toggle
2019-09-09

「きっと いいこと まっている」 / Nコン東北大会を終えて


 

いつものように、バスの一番後部座席に座って、窓の外を流れる風景を眺めていた。

昨年、一昨年は、虚無感というほどの虚しさではないが、なにか心にぽっかりと穴があいたような気持ちで帰ってきた。

今年は違っていた。ほんとうはもっと違うのかと思っていた。が、ほんの少しだけ違っていた。

いつもとは違う嬉しさがあったし、もう少し上に行けなかった悔しさもあった。

でもやっぱり、なにか心にぽっかりと穴があいたような気持ちは、いつもと同じようにあったのだ。

 

名取市文化会館

 

「それでは、銅賞から発表します!」

1校目は一緒に県大会を抜けた青森市の学校だった。「おお、そうか入賞したか…」そう思いながら、心の準備もないまま、いきなり

「2校目は、弘前市立和徳小学校!」

とコールされる。

私の前に座っていた子どもたちは、少しあっけにとられたような表情をしていた。おそらく子どもたちも心の準備ができていなかったのかもしれない。

しかし、私はすぐに身体をかがめて、一人で小さくガッツポーズをした。

なにかの呪縛から解かれたような、なんとも言えない気持ちになった。

そのあと、会場では上位校の発表が続いていたが、ほとんど耳には入ってこなかった。

  

 

わたしは こねこ  なまえは チッチ

うまれはしらない  すみかはいろいろ

ひとりで あそんで  ひとりで おしゃべり

ときどき たいくつ  しっぽを ぱたぱた

もんくはないけど ちょっぴりさびしい

そんなときは うえをむき  空のむこうへ 口笛とばす

ニャゴニャゴマジコ ニャゴマジコ

 

とたんに からだは矢印に  

ぴーんと せのびの のらねこポーズ

かぜが みみを くすぐって

きれいなこえで ささやいた

きっと いいこと まっている

きっと いいこと まっている

( 課題曲「わたしは こねこ」1番歌詞より )

 

昨年の秋にウチにやってきた子猫のティティ。

動物を怖がり触ることのできなかった娘が、今ではいつも一緒にいる。ティティという名前が、課題曲に登場する「チッチ」と重なったのだろうか。

この課題曲に対する娘の気持ちは、人一倍強かったようだ。

 

6年生の娘にとって、最後のNコン東北大会で、初めての入賞。

「きっと いいこと」は、待っていた。

 

2019年NHKコンクール 東北大会 和徳小学校合唱部 課題曲「わたしは こねこ」より

ぜひ、ヘッドホン、またはイヤホンでお聴きください

* 映像のネコは、もはや子ネコとは言えなくなった「ティティ」です。

 

この日、東北地方は季節外れの猛暑で、弘前は35.4度に達し、9月の観測至上最高を更新したらしい。

夜20時。子どもたちを乗せたバスが、まだ暑さの残る弘前の街に入る。

警備員のいない日曜日の学校は真っ暗になっている…はずだったが、子どもたちを迎えに来た何台もの車が、幾度となくヘッドライトを点滅させていた。

 


スポンサーリンク
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です