チャレンジヒルクライム岩木山 2017 ボロボロの結末
6月の最終日曜日。「チャレンジヒルクライム岩木山」が開催されました。
4年前の「ヒルクラ」のときはとても天気がよく、初めての参戦にしては結果もまあまあで、記念に残る一日となりました。その翌年からは3年続けて、土砂降りや雷、低温など、かなり厳しいコンディションでした。(一昨年は悪天候により中止)
さて、2017年の「ヒルクラ」 朝4時半に起床。明るくなり始めた外に出てみた。そんなに寒くはありません。西の方角を見ると、我らが「岩木山」は…雲に隠れています。が、雨は降らなそうな天気。
「ヨッシャ!」と気合を入れ、準備にかかる。コンビニで朝飯を調達。おにぎりを頬張りながら岩木山へ。岩木山神社で完登祈願。
会場の総合公園に到着。今年は早い時間からけっこう車が集まっているかんじ。
トモローハウスの前に陣取ります。間も無くして、チャリ先輩のMアニキと盟友阿保さんも到着。
一応、ウォームアップはしようかな。コースを3kmほど走ります。相変わらず「シュッ」とした人ばかり。やっぱりチャリ、とくにヒルクライムする人はこうじゃなきゃなあ〜。毎年思うことですが、このレースが終わるとケロッと忘れてしまいます。
自分は10kmコースに出場なので、会場を後にしてスタート地点の嶽温泉方面に向かいます。でも正直、ウォームアップとか、スタート地点まで5km走るとか、自分のレベルだとそれだけで疲れてしまいそう…なんて情けない。
すでに10kmスタート地点には多くの選手が並んでいます。いつもだと少しでもタイムを縮めたいと先頭の方に並ぶのですが、今年はとにかく上りきろうという思いがあるので、あまりあくせくせず。阿保さんと談笑をしながら、15kmの選手が通過するのを待ちます。
15kmコースは、8時45分に総合公園をスタート。約10分ほどすると先頭がきます。速い。来ました。
シュー!シュー!スゴいスピードで目の前を駆けていきます。先頭集団にY先輩がいました。さすがです。MアニキとT先輩も続きます。すげーな、みんな。
やがて、僕ら10km選手が道路に並びます。「9時の予定でしたが、10分になります」とのアナウンス。ん?スタート遅れるのかな?とみんなで話します。
ちょっとのんびりしてたら、いきなり「パーン!」とスタートの合図。「エ?10分後じゃないの?」
みんな慌てる。自分もめちゃ慌てて、ビンディングシューズをガチャガチャはめて走り始める。あんまり慌てて、ガーミンのスイッチも入れ忘れ。
スタートから1kmは平地なかんじなので、もう少し飛ばしたいのだけれど、全体が思ったよりゆっくりで前に行けません。やがてスカイラインのゲート。さあ、ゴールまで延々とキツい坂が続きます。とにかく昨年のタイムを少しでも越せるようにペースをキープします。
アベレージで10km/hだとタイムはちょうど60分。1年目と2年目はそんなかんじでした。でも今の自分は、勾配10%を超えるとどうしても10km/hを切ってしまいます。とにかく自分と同じくらいのペースの選手を見つけて付いていくことに。
ゴールまであと何kmの標識や、カーブの数字が目に入ります。5kmまできたあたりで、先日痛めた左膝の筋が気になってきました。「頼むからもってくれよ〜」と念じながら漕ぎます。
「ハァハァ〜フゥフゥ〜」となるべくたっぷり息を吸いながら走ります。周りの選手にはうるさかったかも。昨年のペースよりは幾分良さそうなペース。このままキープすればいけるかもしれない。
カーブの先に、前方でスタートしてたMTB女子のチエちゃんの姿発見!知ってる人の姿を見つけるとちょっと気合が入ります。よーし追いついてタイム稼ぐぞ!
