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2018-03-23

マウンテンパーカ / 『 SIERRA DESIGNS(シェラデザイン) 』と『 THE NORTH FACE(ノースフェイス) 』


3月も後半になり、だいぶ春めいてきた。さらっと春物のコートなどを羽織りたい気分になるが、さすがに朝夕はまだ寒い。でもダウンジャケットを着るのはちょっと見た目も重苦しい。

そんなときに活躍するのが「マウンテンパーカ(通称マウンパ)」だ。じつは大の「マウンパ」好きである。

今から37~38年ほど前、私が高校生の頃、「IVY」が流行った。確か「第2次IVYブーム」だったと思う。「第1次」はさらに10年近く遡るのだろうか。かつてアメリカの東海岸にある有名8大学が「IVYリーグ」と呼ばれていて、当時の彼らのファッションスタイルがいわゆる「IVYスタイル」だったわけだ。

ただ、これには諸説あり、たまたまアメリカにライフスタイルを取材しに行った日本の記者が、その彼らのスタイルに感動して、日本に持ち込んだらしいのだが、実はアメリカのキャンパスでは、そのスタイルがたまたまブームであったらしい。ずっと昔から、そしてその先もいわゆる「IVYスタイル」が続いた…というわけではないらしい。

確かに、ブルックスブラザーズやJプレスはあったのかもしれない。ブレザーやBDシャツ、スタジャンやPコートもあったのかもしれないし、アメリカの学生もそれを着ていたのだろう。

しかし、いわゆる「IVYスタイル」という「着こなし」は日本で出来上がっていったスタイルだと思っている。「平凡パンチ」に始まり、「ポパイ」や「ホットドッグプレス」そして「メンズクラブ」などの雑誌が、作り上げていったといってもいいだろう。

当時はスマホはもちろん、ネットそのものがない時代だから、情報源はほぼ雑誌である。いろんなことを知っているマセた先輩がいたとしても、やはり彼らも雑誌をひたすら読んで、いろんな知識を身につけたのだ。誰もが同じ雑誌を読み、同じものを欲しがると、あっという間に「ブーム」は作られる。

「ネット」はなかったけど「通信販売」はあった。メンズクラブの最後の方のページには、アメリカブランドのダウンジャケットやブーツなんかを通販しているページがあったり、「これ売ります、買います」みたいな、今のメルカリみたいなページもあったりした。

高校3年のときに「通販」で買った「コンバースオールスター」の黒のハイカットは、当時の自分にとってはまさに宝物であった。デザイン、フォルム、質感、匂い、そしてヒールパッチにプリントされた「MADE IN USA」の文字。はるばるアメリカからこいつはやってきたのか、という憧憬の思い。

たしかに「ブーム」はあったのかもしれないが、おそらく誰もが雑誌を読みながら、アメリカやヨーロッパへの憧れを抱いたに違いない。

そういった憧れをさらに強くさせたのは、「メンズクラブ」や「ポパイ」に載っていた、「IVYスタイル」のイラストの数々だった。

なんといっても有名なのは「穂積和夫」氏の「絵本アイビー図鑑」である。丸顔のキャラクターが、いろんな季節ごとにいろんなアイテムを着て登場する。春はスタジャン、夏はポロシャツ、秋はダッフルコート、冬はダウンジャケット、てなかんじで。

「絵本アイビー図鑑」

スタイルに憧れるのはもちろんだが、そういったアイテムひとつひとつを揃えていきたくなるのだ。まったく「IVYスタイル」というのは、「オタク」な日本人にはうってつけのファッションだったと思う。そして個人的に憧れたイラストが「小林泰彦」氏の「ヘビーデューティスタイル」のイラストだった。

穂積氏とは対照的な粗野なタッチで描かれたその絵は、一見山男のようなハードなアウトドアスタイルなのではあるが、青森の田舎のおっさんが着ている登山スタイルとはどこか違っていた。小林氏の描く「アウトドアスタイル」は無骨ではあるが、なぜか都会的に見えた。雨風をしのぐアウターや山を登るゴツいブーツがカッコよく見えた。

小林泰彦氏のイラスト (Free&Easyより)

その中でも、自分が憧れたアイテムが「マウンテンパーカ」だった。そしてブランドはやはり『SIERRA DESIGNS(シェラデザイン)』 だった。
アウトドアブランドにありがちな原色ではなく、ベージュやネイビー、Dグリーンなどが主ではあるが、表地と裏地のコントラストが良かった。素材のウンチクなど全くわからなかったが、「60/40クロス」という響きだけに憧れた。

しかし、当時としてはかなりの高額だったと記憶している。もちろん貧乏な高校生には買えるわけもない。というか当時は弘前で売ってなかったように思う。

でも「マウンパ」がどうしても欲しくて、当時「ハイローザ」にあった「IVY」で『ユニバーシティショップ』というブランドの「マウンパ」を買った。カラーはベージュで裏がグリーンだった。当時としてはハイテクな「シンサレート」が中綿として入っていた「マウンパ」で、けっこう気に入って大学時代も着ていた。

やがて、世の中は情報も多くなり、ファッション誌も続々と創刊され、「IVYスタイル」に変わり「ヨーロッパカジュアル」が台頭した。

「ヨーロッパカジュアル」がブームになると「マウンパ」はどこかオッサンくさいアイテムになった。数年後(80年代後半~90年代初め)「渋カジブーム」とともに再びアメリカ物が流行ったが、人気だったのは「ラルフの紺ブレ」や「バンソンのラーダース」「アビレックスのB-3」だった。

店でも『SIERRA DESIGNS(シェラデザイン)』の「マウンパ」を置いてみたが、そんなに売れた記憶はない。確か、売れ残ったブルーとネイビーの「マウンパ」を自分で買ったはずだ。その後、しばらく自分でも好んで「マウンパ」を着ることはなくなった。

「SIERRA DESIGNS」のマウンパ

しかし2010年あたりから、世の中で「アウトドアブーム」が再燃しつつあった。昔に比べると、アウトドアブランドも遥かに増え、スタイルも様々になったが、ブームの牽引役になったのは、やはり『THE NORTH FACE(ノースフェイス)』である。

昨今、大人気の『THE NORTH FACE(ノースフェイス)』だが、かつてはあまり好きではなかった。次回はそのへんのところをば。

…続く(すいません)


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