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2017-04-28

桜 と モダニズム ①洋風建築 と モダニズム建築


弘前の桜も散り始めましたね。

弘前といえば、桜、弘前城、ねぷた、りんご、岩木山…でしょうか。多くの方が思い浮かべるイメージ。こぎんや津軽塗をはじめ、ブナコや刀剣など、全国的に有名な工芸品も多数ありますので、そういった工芸文化を思い描く方も多いと思います。また、古い洋風建築なども残存しているので、観光面では「洋風建築とコーヒーの街」などと謳っていたりします。

タイトルにもした「洋風建築」ですが、有名な建物としては青森銀行記念館や百石町展示館、旧弘前偕行社や旧市立図書館など、元々銀行や学校など公共建築だった建物。(これらは純洋風というよりは、和洋折衷の趣がある建物です)

青森銀行記念館
百石町展示館

また弘前昇天教会や弘前カトリック教会など、いまも教会として存在している建物。

弘前昇天教会

すべてにチャリが写ってるのはご容赦くださいませ。

そして大阪屋さんや一戸時計店などの老舗、街中にぽつりとあったりする消防の屯所など、洋風とはまた見え方が異なるかもしれませんが、趣のある建物が点在します。

大阪屋

この辺りはここで多く語らずとも、多くの方々が昔から馴染みのある建物ですので、説明は省きます。もし弘前以外にお住みで興味のある方は「弘前、洋風建築」で検索すると、わんさか出てくると思いますので是非。

 

私は鯵ケ沢に生まれ育ったので、小さい頃の自分にとっての弘前といえば、やはり「お城」「ねぷた」そして「かくは」や「中三」でありました。弘前大学の学生になり、街を散策するようになると、上で述べたような多くの洋風建築を目にするようになります。特に僕らの若い頃は、函館や横浜、神戸といった異国情緒ある街に憧れたりするわけですが(その理由だけで、立教大や横浜国大に憧れたりして)、弘前もなかなかどうして、カッコいい洋風建築があり趣ある街なんだなあ~とあらためて好きになったりするわけです。

そうして大学時代から今に至るまで、弘前に住み続けているのですが、弘前という街に「モダニズム建築」があるらしい…ということは、最近まで知りませんでした。そもそも「モダニズム建築」という言葉も知りませんでしたし、もちろんどういう建物が「モダニズム」なのか判りません。

「モダニズム建築」日本語で言えば、「近代建築」や「現代建築」という言い方になるのですが、現代だからといって今最新のというわけでもないようです。建築やインテリアの業界では「モダニズム」というのがひとつの時代を表しているらしく、1920年代~1970年代あたりをそう呼ぶらしいです。おそらく当時は字のごとくモダンであり斬新で最新であったのでしょう。数十年経ち、その時代の建築を「モダニズム建築」それ以降を「ポストモダン建築」と呼ぶようになったらしい。

さて、では弘前の「モダニズム建築」ってどの建物なの?ってことになりますが、ずばり建築家「前川國男」が設計した建物ということになります。

「木村産業研究所」が表紙になった前川建築を巡るパンフレット

弘前には8つの前川作品が存在します。

① 1932年 木村産業研究所(現弘前こぎん研究所)
② 1954年 弘前中央高等学校講堂
③ 1958年 弘前市役所
④ 1964年 弘前市民会館
⑤ 1971年 弘前市立病院
⑥ 1976年 弘前市立博物館
⑦ 1980年 弘前市緑の相談所
⑧ 1983年 弘前市斎場
(建築された順)

建物自体は、市民の方に日頃から馴染みのあるものばかり。

弘前市役所と外濠の桜

100%に近い市民の方が、市民会館や市役所の存在を知っているのは当然ですが、それが「モダニズム建築」と言われていたことは、あまり知られていなかったような気がします。今となっては、「前川建築」も弘前の観光資源のひとつとして、市などでも強力にプレスしていますので、市民の方も「前川建築」のことをだいぶ知るようになったのではないでしょうか。

かくいう私もそんな一人。実は大学時代、私は合唱団やグリークラブで歌っていて、毎年のように弘前市民会館のステージで演奏に加わっていました。市民会館を知る人には有名な通称「赤ドア」。出演者が出入りする赤い鉄製のドアですが、いま思えば、あの赤はかなり「モダニズム」ですね。

 

 

私もそうやって毎年市民会館を訪れていたわけですが、特別「モダンでオシャレ」なイメージは持っていませんでしたし、どこの県にもある県民会館や市民会館ってこんなかんじなのかなと思っていました。

では、どうして最近になって数十年前の建築が注目されるようになってきたのでしょうか。実はファッション業界における「あるブーム」が影響したのではないか?と思っています。なんか長~くなりそうな予感がするので、前後編に分けて書きたいと思います。


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コメント2件

  • 古川賢一 より:

    マーガレット・ハウエル?

    • ferokie より:

      古川先生、ん~って、次回UPの前にネタばれしたらマズイじゃないですか!(笑)

      確かにハウエルもインテリアに大きな影響を与えましたね。ただ彼女のテイストはベーシック&ナチュラルですから、どちらかといえば北欧系のスタイルが好きな方に支持されたと思います。ってことで明日をお楽しみに。

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