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2020-09-18

骨折闘病記 ⑧ 「創外固定」外れる 〜相棒との4週間〜


 

9月16日。

「麻酔ナシでいきますよ!いいですか?」

「煮るなり焼くなり、お任せします!」

 

再び、あの重くて熱い「赤ん坊」を抱くのはイヤだったので、麻酔はナシでお願いしていた。

手術の時と同じような麻酔をするとなれば、時間も手間も金もかかる。なにより、その日一日、「赤ん坊」を抱いて過ごさなければならぬ。あれは辛い。

 

「では、始めましょう」

心構えの準備をする時間もないままに、診察室のベッドに横たわる。

最初に、手首に刺していた2本のピンを抜く。粉砕していた手首の幾つかの骨を支えていたピンだ。無事に2本のピンは抜けた。

いよいよ「創外固定」の取り外し。まずは、メインボディをボルトから取り外す。ガリっと外す瞬間に、激痛が走る。

締めは、4本のボルトの取り外し。まずは腕の2本。グリグリグリとネジを回すような感覚が伝わってくる。そしてズボッと抜ける感覚。

麻酔ナシなので当然痛いが、しかし思ったほどの激痛ではなかった。

「最後の2本いきますよ!」

手の甲に突き刺さっていた2本だ。グリっと回すと激痛が走る。

「ギャ!」思わず声が出た。

 

 

10分ほどで、取り外し手術は終わった。左腕には3箇所、絆創膏が貼られている。

左腕に空いた、計6個の穴。今はまだ大丈夫だが、時間が経つとともに痛みだすに違いない。痛み止めの薬を処方してもらうことにした。

 

「先生、記念にこの器具の写真を撮ってもいいですか?」と訊くと、「あ、これ?よかったら、持って帰ってもいいですよ」という答えが返ってきた。

4週間生活をともにした「相棒」は、ビニール袋に包まれて、私のトートバッグの中にひっそりと身を隠した。

 

その日の夜、トートバッグに身を隠していた「相棒」を出してあげた。

4本足を私の腕に突き刺していた屈強な「相棒」は、すべての足を失い、首も曲がり、その目はどこか虚ろな表情をしている。

自分のすべき役割を終えて、チカラが抜けてしまったかのようだ。

 

「相棒」

 

仕事をしているときも、シャワーをするときも、そして寝ているときも、共に頑張ってくれた「相棒」

この4週間、お疲れ様でした。感謝申し上げます。これから、しっかりとリハビリに励みます。

 

「相棒」は今、

私にとって「もっとも大切な、カッコいいオブジェ」として、デスクの上に鎮座している。

 

* 何年か後、今回のことを振り返るための備忘録として書いています。

( 前回のブログ → 骨折闘病記 ⑦ 「創外固定」〜マシンガン生活〜 ) 

 

 


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