令和元年 大晦日
明け方、津軽の大晦日にしては珍しく雨が降っていた。
しかし予報によると昼からは雪に変わるらしい。
「雨は夜更け過ぎに〜雪へと変わるだろう〜オオォ🎵」 一瞬、達郎の歌が頭をよぎるが、そんなロマンチックなものではない。
昼近くまで寝入っていた。ふと、外をみると予想通り雪になっている。
軽く昼飯を食べた後、雪かきをした。今日降ったのはまだ2〜3cmであるが、先日50cmほど積もった雪の残骸が、敷地の半分を占拠していた。
やれるときにやっておかないと、いつドカ雪に見舞われるかわからぬ。雪の残骸を、敷地の端の方へ持ってく作業をすることにした。
一度、どかした雪をさらに別な場所へ持って行くなど、傍目にはかなり虚しい作業に見えるだろう。いや、やっている自分も虚しいのだ。
でもそうやって雪の捨て場を作っておかないと、あとで辛い目にあう。この感覚は雪の少ない地域の人にはわからない。
雨で水気を含んだ雪の塊は重い。
先日寄せた雪の塊を、さらにスノーダンプに積み、敷地の奥の方へひたすら運んだ。それなりにコツも要るし、多少頭も使う作業だが、でも9割は単純なチカラ作業である。
ひたすら黙々と雪の塊を敷地の奥の方へ運んだ。何十往復も運んだ。
予報では午後からは曇りになっていたが、相変わらず雪は降り続いていた。最近の天気予報は精度が高くなっているのか、数時間ごとに予報が変わる。でも、ころころ予報が変わるのって、予報と言えるのだろうか。
まあ、そんなことはどうでもよい。
ゴアテックスのアウターは、水分を含んた雪でビショビショになっていた。中に来ているスウェットパーカは汗でビショビショになっていた。
2時間近く、黙々と作業をしていたが、気がつくと雪かきをしたアスファルトの上に、雪が5cmほど積もっていた。
雪かきが終わったと思ったら、雪が積もっている。なんと虚しい作業に映ることだろう。いや、やっている自分はもっと虚しいのだ。
でも、これをやっておかないとあとでもっと辛い目にあう。この感覚は、雪の少ない地域の人にはわからない。
次に待ち受けている仕事をスムーズにこなすために、今のうちに地道な仕事を片付けておく。スマートな仕事をしている人は、きっと見えないところで苦労しているのだろう。
それは、仕事だけでなく、好きな趣味を楽しむためにも、また家族や友人と楽しい時間を過ごすためにも。すべてにおいて大切なことなのかもしれない。
とてもスマートな生き方をしているとは言えない自分であるが、雪かきをしながらふと思う。
いや、しかし。
別にスマートな生き方ができなくても、雪かきはしないといけないのだ。

ゴロゴロしているだけでは、身体がナマってしまう大晦日。
雪かきをして、身体も気持ちもさっぱりしたら、すでに暗くなりかけている。
さて、年越しの酒を飲むとしよう。
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