夜明けの弘前の街を走ル
朝5時に目が覚めた。夜中12時過ぎに寝たというのにだ。
昔から、寝るのは何時間でも寝れた。夕方まで寝ていて、よく親に叱られた。
しかし、すでにあの頃の親の歳を越えてしまった今の自分は、夜中や明け方に目を覚ます。それはだいたい小便に行きたくなって目を覚ます。順調に歳を重ねているようで安心だ。
仕事も休みだし、娘も学校は休みだ。何も考えずに二度寝しよう。
そう思ったが、妙に眠くない。早朝の玉子かけご飯でも食べれば、腹も膨れて眠くなるかもしれないが、あまり健康的とも言えない。
窓の外を見ると、空はほんのりと白い。曇っているのではなく、夜明け前の青空の色だった。
モンベルのサイクルジャージを履き、ウェストバッグにX100Fを入れて、夜明けの弘前の街へ走り出した。
中央通りの郵便局。
郵便局を撮るということは滅多にないが、月が出ていたので。そういえば、一昨日は満月の十五夜とかで、SNSは満月で溢れていた。
中土手町。
昔、働いていた街。もはや、当時の賑わいはないけれど、弘前といえば、やはり土手町。
中三デパート。
かつて異彩を放ったUFOも、クラシックになりつつある2021年。
下土手町、ごちそうプラザアーケード。
夏の名残り。
朝日会館前の駐車場。
キースヘリング風の画と、3棟ともに蔦が絡まるの図。
鍛冶町。
電線。カオス。ゴチャゴチャ。でも昔のように朝帰りする若者はいない。
鍛冶町から大学病院へ上りきった五差路交差点。
ここの信号は、少しわかりにくい。
最勝院五重塔。
最勝院といえば、曼珠沙華。
誰もが撮っているので私は撮りません…と思ったが、朝陽を浴び始めた一輪を目にし、思わずパシャリ。
弘前の老舗。
夜明けの姿も美しい。勝手にロード立てかけてすいません、泉さん。
禅林街。
この夏、小さくなった妻を抱いて、この道を走った。
禅林街から坂を下り、下町を走る。
少し高さのある弘前公園の裏手にある下町は、まだ少し薄暗い。
城下町の面影を残す細い道。立ち並ぶ趣のある古い家。
細い道を通り抜けると、濠が目の前に現れる。
西濠。
白い鷺が一羽。
公園の紅葉。
時は流れている。
下乗橋。
濠に映る今日の空。
本丸に上ると、天守はすでに陽を浴びている。
あまりに立派すぎてカメラを向ける気にはならない。
が、朝の光だからこその、色と影がある。
天守一層目の先端。
天守一層目。
シルエットと波型模様。
弘前市民会館。
メインホールとホワイエを結ぶエントランス。バランスが美しい。
ステンドグラス。
前川建築のファンなら誰でも知っているだろうが、素晴らしい建築は、その建物の裏手に回ってみても一切手抜きがない。
むしろ、普段、目に触れぬ部分にこそ、美しい意匠の佇まいを感じることができる。
赤ドアのある美しいコンクリート壁。
多くのアーティストたちが、ここの赤ドアを通ってステージの袖へ向かう。
今年は、その光景を見ることができるのだろうか。
ウェストバッグにカメラを忍ばせ、走り始めた夜明けの弘前の街。
新たな発見を求めて走ったつもりだったが、ついつい観光名所といわれるコースを走ってしまった。
まあ、これが弘前の街の良いところなのかもしれない。
およそ2時間の夜明けのフォト&ツーリング。充実した休日になりそうだ。
さて、帰って二度寝しよう。
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