涙をながした「6年生を送る会」
三日続けてブログを書くことは稀だったが、三日続けて「雪」のことを書くのは、今後もないだろう。
それだけ凄い雪だったし、身体中のギシギシがそれを物語っている。仕事中、立っていても寝そうだった。
日曜日は、朝&夕と雪かき三昧の1日だったが、その雪かきの間に「6年生を送る会」が行われた日でもあった。
小学校のすぐ隣にある「弘前プラザホテル」で、毎年行われている。私はいつものように撮影係になっていたので、子どもたちよりも一足先に会場へ向かった。
会場には、子どもたちのテーブルが3つ、先生や父母の方々のテーブルが3つ。小さな結婚式でも開かれるような感じで、丸いテーブルが並んでいる。テーブルには、鶴・亀や松・竹・梅ではなく、合唱部らしく、ファ・ソ・ラと音階が並んでいた。
プログラムもきちんと印刷されたものが用意されていて本格的。父母会がお手伝いをするとはいえ、司会や段取りなど子どもたち主導で行われる。
10時半になり、子どもたちと先生が会場にやってきた。みんな、いつもよりちょっとお洒落なスタイル。外は豪雪で、みな長靴やスノーブーツなので、受付でステージ用の黒いスニーカーに履き替えた。
今回は父母の方々の参加も多い。顧問の先生が、今年度で定年退職…というのもあるのかもしれない。
みなが席に着き、5年生の女の子二人による司会で「6年生を送る会」が始まった。
真ん中のステージ前のテーブル席に6年生が座っている。
その中には娘もいた。
4年生になったとき、娘はどの部にも入っていなかった。部活は必須ではなかったが、4年生になると何かの部に入る子が増える。
スポーツが苦手だった娘は、合唱部に入りたかったようだ。歌が好きだったのかよく覚えていないが、すでに何人かの友達が合唱部に入っていたのがきっかけになったのだろう。
4年生のとき、こんな作文を書いていた。

私自身、歌を歌っていたので、娘が合唱部に入りたいと言ってくれたときは、とても嬉しかった。が、長続きするとは限らない。しばらくの間は、黙って様子を見ていた。
顧問のH先生は、前任校から含めて輝かしい成績を残していた。それだけに、なかなか練習も厳しい。おそらく、弘前辺りの文科系部では最も厳しいのではないだろうか。
それでも、部を辞める子はほとんどいない。今年度に限っては、半数が2〜3年生の新入部員だったが、誰一人辞めることはなかった。それだけH先生のことを皆好きなのだろう。
指導が厳しいと何かとクレームをつける保護者はどこにでもいる。故に、そこそこの指導にとどめておく先生も多いだろうし、率先して部活を持つ先生も減ったと聞く。
だから、合唱部でのこの3年間は、娘の人生にとっても貴重な経験になったはずだ。うまく歌えずに涙を流したり、金賞を受賞して涙を流したり。とても素敵な時間を味わったと思う。
子どもたちによるレパートリー曲が披露されたあと、テーブルには美味しそうな料理が並んだ。私は、各テーブルを回って子どもたちの笑顔を撮った。
やがて、父母会による出し物「イントロクイズ」が始まった。娘の親友Sちゃんのお父さんが、音源から映像まで完璧に作ってきてくれていた。
イントロが「タリラリラ〜」と流れると「ハイ!ハイ!ハイ!」と子どもたちが手を挙げる。けっこうみんな知ってるもんだなあ。私はほとんどわからなかった。
正解すると、その曲が流れ始める。直後、子どもたちから「キャー!」と声が上がる。歌は父母の誰かが歌うのだ。普段は聴く側にいる父母の方々も、少々緊張した面持ちだ。
6曲目。子どもたちには馴染みがなさそうな曲が流れる。しばし沈黙。6年生の女の子が手を挙げた。「千の風になって!です!」「正解〜!」
私はマイクを片手にステージへと上がった。子どもたちの爆笑めいた声が聴こえてくる。カラオケとはいえ、カラオケの機械を使っていないので、キーはオリジナルのまま。た、高い。
「千の風になって〜♬」 声がひっくり返りそうになったが、なんとか歌い終えた。何度か子どもたちのボイストレーニングの指導に行ったけど、自分がもっとトレーニングしなきゃ。
後半、6年生ひとりひとりによる挨拶があった。
「将来にいかせることを、たくさんもらえることができました」 娘は泣きそうになるのを堪えながら、紙に用意してきた言葉を一生懸命読んでいた。
いつも娘と一緒にアニメを描いていた子がいた。彼女の言葉には、思わず涙が出た。
「合唱部には、私の居場所がありました。卒業することによって、その居場所がなくなってしまうのが、とても寂しいです」 彼女はそう言って泣き崩れた。父母の誰もが涙を流していた。

最後に顧問の先生から子どもたちへの言葉があった。
「13人で始まった今年の合唱部。私は、コンクールに出ることを諦めていました。でも6年生のみんなは、賞に入らなくてもいいから出たいと言ってくれました。だから、県大会での金賞は、今までのどの金賞よりも嬉しかったです」
今年度がおそらく最後のコンクールになる…そういう思いもあったのだろう。そして、子どもたちに向けて、最後の言葉があった。
「いつでも『ありがとう』と、感謝の気持ちを伝えられる人になってください」
後輩たちがつくるアーチをくぐり抜け、笑いながら、そして泣きながら、6年生は未来へ旅立っていった。
はじめまして!
3児の母、じゅんこと申します。
弘前市出身、和徳小学校と第一中学校で合唱部に所属しており、「和徳小学校合唱部」で検索して、ferokieさんのブログに出会い、2年位前から時々拝見しておりました。
和徳小合唱部の活躍が本当に素晴らしくて、ずっと応援していました!
顧問の先生、定年退職されるのですね…
小沢小の顧問をされていた頃から、すごい先生が弘前にいらっしゃるんだな~と思っておりました。
定年退職、残念ですね…
娘さん、合唱部での経験、一生の宝物だと思います!
あと少しの小学校生活、楽しく過ごせると良いですね!
突然のコメント、失礼いたしました。
これからも、時々ブログ拝見させていただきますね。