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2018-04-26

adidas 「STAN SMITH」 / スタンスミス


高校生の頃は、メンズクラブに載っていた「コンバースオールスター」に憧れて黒のハイカットを買った。その後大学生になり、赤のローカットも買った。

まだまだ「IVYファッション」が大好きだった大学生の自分。「コンバース」の次に買ったのは、「トップサイダー」のキャンバスデッキシューズだったと思う。シンプルなオフホワイトのやつだ。もちろんアメリカ製。それに加えて、入学の時に買った「リーガル」のコインローファーでローテーションしていた。しかし、このローテーションで毎日はキツい。だんだんと痛んでくる。

やがて、ファッションにヨーロッパカジュアルの波が押し寄せてきた。ジーンズやブルゾン(アウターという言葉はなかった)も「メイドインイタリー」や「メイドインフランス」がもてはやされるようになった。

そしてそれは、足元も例外ではなかった。アウトドアテイストをコーディネイトにサラッと取り入れるスタイルが流行り、フランスの「パラディウム」という少しヘビーなキャンバスのスニーカーが人気だった。私は、この「パラディウム」の黒のローカットがお気に入りで、よく履いていた。ちょっとゴツめのデザインだったが、ショーツにもよく似合うスニーカーだった。

ある日、事件が起きた。私は「サンダ館」という歴史的建築にも間違えられそうな激古いアパートに住んでいた。もちろん玄関は共同だった。その共同玄関に置いてあった私の「パラディウム」が紛失したのである。誰かが間違って履いて帰ったのか、もしや盗まれたのか。いつまで経っても「パラディウム」のスニーカーが帰ってくることはなかった。

そんなに高い値段ではなかったと思うが、フランス製の「パラディウム」はもう手に入らなかった。ショックで落ち込んだ時間が、しばらくの間続いたと思う。

その頃、上土手町にあった元祖スニーカーショップ「HIRO」で、あるスニーカーを見つけた。それが、よく雑誌「ポパイ」などで目にしていた「adidas STAN SMITH」だった。

当時、「adidas」や「NIKE」といったスニーカーはオシャレというよりはスポーツブランドのイメージが強く、ファッションとして履いている人は少なかった。しかし「STAN SMITH」はアディダス特有の3本線があまり強調されておらず、またレザー仕上げということもあり、細身のインポートジーンズとの相性も良かった。

「adidas」といえばドイツのブランドだったが、「STAN SMITH」はフランス製であった。それもまた、フレンチカジュアルが流行り始めたファッションとうまくリンクしたのだろう。インソールに貼られてあるシールに「MADE IN FRANCE」の文字。アメリカ製とはまた違う大人びた響きを感じた。

すでに共同玄関ではないアパートに引っ越ししていたので、私のスニーカーコレクションの仲間入りをした「STAN SMITH」は、盗まれる心配もなく、長年愛用するスニーカーとなったのである。

これまで何十足というスニーカーを購入したが、そのうちのひとつは履き潰してボロボロになり、いつか履こうと取っておいたものが加水分解でボロボロになり、また時代を経てレアなスニーカーと化したものはスニーカーマニアの手に渡ってしまったり…とそれぞれいろんな歴史があるのだが、この「STAN SMITH」だけは捨てられずにいた。内側も割れたりして、履ける状態ではなかったが捨てることはなかった。

ここ十年ほど、「STAN SMITH」がまたブームになった。カジュアルだけではなく、モードなスタイルとも相性がいいし、コンサバが好きな人にも支持されている。現在は、いろんなカラーや素材のバリエーションもリリースされるようになり、「世界で最も売れたスニーカー」となったらしい。

ソールもヴィンテージな仕上げでモデル名の刻印もナシ

私も10年ほど前に、久しぶりに「STAN SMITH」を買った。コードバンのようなしっかりしたレザーで、ヒールパッチはネイビーのスエードでロゴはナシ、というシンプルなモデルだった。

いつの時代にも、どんなスタイルにも合わせることができる、でも何故か自分だけのスニーカー。そう思えるのが「STAN SMITH」だ。

ちょうどこのゴールデンウィーク期間、「DeeLIGHT CALTRAIN」 「FRINGE」 「fringe.F」 「FRINGE EAST」 の各店舗にて【STAN SMITH FAIR】を開催中!

ネイビー。ゴールドのSTAN SMITHが光る。
レッド。ダークな色合い。

今回のカラーは、グリーン、ネイビー、レッド、ともにダークなカラーで、ヒールパッチのロゴも同色に仕上げられていて渋いカンジ。ぜひ自分だけの「STAN SMITH」を見つけよう。

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