toggle
2020-07-07

八戸の夜は更けて


 

2日続けて昼にラーメンを食べるという失態…いや、至福を堪能した八戸だったが、久しぶりの泊まりということで、夜の街にも繰り出してみることにした。

夕方、店のスタッフに「夜、一人で軽く飯を食うなら、どっかいいとこある?」と尋ねてみた。

数人で飲み食いするのなら、八戸の美味しい海の幸を味わえる店もあるらしい。しかし、一人で晩飯となると、彼らも思いつかないようだ。二人とも家庭があるし、外で一人飲みながら飯を食う機会もないだろうから、しょうがない。

私自身も、カウンターで独りしっぽりと飲む。カウンター越しに店の人と話をしながら美味しい肴をつまむ。とかは、あまり得意ではない。きっと飲みながらスマホを見てしまうのが関の山。

 

若いスタッフのMくんが言った。

「『おかげさん』ていう店、どうですか?」

ホテルからも歩いていける距離にある、小料理の店らしい。

「たぶん、定食みたいなのもあると思うし、噂によると熟女が二人でやってるらしいですよ」と言った。

(なぬ?熟女とな!)

それは気になる。いやいや、熟女とはいっても誰も美女とは言ってはおらぬ。騙されてはいけない。でも気になる。

 

「ちょっと街の様子を見てくるわ」

(事前に熟女の店を確かめにいくんだべな?) 

後輩スタッフの怪訝な目を背後に感じながら、私は夕暮れに染まり始めた八戸の繁華街を歩いてみることにした。

18時を過ぎた八戸の繁華街(六日町〜十六日町界隈)は、思っていた以上に人が出ていた。

前回訪れたときは、新型コロナの影響がモロだったので、夜の街は静まり返っていた。今現在も、また第2波がくるのではと言われているが、意外にも街は賑わっていた。

 

カメラを持ってきていなかったので、スマホで夕暮れの街の様子を撮ってみる。

八戸は弘前以上に商業施設が郊外に多く、日中の中心街は昔に比べると人通りがめっきり少なくなった。それでもやはり夜が近づくにつれ、街は賑わいを見せ始める。

 

趣のある酒屋

 

「口一丁れんさ街」(ろうちょうと読む)

 

大きな通りと並行して、小さな路地には個性的な店がごちゃごちゃと並んでいた。

「口一丁れんさ街」は電線が絡み合い、路地の雑然とした雰囲気を演出している。

写真(とくに風景写真)を撮る人の中には、よく「電線がジャマだ」と言う人がいるけど、自分はごちゃごちゃした電線大好きです。

 

路地の先に「おかげさん」の看板が見えた。どうやら開店の準備をしているらしい。入り口からチラと中を覗くと、件の熟女と思われる女性がカウンターにいた。

「あら〜お兄さん!いらっしゃい〜!一杯やってって〜」

と、強引に店内に連れ込まれたらヤバいヤバいと思い、私は早足で店の前を通り過ぎた。(もちろんそんな呼び込みはないし、とても料理が美味しい人気のお店だそうです)

 

やっぱり一人なら、どっかで軽く定食を食べて、ホテルへ帰るのが良さそうだ。けど、夜でもやってる食堂って案外ないんだよなあ。

と、プラプラ歩いていたら、いきなり目の前にスゴい店が現れた。

 

「南部屋食堂」

 

(こ、これは…渋すぎる…)

まずは建物の外観そのものが、なんかスゴい。そして、あまりにも年季の入りすぎた暖簾は店先に出てはいたが、はたして営業しているのだろうか。

暖簾の上に「南部屋食堂」の文字が見えた。

いきなり、ここを攻める勇気はなかった。が、後から検索してみたら、しっかり「食べログ」でも紹介されているお店で、どうやら「激シブ」を好み方々には随分と人気のある店らしい。ぜひとも次回チャレンジしてみたい。

 

暮れかかった八戸の繁華街を歩いてみたが、思っていた以上に興味をそそる小路があった。

女優の吉永小百合が、JR東日本のCMロケをしたという「たぬき小路」も、オモシロそうな店が軒を連ねている。大学生らしい若い子がギターで弾き語りをしながら、撮影をしていた。YouTubeにでもUPするのだろうか。

でもやはり夜の街を味わうには、暖簾をくぐり、じっくりとお酒を味わうに限るわけだが、ただ今のこのご時世、なんとなくじっくりという気分にはなれず。

今回は、なんとか熟女の誘惑に負けずに済んだけれど、世の中がもう少し落ち着いたら素直にカウンターで呑んでみようかしら。

 

店に戻り、熟女の店を断念したことをスタッフに伝えると、笑いながら店長のO君が言った。

『ジャッキー』どうですか? 昔の喫茶みたいな食堂ですけど、カツカレーが美味いって聞いたことありますよ」

『ジャッキー』とな。なんともジャンキーな名前だ。

 

夏至からまだ数日しか経っていなかったが、八戸の夜は更けはじめていた。いざ。

 

  


スポンサーリンク
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です