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2022-06-17

「引退」


6月15日。

大学3年のバイト時代から、39年間続けてきた洋服屋という仕事を引退することになりました。

これまでお店に足を運んだくださった皆さま、そしてお世話になったスタッフの皆さま、長い間ありがとうございました。

 

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大学を卒業した頃。蓬莱橋のところにあったCIENTOにて。当時憧れだったポールスミスのジャケットを着て。

 

この仕事を辞めることを決めた理由はいくつかあるけれど、いちばんは娘と一緒にいる時間を作ろうと思ったことだ。

昨年の夏、妻が亡くなり、そしてこの4月、娘は中学3年になった。

普段は明るく、相変わらずピコピコばかりだけど、きっと心の奥底には得体の知れぬ不安があるかもしれない。自分でも気付かぬ傷があるかもしれない。

だからしばらくの間は、彼女と一緒にいるようにしようと考えた。

そして何よりも、自分自身が今それをやらなければ、自分の人生の中で後悔するだろうと思った。

 

ただ娘も、親がいつもそばにいるのは鬱陶しいはずだ。

私が、写真を撮ったり何か描いたりという作業をしている方が気が楽だろう。

お互い「何かあったとき、いつでも話ができる」という距離感が良いと思っている。

 

そうなれば、自分もだらだらと日々を過ごすわけにはいかない。

いつか自分なりの表現活動ができるよう、多くのことを勉強すべき機会を得たと考えている。

 

20代後半。中土手町のCIENTOにて。バイトの藤野くんと。エキプモンのシルクのシャツを着て。

 

写真や音楽、チャリやラーメンもいいけれど、自分は40年以上、洋服というカルチャーで生きてきた。

洋服や仕事の思い出もここに書いてみたいけど、それらを語るにはかなりの時間を要しそうだ。

この先、少しずつ書いていけたらいいかなと思う。

 

見た目も、そして仕事柄も手伝って若く見られてしまうけれど、あと数ヶ月で還暦。

カッコいい赤いダウンベストを探している。

 

一般の公務員なら定年退職だから、引退は別に不思議ではない。

でも「仕事」を引退するわけではない。

 

何をしようか。

でも何故なのか、不思議と不安もなければワクワクもない。

今はとりあえず、娘といろんな話をしようと思う。

 

最後の出勤の日。店の上には美しい青空と雲があった。

 

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長い間、ほんとうにありがとうございました。

これからも、よろしくお願いいたします。

 

 

 


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