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2020-04-16

ツール・ド・ツガル / 「酸ヶ湯温泉」へ向カウ


 

衛星放送が映らなくなっていた。

アンテナの調子が良くないのだろうが、どうも高いところは苦手だ。昼前に電気屋が来た。

アンテナをチェックした電気屋の話では、アンテナの受信状況はバッチリとのことだった。ただ、プラグのカバーが外れかけていて、台風や大雪のときに、その中に水が入り込み不具合を起こすらしい。

アンテナの交換も覚悟していたが、30分ほどで修理は終わってしまった。

思いがけず、時間ができた。空は青い。よし、走ろう。

 

黒石の温湯を起点にして酸ヶ湯へ向かった。4月に酸ヶ湯へ向かう路を走った記憶はない。いつもであればGW直後、南八甲田に桜が咲く頃に走っていた。

この冬は記録的な少雪シーズンだった。アメダスでは酸ヶ湯の積雪は250cmほどだったが、おそらく路面は大丈夫だろう。

 

少し風は強いが、空は青く空気がうまい。ここ最近はマスクをしていることが多かった。山の新鮮な空気を、思いっきり吸うことができるのは幸せなことだ。

「不要不急」の外出自粛が言われている昨今だが、山の中を独りで走るのは「身体を整える」「心肺を鍛える」「気持ちをリフレッシュさせる」という意味で、自分にとっては「急」ではないが十分「要」なのだ。

とくに「肺」は鍛えておきたい。私は走りながら歌を歌った。周りには家々もない。道を歩く人もいない。思いっきりブレスをして大きな声を出しながら走った。

 

酸ヶ湯へ向かう路は、勾配10%ほどの急坂が数回現れる。キツい坂を上っていることを意識しすぎると、気持ちもキツくなってくる。

そんな時はちょうどその坂を上りきれるくらいの歌を歌う。歌い終わる頃には、坂も終わる。

そんなに都合よくはいかないが、黙々と上るよりは良い。ただ、歌を聴いて「お、人間がいるぞ」と、冬眠から覚めた熊が出てくるのではと不安がよぎる。

九十九折のトンネルを越えると、視界の向こうに美しい風景が広がった。

 

空が青い

 

ここから再び長い激坂が続く。道の両脇に残雪も現れ始めた。

この長い坂を上りきると防雪のシェルターがあり、そのシェルターを越えると「八甲田のわき水」がある。この「八甲田のわき水」まで来ると、文字通り峠を越えた気持ちになる。

 

八甲田のわき水

 

ごくごくと湧き水で喉を潤し、しばし休憩。

昨年から、全く走り込みできていなかったわりには、途中で挫折することなく激坂を上り切れた。ゆっくりなので予定よりは時間がかかっているが、タイムはあまり気にしていない。

今年の「チャレンジヒルクライム岩木山」も中止になった。昨年は、仕事があって(正直に言えば全く走れてなかったので)ヒルクラに参加できなかった。2年続けて、スカイラインを走れないことになってしまった。

果たしてこの先、あのキツすぎるレースに挑むことはあるのだろうか。

 

目の前が開け、遥か向こうに「岩木山」の姿があった。

 

津軽富士

  

この日の「岩木山」はいつもより大きく見えた。

「城ヶ倉大橋」の歩道にはロープが張られていた。あちこちから聞こえてくる中国語はもちろんない。今年のGWは、どんな光景になっているのだろう。

城ヶ倉を越えると、道の両側の雪壁がいきなり高くなり始めた。

 

雪壁と青い空の美しいコントラスト

 

高い雪壁の向こうには、美しいブナ林が広がっている。

この雪壁を走り抜けると、「酸ヶ湯温泉」が見えてくる。左足に少し違和感が出始めていたが、酸ヶ湯まではあと3kmほどだ。

 

年明けから、得体の知れぬウイルスによって、世界中がパニックになっている。日本も例外ではない。

「酸ヶ湯温泉」も、来週からしばらくの間休業するというニュースを聞いた。

 

美しき八甲田

青い空をバックに真白き八甲田山が姿を現わすと、つ〜んと硫黄の匂いがした。

今回はあの有名な「千人風呂」に、ゆったりと浸かることにしよう。

 

訪湯記は次回 → 「ツール・ド・ツガル / 「酸ヶ湯温泉」ノ『千人風呂』ニ浸カル」

 

 


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