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2019-02-14

「写真を撮る理由 ①」 〜 カメラとスマホ 〜


「なぜ写真を撮るのだろう」 たまに、そんな小難しいことを考える。

おそらく、写真を趣味にしている多くの人が、一度ならず何度も自問したに違いない。現に自身のブログでも、同じようなテーマで何度か書いたことがある。そのときは自分なりの答えを出したつもりではいるが、時が経つと、再び頭の中で「なぜ?」が飛び交うのだ。



「スマホを使っていたが、ちゃんとしたカメラが欲しくて…」とか、「コンデジで撮っていたけれど、もっとハイスペックなカメラが欲しい…」などの理由で、レンズ交換式の一眼カメラにステップアップする人は多い。

「艶やかに咲き誇る桜」や「赤と黄が織り成す山々の紅葉」など、いわゆる絶景と言われる写真をカメラに収めると、一眼の素晴らしさに歓喜する。「テーブルフォト」や「子供のポートレート」などを撮ると、まわりがキレイにボケて被写体が際立つことに驚愕する。「花火」や「渓流」を長時間露光で撮ると、まわりの友達から「すげ〜!プロみたいだ!」と尊敬される。

最初の1〜2年は、一眼の恩恵を受けながら鼻を高くしてシャッターを押し続けることができる。周囲からの期待に応えようと、さらに高みを目指す。カメラマガジンを購読したり、ネット上での写真グループに属していろんな情報を得ようと必死になる。自分もそうだった。

専門誌を見たりネットで他の人の作品を見ると勉強になるし、交流サイトでの出会いがきっかけで写友ができたりと、いろんな意味で自分がステップアップできるのは確かだ。しかし、時間が進むにつれて、だんだんとわかってくることがある。

まわりからチヤホヤされていた頃に自分が撮っていた写真。自分だけが撮れていたと思っていた写真。それは、写真という趣味の世界の中では「写真が好きな人たちの多く」が撮る被写体であることに気付く。そして、それらは自分の撮る写真のレベルを遥かに超えているのだ。

インターネット上にある、そんな写真集?を見ているうちに、写真に対する考え方や思いが少しずづ変化し始める。「自分もあの人たちのような写真が撮りたい」「自分もあの人たちのような写真に仕上げる技術を覚えたい」と、さらなるステップアップを望む人もいるだろう。しかし、「誰もが撮る写真を自分が撮る必要があるのだろうか」「誰もが度肝を抜くような仕上げをすることに意味はあるのだろうか」と、疑問を持つ人も出てくるだろう。やがて「私はなぜ写真を撮るのだろう」 そんな疑問が頭を巡り始める。

飲み屋に写真仲間が集まり、「なぜ?」談義が始まる。「そんなこと深く考えなくていいよ!自分が楽しければいいんだよ」 最後はだいたいそんな楽観的な慰めで終わることが多い。なんとなく納得したような気持ちになって帰宅するがどうもサッパリしない。その繰り返し。

「なぜ・写真・撮る」というキーワードで検索するだけでも、優秀な回答がたくさん出てくる。プロが語る「なるほど」と思うことような哲学的な答えがあったりもする。つまりは、裏を返せば、「写真を撮ること」について理由を求めている人が、それだけ多いということなのだろう。

しかし、共通している「答え」があることにも気付く。それは「いい写真は、いい機材から生まれるのではない」ということだ。もちろん絶景写真を撮る人と、スナップを撮る人とで、その考え方は若干異なるだろうが、個人的にはその考えに大賛成だ。

最近スマホを買い換えた。ずっと「Android」を使っていたが、昨年「iPhone」に変えた。それまではロードバイクでツーリングに出掛けるときは、ウェストバッグに一眼カメラを忍ばせていたが、正直重い。ツーリング先での撮影も兼ねるのであれば我慢するしかないが、FacebookにUPするくらいの写真であれば、「iPhone」で十分だった。いや、画素数などスペックを対比しても、昔のコンデジを遥かに凌ぐ。

モバイル性能はもちろんのこと、ネット環境にアクセスしてすぐにSNSにUPできるなど、機能的には申し分ない。ちょっとした友達との記念撮影や食事の記録などであれば、スマホで十分ということだ。

高額な一眼レフを買う人は少なくなったらしく、カメラ業界も厳しいと聞く。しかし、写真を撮る人が減ったかといえば、そうではなく寧ろ増えている。それはもちろんスマホの影響である。つまりは、世の中のほとんどの人がカメラマンになったと言える。

そのように変化した世の中で「写真を撮る理由」とは何だろう。その理由を求めている人は「カメラ」を使っている人だ。つまり「スマホではなく、あえてカメラで撮る理由」が知りたいのだ。

上で書いたように、ネット上には素晴らしい答えがたくさんあるけれど、自分自身もここに自分の言葉で書きながら、納得できる答えを見つけたいと思う。プロでもなければ、卓越した文章を書けるわけでもない。カメラを始めて2〜3年の人たちと同じ気持ちで書いてみたいと思う。


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