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2021-06-01

ツール・ド・ツガル / 『 城ヶ倉大橋 』ヒルクライム


 

この日はどのコースを走ろうか決めかねていたが、とりあえずロード車に積んで東へ向かった。

北は青森から蓬田へ、西は鰺ヶ沢、南は大鰐を走っていた。今シーズン、東方面はまだ走っていなかった。東であれば虹の湖、頑張って十和田湖まで、あるいは紅葉山から酸ヶ湯まで。しかし、今の自分の状態を考えると酸ヶ湯までの激坂はちょっと自信がない。

と言いながら、チカラもないくせに、自信のないルートを選んでしまうのが自分の悪い癖である。車を紅葉山近くの駐車場に停め、私は酸ヶ湯に向けて走り出した。

山間とはいえ、桜はとっくに終わり木々は濃い緑色に変わりつつある。時おり、紫色の藤の花が緑の中に垂れていた。

 

 

 

美味しいピザで有名な「ル・グレ」を過ぎると、地味に長い坂が続く。

今回もビンディングシューズでのライドはまだ不安があったのでスニーカーでのライドだった。しかしスニーカーでこの20kmもの坂を上るのはキツいのはわかりきっていた。長い坂を引き足ナシで上るのは、脚に相当の負担がかかる。

走ってみて全然ダメそうだったら「大川原温泉」で蕎麦でも食べて帰ろうと思っていたが、地道に脚を廻していたらいつの間にか「大川原温泉」に着いていた。しかし、ここから酸ヶ湯に行くまでの間に、二度の激坂がある。

ひとつは山々に囲まれたカーブの多い激坂。もうひとつは、克雪シェルターの手前まで続く、景色は綺麗だが延々と真っ直ぐと続く激坂。どちらも斜度10%ほどの長い坂である。

ヒルクライムに関心のない方が「斜度10%」と聞くと、いまいち大したことのない坂に思えるだろうが、これが結構キツいのである。

津軽の人が馴染みのある長い坂といえば、岩木山スカイラインだと思うが、あの上りっぱなしの長い坂で平均斜度が8%くらい。それよりも急なのだ。

 

そろそろ1回目の激坂に差しかかる。とたんにスピードが遅くなる。遅いので、顔のまわりに小さな虫がまとわりつく。息が荒くなると口の中に入ってきそうである。

1回目の激坂は、緩やかに幾度もカーブがあるのでその先が見えない。見えないがために、その先は斜度が緩くなっているのでは…もしや坂が終わっているのでは…などと、つい妄想をしてしまう。

が、この路を何度も走った自分にとっては、それがまさに妄想であることをハッキリ自覚していた。

そうやって反骨心と言い訳を繰り返しながら上っているとトンネルのところに来た。このトンネルを越えれば、広がる青い空がある。それもハッキリ覚えていた。

 

トンネルを抜けると現れる風景

  

「ふぅ~」

緑色に覆われた山々と青い空を仰ぎながら、水分補給をする。

スニーカーでのヒクルライムで、さすがに太腿が張っていた。この後すぐに2回目の激坂を上らなければならない。

(う〜む…そうだ、「酸ヶ湯」ではなく「城ヶ倉大橋」までにしよう)

「城ヶ倉大橋」から「酸ヶ湯」までは、ほんの3kmほどだったが、結構その往復6kmがシンドい。それに今回は「酸ヶ湯」ではなく「城ヶ倉大橋」の近くにある蕎麦屋で昼飯を食べようと考えていた。

 

身持ちを切り替え「城ヶ倉大橋」に向かって走り出す。

走り出してすぐに2回目の激坂が目の前にドーン!路は真っ直ぐ。どこまでも真っ直ぐな上り坂。でも景色は最高だ。

こうなったら何も考えずに歌いながら走ろうかとも思ったが、この激坂では歌も歌えない。ただひたすらに黙々と走るだけ。

 

「お〜久しぶりだなや。さ、もうあんつかケッパレさ」

 

と、10%の標識が無言で語りかける。

この真っ直ぐで長い坂を上ると路は右に緩くカーブする。その先も坂は終わっていないことは、こちとらしっかりと覚えています。

でも、もう少し上れば「八甲田のわき水」のところに出るはずだ。それも覚えているぞ!

 

ゴクゴクゴク。ああ、うめえ。

 

さあ、あとはこの先にある克雪シェルターを上り抜ければ、『城ヶ倉』の蕎麦屋は目の前だ。

視界の先に姿を見せたシェルターにロードが吸い込まれていくと、フッと気温が下がった。山からの涼しい風が、火照った体を冷やしてくれる。

 

最後のシェルター

 

あと少しだ。

 

(「城ヶ倉大橋ヒルクライム」と書いておきながら、城ヶ倉の風景は次回へ…..続 )

 

 

 

 


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