「 金木街景 〜壱 」
先日、吹雪の休日。北へ車を走らせた。
毎年、この時期になると、決まって北に(主に、三厩や小泊下前の漁港である)向かって走り、写真を撮っていた。
この日はかなりの吹雪だったので、三厩まで行くのは無理に思えたが、とりあえず北へ向けて走った。
五所川原を過ぎると、吹雪は猛吹雪となった。ときおりホワイトアウト。そういえば、つい最近も福井や宮城の高速道路で、多くの車による立ち往生や多重事故が発生していた。
スピードを落とすのも、ヘタに止まると後ろから追突されるのでは…という不安がよぎる。 (こりゃ、小泊どころか十三湖も無理だな…金木で折り返して帰ろう)
斜陽館の向かいにある駐車場に車を停めた。
斜陽館や芦野公園を訪れたことはあるが、金木の街中を歩いたことはなかった。愛機のX100Fを首からぶら下げて車から出ると、外はまだ吹雪いていた。
コロナの影響だろうか。斜陽館前の通りを歩く人の姿はほとんどない。目の前の観光物産館も休館中。
土地勘はまるでなかったが、斜陽館を中心に、気の向くまま歩いてみる。
吹雪いていた金木の街は、カラーで撮ってもモノクロのような風景だったが、あえてモノクロだけで撮る。

観光物産館にて

斜陽館

斜陽館のレンガ壁
斜陽館前の通りから、西に仁太坊通りへ入る。
道の向こうに「金木温泉」という看板が見えた。車に風呂道具を積んでいたので、温泉に浸かろうかと思ったが、どうやら営業はしていないらしい。

温泉の裏通り

温泉の裏通り

趣のある昭和の建物意匠
温泉の角を曲がると、商店街らしき通りに出た。が、ほとんどの店がシャッターを下ろしている。
通りを歩く人は誰もいない。たまに人影が見えると、それは、ほとんどが雪かきをする人のシルエットだった。
なにか、小さい頃の風景を思い出す。
太宰が生まれ育った街を、ちょっくら歩いてみよう。
(「金木街景 〜弐」へ続く)
コメントを残す