『鉄道写真』のアーカイブズ
写真仲間の小田桐くんが運営している「AOMORI Photo & Video Club」」という写真グループがある。
その写真グループでは、Facebook上で毎月「カバー写真のコンテスト」が行われている。毎月テーマを決めて、メンバーがお気に入りの写真を投稿し、メンバー同士で人気投票をするという企画だ。
以前、〈『紅葉写真』のアーカイブズ 〉というブログを書いたが、それも「#カバーコン紅葉」というテーマのもと企画された時の写真だった。
テーマはその月によって「海」だったり「鳥」だったり「紅葉」だったりする。コロナの影響もあって、普段撮りためている写真は少ないが、過去の在庫からテーマにあった写真を探し出す。
日頃、過去の写真を振り返る機会が少ない中にあって、自分にとってもこの企画は、とても意義のあるものとなっている。
先月、12月のテーマは『鉄道』だった。
世の中には「撮り鉄」と言われる鉄道写真のマニアがいるが、自分は鉄道を目的に写真を撮りに行ったことは一度もない。
普段、自分が撮っている写真とは、もっとも対極にあるような気がしていたが、蔵(在庫という意味)を漁ってみると、意外に鉄道の写真があることに気づいた。
確かに、雄大な自然の中を走る蒸気機関車だったり、夕日をバックに美しいフォルムを見せる新幹線など、撮り鉄にはたまらない…というような写真は一枚もない。
相変わらず、ツーリングの途中とか、娘との散歩とか、そういう時に出くわした鉄道との写真。そういうのばかり。
だが、「鳥」の写真もそうだが、「鉄道」の写真というのは「日常の中にある非日常」的な要素があって、つまり、「対象が思いがけず不意に現れるのだが、こっちがあたふたしている間に消えてしまう」…みたいな。
一期一会的で、チャンスは一瞬。そんなところが、マニアにはたまらないのかもしれない。
実際、私もツーリングなどで休憩しているときに、少し先で「カンカンカン」と踏切の音が聞こえると、「あ!電車が来る!」と慌てふためいてカメラを必死に構える、ということがしばしば。
で、ドキドキしながら構えているうちに、ほんの数秒でヤツは通り過ぎていくのだ。
撮り鉄目線だと、全く「鉄道写真」とは言えないようなものばかりだけれど、「紅葉写真」同様に、アーカイブズとしての「鉄道写真」を少しだけ記録しておこうと思います。
川部駅の貨物列車の写真は、明らかに、恩師である故村上善男先生の影響をモロに受けている写真。
先生は、よく貨物列車をモティーフにして、シルクスクリーンを刷っていた。個人的に、村上先生の作品の中でも最も好きなシリーズで、この歳になってもついつい真似してしまう。(先生、ごめんなさい)
「カンカンカンカン」
また、どこかで、いきなり現れる列車の姿に慌てふためくのを楽しみたいと思う。
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