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2017-11-09

【 学生街の喫茶店 】 BLUE BLUE KANDA / 欧風カレーBondy


東京・神田といえば、かつては学生の街というイメージ。

今はどうなのだろう。

 

30数年前、仙台で浪人生活を送っていた私は、洋服好きもたたって東京に強い憧れを抱いていた。

実家はまったく裕福ではなかったので、進む道は国立の大学しかない。

正直、予備校に行かせるのも経済的にそうとう厳しかったと思う。

世間知らずのジャイゴわらしは、そんなことはまるで頭になく、のほほんと都会での生活に思いを馳せていた。

 

私立に行くお金はないとわかっていても、なんとなく入学試験だけは受けてみることにした。

青学や立教の、あの蔦の絡まるお洒落なミッション系の大学に憧れてはいたが、どう考えても無理そうだったので、明治と法政を受けた。

自分なりには手応えがあったが、結局どちらも落ちた。

 

本命?の弘前大学にはなんとか受かり、結局ジャイゴわらしは、鰺ヶ沢よりは都会の弘前で学生生活を送ることになった。

あのとき、弘前大学に受からず、明治大とかに受かっていたらどうしたのだろう。

「バイトするから!」とか親に懇願して東京暮らしをしたのだろうか。

そうだとしたら、神田の街などをプラプラしたのであろうか。

 

東京には、月に一度くらいのペースで出張に出る。取引先メーカーはほとんど決まったエリアにある。

渋谷・原宿・青山界隈。

代官山・恵比寿界隈。

この二つ。

だから出張に出ると、このエリアを行き来して終わることがほとんどである。

 

この仕事をして30年以上になるが、この度初めて、神田方面に足を運んだ。

しかも神田エリアの中でも、古本屋などが立ち並ぶ「神保町」

「神田・神保町」という響きからは、古くからの学生の街で、レトロな佇まいを勝手にイメージしていた。

 

都営三田線「神保町駅」で下車し、改札を抜け、外に出てみると。

やはりそこは東京であった。

片側3車線の大きな交差点。

交差点の角には、よく見る紳士服のチェーン店。

 

なんとなく気が抜け、「そうだよな、別にタイムスリップしたわけでもないし」と思いながら、目的地に向かって歩く。

それでも、一本通りを入ると、いきなり昔からの建物が顔を出す。

レトロというのとは少し違って、昔ながらに長く商売を続けている生活感というか。

そんな空気が流れていた。

しばらく歩くと、そのお店はあった。

 

「 BLUE BLUE KANDA 」


 

自分が勤め始めた頃からの取引先でもある「聖林公司」の新しいSHOPである。

決して広くはない和の空間に、僕らが学生だった頃に憧れたアイビースタイルがギュっとつまっていた。

しかしよく見ると、それはかつてのアイビースタイルではなく「聖林公司」のフィルターを通した「神田スタイル」なるものが体現された店だった。

 

お店のスタッフに挨拶すると、すでに営業のSさんから連絡が入っていたらしく、快く写真撮影のお許しもいただいた。

弘前の老舗煎餅店の手焼き煎餅のお土産を渡すと、偶然にもスタッフの一人の方が青森出身ということで、話も盛り上がる。

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

そういえば、

昼の飛行機だったので、昼御飯がまだだった。

事前に営業のSさんに、神保町で美味しいラーメン屋さんを訊いていた。ラーメンも有名なお店はあるらしいが、どうやら神保町はカレー屋さんが有名らしい。

「BLUE BLUE KANDA」の近くに「欧風カレーペルソナ」という有名なカレー屋があるのだが、昼の営業は15時まで。時計を見たら5分過ぎていた。

お店のスタッフの方に他に良さそうなカレー屋を訊ねると、「Bondy」という店を紹介してくれた。

地図を見ると、5〜6分で行けそうだ。

 

