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2020-10-20

silent town


 

心なしか、街が静かだ。でも、それは気のせいかもしれない。

心なしか、人が無口だ。それも、気のせいかもしれない。

 

人間、70〜80年も生きていれば、いろいろなことがあるだろう。

私たちの親世代であれば、戦争を経験している。

私たちは随分と景気の良い時代を過ごしてきたが、10年前には大震災を経験した。

人間、70〜80年も生きていれば、「50年に一度の災害」というものにも遭遇するだろう。

 

今、世の中で起きていることは、何十年に一度の出来事なのだろうか。

今、私たちの街で起こっていることは、何百年に一度の出来事なのだろうか。

 

ふと気づくと、やはり自分自身も少し無口になっているような気がする。気のせいではない。

何か言いたいことが心の中にある。

何かを書き記したいことが、指先にある。

でも、指はなかなか動かない。

 

 

弘前公園

 

 

紅や黄に染まった色が、八甲田から津軽平野に下り始めてきた。

この秋の弘前公園は、春のときと同じように静かに時を過ごすのだろうか。

 

余計なことに心を奪われないように。

少しだけ無口になって、時が過ぎるのを待つことにしよう。

 

だから、早く収まれ。

 

 


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