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2018-05-19

『アイドル』と『ヒーロー』


今日は小学校の運動会の予定だった。でもこの雨。予想通り明日に延期となった。

娘も部活の予定がなく、私もこの雨ではロードは走れない…久しぶりに何も予定のない休日。宿題もやらずにピコピコやっている娘のiPadを覗き込む。なにやら、激しいゲームみたいなものをやっている。ああ、たぶん「スプラトゥーン」とかいうやつだな。なんかイカのおばけみたいのが、戦ってるやつ。  

 

今時のこういうゲームやら何やらは、あまり男とか女とか関係ないのだろうか。自分が小学生の頃は、男の子は外で野球や釣りなんかをして、うちの中ではプラモデルやマンガ本。ゲームといえば、野球盤や人生ゲームとかだった。女の子は何やってたんだろう。さすがに小学校高学年になるとままごとはしてなかったと思うけど、なんかリリアンとか手芸ぽいのが流行っていた気もする。

男女問わずにと言えば、やはりテレビだろう。アニメ、ヒーローもの、ドラマ、そして歌番組。ネットはもちろん無い時代なので、情報はほとんどがテレビからで、本といえば小学◎年生とか学研の科学とか、そのくらいしかなかった。

男の子はやはり「ウルトラマン」「仮面ライダー」「キカイダー」とかだったけど、高学年になると歌番組も見るようになった。まだ「ザ・ベストテン」はやってなかったと思うけど、月曜夜8時からの「紅白歌のベストテン」は家族で見てた気がする。

 

ちょうど1972~1973年にかけて、「新御三家」といわれた「西城秀樹・野口五郎・郷ひろみ」、そして「中三トリオ」といわれた「山口百恵・桜田淳子・森昌子」たちがデビューし、歌謡界はアイドル全盛の時代に突入した。その数年前にはグループサウンズ時代があって(ジュリーや堺正章など)、彼ら『アイドル』を熱狂的に崇拝するファンもいたようだが、やはり1972年あたりからデビューした『アイドル』が、一般的に市民権を得た気がする。

『アイドル』とは「偶像」「崇拝される人や物」などの意があるが、一般的には「芸能界などにおいて、歌ったり踊ったりし、多くのファンに支持される歌手やアーティスト」の意味で使われていて、それは今現在でも変わらない。少し前までなら「SMAP」や「モーニング娘。」だったろうし、今なら「嵐」や「AKB」とか…いや、それもちょっと古いのかも。よくわからん。

 

自分にとって『アイドル』というイメージは「松田聖子」かもしれない。年齢も一緒で、ちょうど自分が高校生の頃にデビューしているし『アイドル』としてリアリティがあったと思う。

「山口百恵」は、小学校高学年の自分にとっては妙に大人ぽすぎて、『アイドル』という感じはなかった。おそらく小学生の頃は同性の方に興味がいくというか(決してホ◎ではなく)、カッコいいものや人に憧れを抱いていたと思う。そういう意味では、自分にとっての『アイドル』は「西城秀樹」だった。いや『アイドル』というよりは『ヒーロー』と言ったほうが合っているかもしれない。同じく『ヒーロー』だった「王貞治」のように。とにかくカッコいい存在だった。

「郷ひろみ」は妙に女の子に人気があったようだが、どうもあの愛くるしい表情にくるくるパーマがお人形のようで、あまり好きになれなかった。しかし、今やこんなにエロカッコいいおやじになるとは…思ってもいなかったな。

「野口五郎」はカッコいいけど、やっぱり地味。歌も上手いけど、微妙に演歌だったしな。でも「カックラキン大放送」なんかで見せる、あのおとぼけぶりは誰よりもオモシろかったし、人間的には「五郎」が一番好きだったかもしれない(笑)

でもやはり小学生の自分にとってカッコいいのは「西城秀樹」だった。「ヒデキ」の歌で最も有名なのは「ヤングマン」「傷だらけのローラ」「情熱の嵐」「激しい恋」あたりだろうか。「激しい恋」は「やめろと言われても~(ヒデキー!)」が有名なフレーズになった。

 

 

しかし小学生だった自分が好きだったのは「薔薇の鎖」だった。外国のミュージシャンのような髪の長いスタイルに、胸をはだけてハスキーな声を張り上げて歌う。そして何といってもマイクスタンドを蹴り上げて歌うあのパフォーマンスはとにかくカッコよかった。自分も、スキーのときに使っていたストックをマイク替わりにして蹴り上げ、よく「ヒデキ」の真似をして歌っていた。

やがて、中学生になると「かぐや姫」や「井上陽水」を聴くようになり、高校生になると「松山千春」や「オフコース」を聴き、そして大学生になった若者は「山下達郎」や「佐野元春」を聴くようになった。そんな若者にとって「西城秀樹」は、カレーのCMに出てくる一昔前の『アイドル』だった。

 

そんな一昔前の『アイドル』がこの世を去った。

でも、小学生だった頃の自分にとって「ヒデキ」は確かに『アイドル』いや『ヒーロー』だったし、「歌うことのカッコよさ」を教えてくれたのは「ヒデキ」だったかもしれない。

「AKB48」にはまる40代や50代のおっさんもいれば、「韓流スター」の虜になるおば様方もいる。だから『アイドル』は同年代のこともあれば、歳下のこともあるけれど、『ヒーロー』は、やはりスポーツやいろんな競技における「伝説のスーパースター」だったり、音楽や芸術の世界で誰もやらないようなことをやってしまう「伝説のアーティスト」だったりする。だから『ヒーロー』は自分より歳上なのだ。もちろん長生きされている『ヒーロー』の方々もたくさんいるけれど、やはり自分より先に逝ってしまうことの方が多い。

そんな自分達に取っての『ヒーロー』が逝ってしまうかわりに、自分自身が誰かの『ヒーロー』になれればいいのだろうが、どう思い返してもそんな人生を歩んできていないのは明らかである。

 

明日は晴れの予報だ。でも今日一日雨が降り続くと、明日もできるかどうかは微妙なところだ。

走るのが苦手な娘は「このまま中止になればいいのにな」なんて言っている。逃げ足は早かったはずなのに、競技となると最初から諦めてしまうのか全力で走らないようだ。だから「ビリッケツでもいいから、とにかく全力で走ってこい!」と言った。

 

小学1年生のときの50m走


 

おそらく一番最後にゴールするかもしれない『アイドル』に向かって「お〜走ってる姿、カッコいがったや!」と言ってあげられる心優しい『ヒーロー』になれるよう努力しよう。

 


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