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2020-02-16

【 新一年生おめでとう大会 】〜あのときの記憶〜


 

久しぶりに訪れた弘前市民会館。

前川國男が設計したこの建築は、いつ訪れても気持ちが良い。気持ちが高ぶるのだけど、なぜか落ち着く。大学時代、毎年この大ホールで歌っていた記憶があるからだろうか。

 

この土曜日、和徳小合唱部の今年度最後の大きなステージがあった。

この春、新しく一年生になる子どもたちをお祝いする【 新一年生おめでとう大会 】という、陸奥新報社主催のイベントである。前半はお巡りさんやたか丸くんたちによる交通安全指導、後半が合唱部によるステージだった。

 

ステージ袖のたか丸くん

 

コンクールをはじめ、これまで大きな舞台で経験を積んできた子どもたち。合唱はもちろん、寸劇の出来も表現力たっぷりで素晴らしかった。

引率した自分も、少しだけステージでお手伝い。童謡メドレーの「鯉のぼり」で、子どもたち手作りの鯉のぼりを高々と泳がせる役。新一年生を前に、髭面のおっさんが鯉のぼりを泳がせる姿は異様だったかもしれない(汗)

 

最後の合唱は、『となりのトトロ』のテーマ「さんぽ」 

「歩こう〜♪歩こう〜♪」と歌が始まるやいなや、会場で聴いていた小さな子どもたちが皆、一斉に歌い始めた。思わず胸が熱くなった。

無垢な子どもたちの歌声を聴いて、娘が小学校に入学した頃を思い出した。

 

ピンクのランドセルを背負い、白いタイツに赤い靴。初々しい笑顔で登校していくときの表情は、今でもはっきりと憶えている。

それは、数多くの写真が手元にあるからだ。年老いていく脳にとっても、写真は記憶をとどめておく大切な存在である。

 

ただ、残念ながら、あの頃どんな会話をしていたのかは、よく憶えていない。

同じような会話をしてきた日常の連続であったが、今現在、iPadに向かって何かを話している娘と、6年前どんな会話をしていたのだろうか。

過去を鮮明に思い出すために、写真や映像を撮ったり日記を書いたりするのもいいが、忘れたからといって何も問題はない。忘れることができるのは人間の特権である。

 

 

あの白いタイツに赤い靴を履いていた娘が、この春一年生になる子どもたちに向かって歌を歌っている。

特に感無量ということではなく、ただ、淡々とこうして時間(トキ)が流れていることを実感する。そして自分も老いていく。

 

「総監督から一言お願いします!」

ステージが終了し、顧問の先生が私に向かって言った。総監督なんて言われるようなことは、何もやっていなかったが、そのように言われるような役回りになっているようだ。

「素晴らしかったです!」 

私は、子どもたちを目の前にして、一言だけ言った。

 

自宅に帰ると、娘はさっそくiPadをピコピコし始めた。さっきまで感動的なステージに立っていたのが、まるで嘘のように。

おそらく一年も経てば、今日のことも忘れているかもしれない。

でも、それでいいのだ。忘れるのは人間の特権だ。

 

 

 


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