。
それにしても熱い!! 熱いのは苦手なので、なおさら熱い!!
とりあえず湯に入るのは諦めて、身体を洗うことにした。身体を洗い終えた後は、シャンプーをする。
シャンプーをしているうちに、足の裏がヒリヒリしていることに気づいた。
ん?ん…あ”あ”ぢー!
なんと、オーバーフローしている湯で足の裏が熱々になっていたのだ。オーバーフローする湯までもが熱々とは、なんということだ。
地元の人はこの熱さに慣れているのだろうか、豪快にザブーんと入っては「あ”〜〜!」と声を上げている。
しかし数分浸かった後、湯から上がった彼らの身体は真っ赤な茹ダコになっていた。
これは何かの罰ゲームなのか…
でもせっかく初めての温泉を訪れたのに、その湯に浸からないというのはあり得ない。
するとその時、地元のオッちゃんが豪快に水を投入していた。ドバドバと水を投入して、そこに身体をうずめている。
あ〜やっぱり地元に人でもみんな熱いらしい。なんかよその人間が勝手に水を投入するのは気がひけるけど、熱いものは皆熱いのだ。
私も遠慮せずにドバドバと水を投入する。すかさずそこに身体を入れる。
ぬるいところと激熱なところがあって、身体が変になりそうだ。
わずか3分ほど浸かり、脱出した。
白旗を上げ、私は脱衣所に避難した。
いや〜久しぶりに熱い湯だった。後日の話だけど、レビューを見たら「つがる市でもトップレベルの熱い温泉」と書いてあった。やっぱり。
温泉に浸かった時間は、ほんのわずかではあったが、私の身体は十分火照っていた。
火照った身体を冷ましながら、懐かしい響きの津軽弁を聴いていた。
70代と思われる地元のオッさん二人が、西北五の濃厚な津軽弁で、津軽の日常を語っていた。
「まんずや、こしたあっつ湯のあどだば、ビール飲みでぐなるいな!」
「んだってや。わだっきゃ、そいばり楽しみでや! あどだっきゃ、なも楽しみねじゃ。 え(家)さいでも、ノゲモノだはんでや」
なんとも切なくなる…津軽の熱い湯であった。
『柏温泉』
青森県つがる市柏下古川絹森55-3
営業時間 5:30〜22:00
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