と思った6kmあたり。左脚のふくらはぎが「モゾモゾ」と。「え、ヤバイ。攣る?」ちょっと焦りながら脚を回します。
しかし、もうしばらく走るとふくらはぎが「ビク、ビクビクビク!」「あ、もうヤバい、攣る」急いでチャリを降りました。
岩木山のヒルクライムでチャリを降りたのは初めて。ロングライドで攣ったことはあるけど、そのときは自宅に着く直前だったので事なきを得たが、ヒルクライムの途中に足が攣ったことは今までにない。攣る直前で、まだ痛みはないけれど、このまま走ると本格的に攣りそう。
ちょっとストレッチをする。少し歩く。気を取り直して、走ろう。10%近い坂なので、漕ぎ始めはかなり踏ん張らないと進みません。
「オッシャ!」と右脚で踏ん張った瞬間。「ビクーっ!」 「痛ー!」
今度は右脚のふらはぎが一気に攣りました。転びそうになりながら焦ってチャリを降ります。( 両脚攣るなんて…もうこれ走れないんじゃない? )( サポートカー呼ぶのどうすんのかな? )なんてことが頭をよぎる。
とりあえず、両脚をストレッチ。しばらく歩く。5分以上は歩いたかもしれない。チエちゃんはとっくに見えません。自分の横を10人以上の人が追い越して行きました。悔しいけどしょうがありません。
歩いていたら、上からすでに走り終えたチャンプ文さんが降りてきました。「大丈夫すか?」「両脚攣ってまって…」「もう歩いてもゴールできるよ。ガンバっす!」そうか、あと3kmくらい。頑張ろう。
しかしビンディングシューズで歩いていると、ふくらはぎの前の方の筋肉が攣りそうになってきます。とにかく、もう一回チャリに跨って、走ろう。ふくらはぎに負担がかからないように、なるべく大きく脚を回す。あ、なんとかなりそう。
あと2kmだ。応援の声も聞こえてくるようになる。Mアニキの奥さんがいた。声援をいただく。カーブも60を超えたようだ。
タケウチサイクルの応援団がいた。「本間さーん!ガンバ!」ちょっとチカラが湧いてきた。脚もなんとか持ちそうだ。
すでにゴールしたチャリの先輩たちから檄が飛ぶ。「監督!ケッパレ!あど少し!」八合目のリフトが見えた。「最後!ケッパレ!あとひとつ!」
ゴールに向かって並ぶ赤いパイロンが見える。最後のチカラを振り絞る。
「ゴール!」
走りきった。両脚が攣りながらも完登攀した。
しかし、なんとも情けないゴールだ。もう途中からタイムは見ていない。あんだけ歩いたら目標タイムをかなりオーバーしているはずだ。嬉しさは全くこみ上げてこなかった。なんかホッとした気持ちと悔しい気持ちと、なんか、もうどうでもよくて、とにかく休みたい気持ちと。
そうだ、チエちゃんのママの車にカメラを預けていたんだ。カメラを受け取り展望台に登る。階段もまともに歩けないので、スニーカーに履き替えた。
展望台からは完走した選手たちと、八合目にずらりと並んだバイク。充実した笑顔の選手たちが見える。みんな互いに健闘を讃えながら、ご褒美のバナナとトマトを頬張っている。上から少しだけ写真を撮り、そして下に降りた。
自分もトマトをいただく。美味しい。ようやく自分の気持ちの中にも、笑顔が出始めたようだ。知り合いの選手と挨拶を交わしながら、写真を撮らせてもらった。みんなの清々しい笑顔を見ているうちに、自分も少しだけ嬉しい気持ちになってきた。
最後のカーブの方まで降りて、上ってくる選手の応援に行く。視界の下方には、今上ってきたばかりのカーブがいくつか見える。小学生だろうか。一生懸命上ってくる姿が見えた。すごいなあ。小さい身体で。でもきっと、2〜3年もすれば自分を簡単に追い越してしまうだろう。
最後の選手をみんなで迎え入れる。お疲れ様でした。
明け方は曇っていたが、岩木山八合目は気持ちのいい青空だ。頂上もキレイに見える。最後の選手のゴールと同時に、選手が69のカーブを駆け下りていく。
みんな気持ちよさそうに、充実感たっぷりの笑顔で下りていく。自分もカメラをリュックにしまい、さっき上ってきたばかりの激坂を下ることにしました。
総合公園に戻り、バイクを車に仕舞います。カメラのレンズを望遠レンズに付け替えました。
さあ、カレーを食べに行こう。会場では、みんな美味しそうにカレーを食べています。
やがて、表彰式。リザルドも発表されました。自分の成績はもうダメなことはわかりきっています。当然、目標にしていた100位以内も叶わず、タイムも昨年より大幅にオーバー。しょうがありません。
脚が攣るってことは、自分にとってはハプニングではあるが、トラブルでもなんでもなく、単にチカラ不足。技術不足。練習不足。それだけのことです。
表彰式の後は抽選会が行われました。私も自分の店から、賞品を協賛していたので、テントの方に入り知り合いにカメラを向けます。私が撮った写真を喜んでくれる人が、ちょっとですが、いてくれて。それはやはり嬉しいです。
今後、自分が表彰台に上がることは絶対にありえませんが、このキツい岩木山の路を上りながら、みんなと健闘を称え合いながら、そしてヒルクラの写真を撮ることができたら。それはそれで幸せなことなのかもしれません。
2017の「ヒルクラ」も終わりました。正直、気が抜けて、夏に向けてもそんなに練習はしないだろうな。でもこれ以上、体重が増えないようにはしないと。来年は、さすがにこんな不甲斐ない今回の自分には勝たないとヤバいです。
今回のヒルクライム。レースの途中で脚が攣ったときは、どうしたらいいか少し勉強になりました。でもそれが活かされるようなレースはなるべくしたくありません(笑)
だって、これ、2回くらい攣りながら書いています。
ホントにお疲れ様でした。
5年ぶりに参加でしたが、本間さんのお声掛けがなければ見送っていたと思います。タイムはともかく、ぶじ生存確認できたことに喜びを感じております。
ありがとうございました!