荷物をお店に預かってもらい、「Bondy」へ。

先ほどの大きな交差点を渡ると、古本屋が並ぶ。その何軒かある古本屋の2階に「Bondy」はあった。

 

「 Bondy 」


 

15時過ぎだから、空いているかなと思いきや、テーブル席はほぼ満席であった。

かろうじてカウンターが空いていた。

メニューの一番上にあるビーフカレーを注文した。1480円と結構なお値段。

 

トッピングの茹でたジャガイモ2個が先にきた。

ジャガイモだけで食べてもいいし、カレーと一緒に食べてもいいとのこと。私はカレーを待った。

程なくしてカレーもきた。

辛口で頼んだが、味はフルーティというかココナツの香りというか、やはりインド系というよりは欧風の味である。

角切りにされたビーフがゴロゴロ入っていた。

私が食べている間にも、次々お客さんがやってきて、入り口の前に行列を作っていた。

 

おなかも満足し、どっぷりと汗をかいて、「Bondy」を後にした。

帰りがけ、何軒かの古本屋を覗いてみた。

なんとなく古本というと、安く売っているイメージもあったのだが、ここ神保町は「古本」がブランドになっているようで、いわゆる貴重な「古書」だったり、本が「資料」として売られているようだ。

 

 

 

 

 
 

たまたま覗いたお店では、ちょっと昔の「ポパイ」や「ブルータス」を売っていた。

そんなに大昔のもではないのだが、驚いたことに1080円の値段が付いていた。

もともと売っていた値段の倍であるが、業界の人が資料として購入するには高くないのかもしれない。

 

「BLUE BLUE KANDA」に戻り、スタッフ方に挨拶をして、渋谷方面に向かおうとしたのだが…

ちょっと気になる店があった。

 

営業のSさんがくれたメッセージに「喫茶さぼうる」というのがあった。

なんとも変わったネーミングだったので、携帯でちょっと検索してみたら、どうやら神保町で60年も続いている老舗の喫茶店らしいのだ。

場所を調べてみると、地下鉄入口のすぐ裏手だった。滅多に来ることのない神保町だし、せっかくだから行ってみることにした。

 

大通りから一本裏に入ると、まさにタイムスリップしたかのような路地が現れた。

そして細い通りの中に、なぜか大木があり、その大木をまるで傘のようにして「喫茶さぼうる」はあった。

 

 

まるで東南アジアのバラックのような佇まい。

店内に入ると、そこはまさに異国というか、異質な空間だった。

店内は薄暗く雑多で、南の国のお面がいたるところに飾られてあるけれど、日本のどっかの提灯らしきものもあったり。

 

 

客は、見る限り、学生というよりは社会人が多い。店員も結構多くいて、カウンターの中に3人もいた。オーダーを取りに回っている店員さんもどことなく不思議な感じもする。

テーブルと椅子は小さく。煙草を吸っている人もたくさんいた。

もう十数年も前に煙草をやめていた自分にとっては、あまり良い空気ではなかったが、コーヒーを頼んでしばしこの「空気」を味わうことにした。

 

「学生街の喫茶店」といえば、もちろん「ガロ」である。

私が小学校6年生の頃にヒットした、フォークのような歌謡曲のような独特な歌で、「ガロ」の3人も長髪、サングラスにラッパズボンもヒッピーな感じ。

子供心に東京といえば「ガロ」が歌う「学生街の喫茶店」がイメージであった。

 

「喫茶さぼうる」は、自分が勝手に思い描いていた、古き良き「学生街の喫茶店」と趣は少々違っていたが、40〜50年前は神田・神保町界隈の学生で賑わっていたのであろう。

珈琲を飲み終え、煙い店内をあとにした。

 

大通りの交差点にも古くからの本屋さんがあった


 

初めて訪れた神保町の喫茶店であったが、なぜかノスタルジックな気分に浸りながら、いつも通りの展示会のある渋谷方面に向かった。

 


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