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2022-04-10

ツール・ド・ツガル / 『 ライバル 』


 

ついこないだ。3日間&半日の「空虚な時間旅」が終わった。

3日間&半日ではあったが、ブログでは3月19日から28日まで、10日にもわたる連続モノとなった。1日のネタがラーメンだったり温泉だったりと、二つも三つもあったりしたもんだから、長編シリーズとなってしまった。

これほどの長い期間、連続でブログを書いたのは初めてかもしれない。

3年程前に「写真を撮る理由」と題して続けて10記事を書いたことがあったが、それでも、その時は一日置きの投稿だった。今回はほぼ10日連続で書いた。

ほぼ…というのは、残念ながら1日だけ(25日)空いてしまったのだ。何故、1日だけ空いてしまったのかといえば、前日のワクチン接種により熱を出し、寝込んでしまったのである。

ブログを書くくらいはできるだろうとタカをくくっていたが、熱が38度ほども上がり、平熱が低めの自分にとってはかなり辛いものとなった。夕方の仕事を早引けさせてもらい、帰宅してとっとと横になった。

 

こうしてほぼ10日間続けて書いたせいか、10日以上何も書かずに時間が過ぎていた。書くことがなかったわけではないんだけど。

娘と一緒に「海老とマッシュルームのアヒージョ」も作ったし。青森市でラーメンも食ったし。浪岡の山奥の温泉に行ったら休業中だったし。

 

 

 

土曜日の休日。学校が始まった娘もこの日はお休み。二人で寝過ごした。

久しぶりにプチロングしようと思ったが、ちょっと無理そうか。午後はアンサンブルの練習もあるし。

でも、たまには走らないと身体はどこまでも増量大サービスしてしまいそうだ。

無理矢理ジャージに着替えて、物置からロードを出した。

 

岩木川を超えると強い向かい風。向かい風は嫌いだ。激坂よりも嫌いだ。

平坦な道を走っているだけなのに、すでに脚に疲労がきている。情けない。

 

「あねっこ」が近づいてきた。

その時、

「こんにちは!」と、シューっと音を立てて早そうなカーボンが追い抜いて行った。

そのあとすぐ

「こんにちは!」と、シューっと音を立てて早そうな、もう一台のカーボンが追い抜いて行った。

二人とも同じ黒いサイクルジャージを着ていた。

そのあとすぐ

「こんにちは…」と、少々テンション低めの白いサイクルジャージが追い抜いて行った。

3人とも私を追い抜くと、あっという間に視線の先に行ってしまった。

 

宮地の交差点が近づいてくると、3人の姿が近づいてきた。

白ジャージの彼が少し疲れているようだった。そういえば、黒ジャージの痩身ライダーに比べると、白ジャージの彼は少し小デブだった。

私が近づくと「道を譲って」と黒ジャージが小デブに言った。

譲ってもらった以上、私は彼らを颯爽と抜くことにした。ここにきて颯爽はキツい。

 

バイパスの坂に入ると、ますます脚が重くなる。

心肺は大丈夫だけど、腿がキツい。練習の不足は正直に物語る。

坂の3分の1あたりにくると、下の方から声が聞こえてきた。おそらく先ほどの3人だ。

私は再び抜かれることに少々都合が悪くなり、休憩を取るふりをして左の小道に入った。

お揃いの黒ジャージがあっという間に走り去っていく。少し遅れて白ジャージの小デブが走り去って行った。

 

岩木山が青い空にキレイに姿を現している。

そういえば1ヶ月前はまだ雪壁があったっけ。

 

4月9日

 

3月10日

 

写真を撮るのは休憩にちょうど良い。

再び、岩木山神社を目指して走り出す。

坂の3分の2あたりに差し掛かると、路肩で休む白ジャージの姿があった。

 

もしかしたら、彼はロード初心者だったのかもしれない。

私は、小デブの表情を見ることなく、下を向いたまま追い抜いた。

何度も追い抜いたり追い抜かれたりして、交わす言葉もなくなっていた。

 

私は黙々と神社を目指して走った。

あの様子だと、おそらく私を追い抜き返すことはなさそうだった。

坂を上りきったあたりで後ろを振り返ってみたが、やはり小デブの姿はなかった。

 

岩木山神社が近づいてきた。

あと数百メートルというあたりで、2台のロードが颯爽と下ってきた。お揃いの黒ジャージだった。

私に会釈をして、二人はあっという間に過ぎ去って行った。

 

神社に到着。

私は鳥居の向こうの白い山頂に手を併せた。

 

岩木山神社手前の赤い橋にて

 

私はわずかな時間、神社にいたが、白ジャージの小デブが上って来ることはなかった。

颯爽と下って行った黒ジャージの二人に諭されて、一緒に下ってしまったのだろうか。

私は、彼が上ってくるのを心のどこかで期待していた。なんとなく、彼の上る姿に自分を重ねていたのかもしれない。

考えてみれば、二人で並んで鏡に写してみれば、私の方がデブだと思う。

小デブなんて、随分と失礼な言い方をしていた。反省した。

 

彼は、このわずかな距離の間に、お互い抜いたり抜かれたりした「ライバル」だった。

でも結局、「ライバル」が姿を現すことはなかった。

 

私は神社をあとにした。

カーブを曲がり、一気に坂を下る。

すると、視界の遥か先に白いジャージが見えた。

その姿がだんだん近づいてきた。

 

すれ違う時、私は思いっきりの笑顔で挨拶をした。

「ライバル」は、満面の笑みで微笑み返してくれた。

 

 

 

 


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