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2021-06-24

天気予報は当たらない


学生時代は、天気を気にしたことはなかった。

晴れようが、雨が降ろうが学校には行かねばならぬ。一講目はよくサボったけど。

快晴だからといって、ドライブに行く車も持っていなかった。

 

社会人になってからは、多少気にするようになった。客商売だから天気次第で客数も変わる。しかし、数日前から休みの日の天気を調べるということはなかった。

天気を気にするようになったのは、ロードバイクを乗るようになってからだ。ツーリングに出かけるかどうかは天気次第。そこは、室内でできる趣味と大きく異なる。

予報が晴れであれば、どこまで走ろうかと画策するし、雨であれば自宅で何をしようかと考える。だから、休日の予定は天気に左右されるようになった。

 

 

天気予報では、今日は13時から17時くらいまでが雨だった。このところ、休みの日はわりと走れていたので、家の仕事をすることにしよう…そう決めていた。

ネットの発達した現代。天気の予報を教えてくれるサイトは数多くある。Yahoo!の予報もあれば、気象庁のお堅いやつもある。私は、「tenki.jp」というサイトをブックマークしていて、天気を知りたいときはいつもこのサイトを見る。

3日間の時間ごとの詳しい予報もあれば、10日間予報もある。10日先まで予想できるとは、昔に比べ随分と技術が発達したものである。

しかし、毎日チェックしてみると、けっこうな頻度で予報は変わる。5日先の天気が、昨日までは雨の予報だったのが晴れになっている。そんなのはしょっちゅうある。

それだけ気象というものは複雑怪奇なのだろうが、雨が晴れに変わるような予報だと、予報とはいえない。いっそのこと、予報しない方がいいように思う。

 

どうせ走らないしと、ゴロゴロと昼近くまで寝ていた。

窓の外を見ると、雲はかかっているが重そうではない。しかし、13時からは雨が降る。私は、ウィンナーと玉子を焼いて、限りなく昼飯に近い朝飯を食べた。

 

13時まで家の仕事をした。雨は降っていない。

「tenki.jp」をチェックしてみる。一日中、曇りのマークに変わっていた。その日に予報を変えるなんてズルいなあ。それだったら俺でもできそうだ。

どうしても走りたかったわけでもなかったが、身体のために週に1回は走っておきたい。別にラーメンも温泉もいらないし、写真も撮らなくてもいい。

私としては珍しく、ほとんど何も持たずに走り出した。

 

 

「雨降らなくて良かったですね」

岩木山神社にいたアイスクリーム売りのおばちゃんが言った。15時になろうとしていたので、境内にある土産物屋は店仕舞いを始めていた。

「何時まで売ってるんですか?」と訊くと「あと少しかな」とおばちゃんは答えた。

観光地でもある岩木山神社でアイスクリームを売るという商売であれば、おそらくおばちゃんも天気予報を見ただろう。僕ら以上に、天気が左右する商売だ。

いつもはトマトジュースを買って飲んでいたが、今日はアイスクリームにした。2色のからんからんアイス。何も持たずに走り出したが、小銭だけはポケットに入れておいて良かった。

 

おばちゃんに挨拶をして、岩木山神社をあとにした。

ふと、鳥居の方を見上げると、ずっと雲にかかっていた岩木山が顔を出した。

 

 

天気予報は当たらない。

でも「当たらなかったから、良いことがあった」ということもある。今日はそんな日だったかもしれない。

そもそも、自分の行動を天気予報に委ねるということが、間違っている。天気予報に責任はないのだ。

 

さて、5日後の休みの天気はどうだろうか。

一日中、雨の予報だった。

 

 

 

 

 

 


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