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2017-04-29

桜 と モダニズム ②イームズ & コルビジェ


朝5時半の弘前公園

*最初にここに辿りついた方は、第1章「洋風建築 と モダニズム建築」を先にお読みいただければ幸いです。

第1章では、弘前にある洋風建築とモダニズム建築について触れました。ではなぜ最近になり弘前の「モダニズム建築=前川建築」が注目されるようになったのでしょう?近代の建築を再認識するブームなどがあったのかもしれませんが、ここではもう少し別の角度で探ってみます。

 

 

バブル崩壊後の1990年代前半、原宿の裏通りにある何軒かのショップを発信源として、新たなファッションムーブメントが生まれ始めていました。いわゆる「裏原」と言われたスタイル。

今となっては『LOUIS VUITTON』ともコラボするほど、ファッション界における重要人物となった「藤原ヒロシ」や、パリコレの常連『UNDERCOVER』のデザイナー「高橋 盾」(ジョニオ)らが中心となり、1995年あたりから自分らで刷ったTシャツや海外のレアなスニーカーやアウトドア物を紹介、販売していました。そしてわずか数年で一大ムーブメントを起こしたのです。

『UNDERCOVER』私物

彼らはショップの内装やインテリアも自分たちでデザイン、プロデュース。店内や事務所には、海外のヴィンテージ家具などを置いたのです。やがて彼らのインテリアセンスを真似る人たちが増殖しました。

その中でも代表的なものが「イームズ」(CHARLES & RAY EAMES)の椅子です。1950年代、イームズ夫妻は合板加工や繊維強化プラスチックを素材とした椅子を数多くデザインし、その商品は家具メーカーである「ハーマンミラー社」より販売されました。そしてイームズ夫妻がデザインした多くの椅子やテーブルが、なんと40年ほど経ってから日本のファッションリーダー達に再認識されフィーチャーされたのです。

自分が所有する唯一のイームズオリジナル

「裏原」ブームとときを同じくして『カーサ・ブルータス』(Casa BRUTUS)がマガジンハウスより創刊されました。2000年からは月刊誌となり現在に至っています。元々、『Popeye』『BRUTUS』などファッション誌を発刊していたマガジンハウスです。家具やインテリアをオシャレなジャンルとして取り上げるのは自然の流れでした。

都会の人々にとっては一戸建ては高すぎる買物でしたから、マンション暮らしなどで椅子やテーブル、食器などに拘ること…これもまた自然の流れ。あっという間にイームズの椅子や北欧の食器などが流行しました。

さらにインテリアブームは過熱していきます。イームズで物足りなくなった人は、簡単に手に入らないような家具を求めます。

それが、「ミース・ファン・デル・ローエ」(Mies van der Rohe)のバルセロナチェアであったり、「フランク・ロイド・ライト」(Frank Lloyd Wright)の照明だったりしました。

そしてミースやライトと並んで、3大モダニズムの一人と言われたのが「ル・コルビュジエ」(Le Corbusier)です。

言うまでもなく、彼らは3人とも近代を代表するモダニズムの建築家であり、また家具のデザイナーでもあります。彼らの建築における感性が凝縮されたものが、彼らのデザインする椅子やテーブル、照明であった、と言っても過言ではありません。イームズの次を求めていた日本のファッションクリエーターがモダニズム建築家に熱い視線を向け始めました。

当然『カーサ・ブルータス』も見逃すはずがありません。追随するように、多くの雑誌がモダンな家具を取り上げるようになり、同時にモダニズム建築も特集されるようになりました。中でも「ル・コルビュジエ」の注目度は高く、建築における新しい試みが施されたパリ郊外の「サヴォア邸」などは、今でも近代建築として高い評価を受け、歴史遺産にも指定されています。

LC2

コルビジェがデザインした家具「LCシリーズ」は、フランス本国でもいろんなジャンルのクリエーターたちの所有率が高く、その様子が多くのインテリア雑誌で紹介されています。コルビジェの建築、家具、そして人生を特集した「コルビジェ」の本も多く出版されました。

やがて、その特集の中でコルビジェの弟子の一人がフィーチャーされ始めます。それが「前川國男」という日本人だったのです。

 

 

だいぶはしょりましたが、ここまでの長たらしい内容(Wikipediaを見れば一発のような)にお付き合いいただきありがとうございます。ファッションとのかかわり合いを書きたかったので、ご理解の程。ようやく前川先生のご登場となりましたので、最終章に続きます。最後は政治に訴える無謀な記事…あ〜どすべ。

* 前後編2部作で終わるはずが、上中下3部作になってしまいました…


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