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2020-03-08

ツール・ド・ツガル / 雪のない西目屋を走る


 

2週間の休校も半ば。

自宅でだらだらするのも飽きる頃だろうな…というこちらの気持ちをよそに、娘は毎日ピコピコと楽しそうだ。数人の友達と会話をしながら、なんかのゲームをやっているらしく、特別寂しさも感じないみたい。

仕事が休みだったので、気晴らしにどっか連れ出そうとも思ったが、学校からは「不要不急の外出は控えてほしい」と言われている。自分自身も少し風邪気味だったので、結局のところ二人とも10時過ぎまでゴロゴロ布団に入っていた。

 

例のコロナウィルスの影響で、うかつに人前で咳もできない昨今だが、毎年この時期になると、鼻の奥がつまり始める。これも花粉症の一種なのだろうか。

「風邪をひいた時は、安静にしているのが良い」というのが一般的だけど、鼻がつまるくらいの症状であれば、自分の場合、少し体を動かした方が回復が早い。

以前、ネットで調べてみたことがあるが、風邪のひき始めに軽い運動をすると、ウィルスと戦う免疫細胞でもある「NK細胞」というのが活性化し、体内に侵入したウィルスを撃退する効果がアップするのだそうだ。

 

「軽い運動」とはどのくらいの運動がいいのだろうか。私は、サイクルジャージに身を包み、メッセンジャーにX100Fを入れ、岩木山の方に向かって走り始めた。

2020年、二度目のライド。雪の少ないこの春、最初のライドは岩木山神社までだったが、今日は「軽い運動」ということで、西目屋まで走ることにした。距離は神社までよりも少し長いが、坂はほとんどない。

雲ひとつない空。岩木川沿いを走る。

 

いつものところ 1

この岩木川河川敷は雪の捨て場所になっており、数メートルの雪山がまだまだ残っているのが、いつもの3月の風景である。しかし、全く雪はない。

東目屋が近くなると、山の斜面の影になっているところには、まだ雪が残っている。

 

いつものところ 2

目屋に向かう道は、岩木山が隠れたり、再び顔を出したりを繰り返す。その度に、ほんの少しだけ岩木山は形を変えていく。

 

岩木川

左側を流れる岩木川も、雪解けの水を湛えているのだろうか、水量は多い。が、本来の雪解けの時期に比べると遥かに少ないように見える。

雪解けの水は少ないと、それはそれで米作りに大きな影響があるのだそうだ。

 

いつものところ 3

ここから観る岩木山は美しい。田んぼにはまだ少しだけ雪が残っていた。

ここでカメラを構えていたら、ちょうど一人のチャリダーが向こうから走ってきた。私と同じくらいの年齢の方だろうか。私の方を見ると、笑顔で挨拶をしてくれた。

若いチャリダーはクールに走り過ぎることが多いけれど、オッさんチャリダーになると、だいたいの方が挨拶をしてくれる。年齢を重ねると皆、「ストイックに練習」というよりは「ツーリングを楽しむ」という感じなのだろう。

 

しばらく走ると、再び向こうからチャリダーが走ってきた。

かなり先の方から、私に向かって手を振ってきた。(ん?知り合いかな?)と思ったが、距離があってよくわからない。

だんだん近づいてくる。彼はいっそう大きく手を振っている。(ん〜誰だかよくわかんないけど、多分知り合いなんだ)そう思い、私も手を振った。

すれ違いざまに、彼は私の顔を見て、ニコッと笑顔を浮かべながら手を振って走り去った。私も(誰だろ?)と思い、彼の顔をよく見たが、結局誰だかわからなかった。

これは、ツーリングをしていればよくあることだが、お互い笑顔で挨拶をして気分がよくなる反面、(誰だったのかな〜)という変にモヤモヤした気持ちで、そのあと走ることになったりするのだ。

 

西目屋に向かう旧道に入る。

左手に見えるいつもの田園風景。この風景が見たくてここを走る。幸いまだ雪に覆われていた。

 

いつものところ 4

田園に立つ一本の電柱が、まだ残る雪原に一本の影を落としていた。

 

ここからは5分ほどペダルを回すと、道の駅に着く。

田畑に雪は残っているが、西目屋の道にも雪は全くなかった。

 

道の駅向かいのビジターセンターより岩木山を望む

道の駅「ビーチにしめや」に着くと、意外にも多くの人が訪れていた。やはり、雪が少ないせいだろうか。陰鬱とした世の中から逃げ出したい人が多いのかもしれない。

私は、スポーツドリンクを買って喉を潤した。

身体全体がじっとりと汗をかくと、鼻の奥も汗をかきどんどん鼻水が出てくる。そうすると鼻の中が気持ちよく通ってくるのだ。

そういう意味でもこのくらいの「軽い運動」は、風邪のひき始めには良さそうだ。家の中に閉じこもってばかりだと免疫力も下がるばかり。

スポーツドリンクをグビッと飲み干して、来た道と同じ道を走り始めた。

いつもなら復路は走りやすいバイパスを走るが、今日はなんとなく旧道の気分だった。

 

旧道沿い。総木板張りの倉庫。

ほんの少しだけ下り坂になる帰り道。

ギヤをアウターに入れて、ゆっくりとペダルを回した。

時に何も考えずに、ゆっくりと走る。それもまた良し。

 

でも、ひとつだけ気になることがある。

さっきの大きく手を振ってくれた彼は、いったい誰だったんだろうか。

気になる。

 

 


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コメント2件

  •     成田専蔵がビーチにしめやに開いた店の炭焼きコーヒーは美味しいです

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