toggle
2022-07-21

第7回「今。切り撮る」展 〜BARに集う写真家が撮るそれぞれの今〜


7月16日から18日の3日間、弘前市百石町展示館にて「今。切り撮る」展 が開催された。

「BAR BLOCK HOUSEに集う愉快な仲間たちが撮る、それぞれの今」がテーマとなっている写真展。そのメンバーの中心人物である内本氏より、私は今回のゲスト参加として招待された。

「今。切り撮る」というタイトルからすると、出展には少々躊躇いもあった。新型コロナウィルスだけでなく、妻の死去、私自身の退職など、ここ二年ほどは写真に取り組む気持ちになれぬ出来事が多く、手元には最近の写真がなかったからだ。

しかしこのご時世、写真展に参加できるという機会が少ないのも事実。私は参加することを決めた。

ここ数年撮りためた写真を新たな視点で見直してみることにした。

このパンデミックの現在における視点で見ると、また違った画に見えてくる写真もあった。それらの中から幾つかの写真を選んだ。

「観る者が作品をどのように解釈するのは自由で」であることと同じように、「作者が自身の作品を後々どのように解釈するかは自由」だ。

むしろ作品を見つめ直すのは、大切な作業かもしれない。

前日に作品を搬入した。

展示館の運営を切り盛りされている畠山さんに、いろいろとアドバイスを請う。畠山さんとは、もうかれこれ40年以上の付き合いだ。

かつて、妻がこの展示館に勤めたのも、畠山さんの存在があったからだった。いや、妻と結婚したのも、畠山さんと三人で飲みにいったのがきっかけだった。

畠山さんのアドバイスで、大きさの異なる作品をセンター合わせで展示することにした。小さい作品なので、目線が揃う方が良いとのこと。

ただキャプションはすべて高さを揃えることにした。

モノクロがメインだったので、シンプルな展示を心がけた。意外にも、モノクロは私だけであった。

このグループの写真展は、テーマ、大きさ、点数、展示方法、すべてが自由という、まさに自由な写真展だ。個性あふれる作品が会場に並んだ。

すべての参加者の作品を紹介することは難しいので、少しだけご紹介。

グループのリーダー的存在、マガタ氏の作品。

氏の作品にはいつも度肝を抜かれる。被写体の選択や大胆な構図にも常にオリジナリティがある。

その表現方法もダークなときもあれば、ときにはファンタジーもあり、毎回感心させられる。

家族写真を撮り続ける、田中氏の作品。

氏の作品は、家族、特にふたりの娘さんを撮られたものが多く、毎回その家族作品を観ることで娘さんたちの成長を感じることができる。

単なるスナップ写真に終わることなく、卓越した構図の取り方、物語の感じさせ方などに、氏の感性を見ることができる。

三ツ橋氏による、大きなサイズの三作品。

特に、真ん中のモノクロは長時間露光による作品で、中央にわずかに写る人影はご自身のものだとか。

こういった実験的な作品があるのも、このグループの写真展らしい。

写真仲間のひとりでもある、小田桐氏のポートレート作品。

通常のポートレートでは見ることのできない、大きなプリントで壁一面を覆う斬新な表現。

あえてパネル貼りにせず、大胆にクリップで吊り下げてしまうところに、この写真展の自由さを感じる。

今回、私同様にゲストとして出展された、米村桜氏の作品。

今回唯一の女性写真家。女性らしい美しい作品が多く、自由な展示方法もまた、今回の写真展に華を添えてくれた。

同じくゲスト参加された、濱氏の作品。

写真そのものが高度な技術で撮られているのは勿論、それをさらに、クオリティの高い大きなプリントでの表現は素晴らしかった。

今回、来場者の多くの方が、濱氏の作品に心を奪われたようだ。特にこの二作品は人気が高かった。

そして、私の作品。

小さなスクエアのモノクロの写真たち。

他の方々の大きなサイズの作品に比べれば、随分と地味な印象…

まあ、でもそれが自分の写真。自分の表現。

ひとつひとつの作品は、自身の記録として次からのブログに記していきたいと思います。

 

 


タグ:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。