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2019-12-01

【 2019 こども音楽コンクール東北大会 】 重唱の部 『最優秀賞』受賞!


 

「どうだった?」

「合唱はだめだったけど。 重唱は…..最優秀賞!!!」

娘から返信のメッセージがきた。メッセージには嬉しそうな絵文字がたくさん踊っていた。

 

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猛烈な大雨を降らせ、各地に大洪水をもたらした台風19号。

コンクールが開催される予定だった郡山市でも、阿武隈川やその支流が氾濫し、市街の至るとこが冠水した。会場からわずか1kmほどにある小学校も、1階部分が浸水していた。

前日に「大会当日の演奏は中止」という連絡があった。本番ステージを目指して頑張っていた子どもたちはもちろん、バスやホテルの手配に奔走していた父母会の方々も皆がっくりときていた。( → 「台風 と 娘の涙」

しかし、ニュースで福島県の被害の映像を目にすると、(無理に開催されなくて良かった…)というのが本音だった。

ステージ演奏によるコンクールは中止となったが、「東北大会の審査は、録音審査をもって行う」という主旨の連絡があった。

 

1ヶ月近くも経った11月の初めころ、学校で録音が行われた。私も立ち会うことにした。

10月の郡山本番直前では補欠メンバーだった娘の姿が、そこにあった。NHKコンクールではアルトを歌っていたが、重唱ではメゾソプラノになっていた。

曲はNHKコンクールの自由曲でも歌った『烏かねもん勘三郎』 一昨年の重唱でも先輩たちが歌っていたので、今年の6年生にとっても歌い慣れている曲だ。

一昨年のときは、しっかりした声で歌える子がいたので、子どもたちに任せていたが、今年は顧問の先生がかなり細かいところまで指導した。とくにフレーズごとの速さやリズム、強弱にメリハリが際立つような表現を目指した。

 

録音本番。

子どもたちが横一列に並ぶ。4人の前にはマイクが立っていた。

呼吸を合わせて歌い出す。なかなかいい感じだが、たまにリズムが乱れる。録り直しだ。二回目はいい感じだが、4パートが分かれるところで音程が乱れる。

そんなかんじで、ここが良ければあそこがダメ。そこをクリアしても別のところが乱れる。その繰り返しだった。

ステージの本番であれば、良くても悪くても一発勝負だが、録音となると繰り返し歌うことができる。しかし、その分演奏に完璧さを求めてしまいがちだ。4人にも疲れが見え始めた。

歌っている表情が気になったので、少しアドバイスをした。

「横一列じゃなく、真ん中の2パートが少し後ろに下がってみよう。常に他の人の顔を見て歌う必要はないけど、4人で歌ってるんだ!という空気感を共有しよう。そうすれば、歌い出しも決まるし、リズムや音の強弱にもメリハリ出ると思うよ」

再度録音にチャレンジ。

どこかにミスは出るのはしょうがない。それでも、歌っている表情が少し良くなってきた気がする。ステージで演奏しているようなライブ感が出てきた。

「よし、終わりにしましょう!」 

先生が言った。あとは、審査の結果を待つばかり。

 

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台風が襲来したあの日。「重唱メンバーの子どもたちだけでも郡山に連れて行きたい」と訴えていた先生の思いは、大会の中止とともに叶わぬ夢に終わった。そういえばあの日、娘も泣いていたっけ。

しかし結果的に、「小学校最後のコンクールで最優秀賞」というご褒美を、娘たちはいただくことができた。

よかったなあ。ほんと、よかった!

 

重唱メンバーと一緒に

 

ただこれで終わりではない。全国大会が待っている。だがこのコンクールの全国大会は、東北大会でのステージ演奏を録音したもので審査するという規定になっていた。

今回はそのステージ演奏がなかったので、仙台から担当の方が来て再度演奏を録音するのだそうだ。またまた、録音である。こりゃ子どもたちも大変だ。

でも、頑張れよ。 きっといいことが待っている。

 

一年のうちに、父娘共々全国大会出場など、この先ないかもしれません。娘には本当に感謝しています。

 

 


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