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2019-03-29

【 声楽アンサンブルコンテスト全国大会2019 】 福島市音楽堂 その2


3月23日の朝5時。さほど緊張しているつもりはなかったが、目が覚めてしまった。

そういえば、昨夜は決起集会で盛り上がった後、「福島なら餃子を食べよう!」ということになり、二次会へ繰り出したのだった。宇都宮ならわかるが、福島の餃子が有名なのは知らなかった。

コンクールで日本各地に行き、それぞれの郷土料理を堪能できるのも楽しみの一つかもしれないが、それを味わうためには県大会で最高の成績を収めなければならぬ…というのもなんともなんとも。

それにしても、本番の前日に二次会まで行き、しかも餃子をたらふく食べるというのは信じ難い行為かもしれない。本番のステージが餃子のにほひで充満しないか心配である。

余談ではあるが、メンバー7人ほどで入店した餃子店。少し胡椒の効いた美味しい餃子であった。みんなでしこたま食べ、ビールやチューハイを飲み、いざ会計をして驚愕!4800円ほどだった。一人あたりではない。合計の額である。間違いではと思い確認したが、確かにその金額だった。ぜひ、また福島に行く機会があれば行ってみたい店だ。が、店名はすでに失念している。

………………………………………………………

福島駅のすぐ近くのホテルに宿を取っていた。待ち合わせのロビーには私が一番乗りだった。完全に寝不足だった。本番は16時。まだ先は長い。

メンバーのみんなも若干眠そうな表情でロビーに下りてきた。幸い、餃子のにほひはヒドくはなさそうだった。

午前中、2ヶ所で1時間くらいずつ練習をする。あまり声を出しすぎると本番まで持たないので加減をしながら歌う。T野さんから「ベース低い!」と指摘を受ける。とくに朝方のベースは音程が悪い。「ベース、まだ低い!」何度も言われる。この光景は35年前の大学の頃と、なんら変わらない。

なんとなく練習の出来もパッとしないまま、本番の会場である「福島市音楽堂」へ向かった。メンバーのほとんどは、何度かここで歌っているが、私は初めてだった。音楽堂の外観は初めて見たが、思っていた以上に古い建物の印象だ。

すでに本番の衣装に着替えていたので、そのまま昼食会場へ向かう。広いスペースに多くの団体が待機して、昼食を取っていた。思いの外、子供たちがたくさんいた。そういえば、出場数は少ないが「小学校の部」も今日はあるらしい。また、「一般の部」にも小中高が混じった団体が出場するようだ。



目の前に置かれた弁当は「アンコン仕様」だった。プログラムを見ながら弁当を食べる。「一般の部」は35団体が出場する。「みち銀男声」は22番目だった。演奏までは時間があるので、昼食の後は少しだけ演奏を聴くことにした。

大ホールに入ると、何度か写真で見たことのあるステージが目の前にあった。存在感がありすぎる巨大なパイプオルガン。壁は無数のタイルで覆われている。残響音がすごいと言われている理由もわかる気がした。

前半の8団体ほどを聴いた。やはり全国大会に来るだけあって、どの団体も素晴らしい演奏をしていたが、千葉の「ばちコラ」というアンサンブルの演奏は群を抜いていた。難しい現代曲を見事に歌い上げていた。

ロビーに出て集合場所に向かう。あとは誘導係についていくだけだ。リハーサルを2回行い、私たちはステージの袖についた。ひとつ前の団体の歌っている様子が見える。ステージ袖の数分間というのもまた、なんとも言えない時間だ。

私たちの演奏の番がきた。最初の曲は、各パートがランダムに並んで歌う。私は3番目にステージに入った。みんなでT野さんを囲むようにして半弧を描いた。

1曲目「Ubi Caritas」  最初はトップテノールからの入り。今回は大輔くんもメンバーとして加わってくれた。彼の芯のある声がテノールの音を創る。その後、ユニゾンでベースも加わる。大きな声はいらない。素直な響きと、正確な音程が求められた。

男声合唱特有のハーモニーが会場に響いている。しかし歌っている本人は、それがどのくらいの出来であるのかがよくわからない。久しぶりのコンクールステージで知らぬうちに緊張していたのだろう。

2曲目「Ave Maria」  「Ave Maria」はシューベルトをはじめ、歴代の有名音楽家が作曲している。「Ave Maria」に限らず多くの宗教曲は、もともとは中世の教会音楽として歌われていた賛美歌やミサ曲、レクイエムであるが、その時代その時代の音楽家が、ひとつの宗教的芸術音楽として作曲している。それが数百年経った現代でも続いているのだ。

近代・現代の宗教曲は、主たる旋律は昔からのものをモティーフとして使うこともあるが、全体の音の構成は難度が高く、今回の「Joshua Himes」作曲による「Ave Maria」も終始、音がぶつかり合っている。「レミファソ」など和音とは呼べなさそうな音の構成もあり、出している自分の音が合っているのかどうかもわからない…という箇所がいくつもあった。

しかし、その難しいハーモニーが宗教曲の美しさをより際立たせる。昨年末に楽譜をいただいてから、何十回と聴いてきたこの曲。その曲を自分がこの音楽堂で歌っている。それだけでこのわずかな時間は至福の時間であった。


演奏を終えたあと、「一緒に歌ってくれてありがとう」とT野さんが握手を求めてきた。こういう熱いアプローチがT野さんらしい。きっとメンバーの誰もが、彼のそんなところに惹かれているのかもしれない。

私は大輔くんと一緒に音楽堂の外に出て記念の写真を撮った。



再びホールの中に入り、10団体ほどの演奏を聴いた。長時間にわたるすべての演奏が終了した。あとは審査の結果を待つだけだ。

私は他のメンバーから少しだけ離れたところに座り、ステージを見つめた。

その3へ続く👉【声楽アンサンブルコンテスト2019】福島市音楽堂 その3



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